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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『流れる』

2007-03-21 19:25:15 | 映画
『流れる』(1956)
監督:成瀬巳喜男 原作:幸田文
出演:田中絹代、山田五十鈴、高峰秀子、栗島すみ子、杉村春子、岡田茉莉子ほか

これだけの大御所が顔を揃えての堂々とした日本映画を代表する傑作と評判の今作。
なるほど。
はじめは、田中絹代演ずる女中は脇役かと思ったが、素人の彼女から見た玄人の世界、
「家政婦は見た」状態のストーリーだったんだな。

老舗の芸者置屋「つた奴」が経営難で義姉に家を抵当に取られ、毎日の食事や酒代もままならない。
おかみの妹は男に捨てられて娘と一緒にだらだらと厄介になっているし、
若い芸者のひとりは問題を起こして家出。叔父が「賠償金を払うまで帰らない」と
毎日のように脅しに来る始末。
芸者を辞めて旅館にしたらという話が持ち上がるが、芸者一筋のおかみは
いまさら職を変えることに気がのらない。

一癖も二癖もある女たちの世話をしながら、表と裏の世界を垣間見る女中さん。
梨花ってステキな名前があるのに、「呼びづらいから”お春さん”でいい?」
て勝手に名前を変えられてしまうあたりも面白いw
ゆすりに来るコワイおじさんの名前が鋸山ってゆうのもどうなの?

心機一転、活気を取り戻した家でまたみんながそれぞれの毎日がはじまる中、
田舎に帰って、自分もこれからの生活を見直してみようと決心した女中が、
三味線を弾くおかみたちをいつまでもいつまでも感慨深く見つめているラストシーンも
静かな感動が残る。

いろんな場面で邪魔扱い?されて首をつかまれてる飼い猫のポン子ちゃんにも要注目。



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