メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

松尾スズキ@インタビュー ここから 

2019-12-01 14:42:10 | テレビ・動画配信
何度か放送がズレて録画できなかったが
3度目くらいに再放送してくれて予約できたv

【内容抜粋メモ】

『いだてん』
一癖ある役柄を演じ存在感を示すこの人




『あまちゃん』(懐かしい




個性あふれる才能が多数所属
最もチケットが取れない劇団の一つといわれる「大人計画」を率いる松尾スズキさん
劇団の主宰者として舞台の脚本や演出などを手がけています

大人計画『30祭(SANJUSSAI)』(2018.12.18 ネタバレ注意)




「芸術監督就任」
来年1月からは、世界的演出家 蜷川幸雄さんの跡を継ぎ
渋谷の劇場の芸術監督への就任も決定
日本の演劇界を代表する一人です






また作家としても活躍
芥川賞の候補に3度も選ばれるなど幅広い分野で才能を発揮しています




松尾さんが作品で一貫して追求してきたのは、人間が生み出す笑いです



大人計画『母を逃がす』@下北沢本多劇場(ネタばれ)




ま:
一つのギャグでみんなが笑っている
その感覚を共有しているっていう瞬間の時に
ハッと、あ、今自由っていう気持ちになれるんです


笑いを求め続けてきた松尾さんの原点
そして信じる笑いの力とは?


福岡県北九州市八幡西区折尾地区
かつて石炭輸送の中継点として栄えたこの街で松尾さんは育ちました






ま:
川の水がすごく綺麗になった
昔はすごく汚かったですね

この川を一旦綺麗にしたというので
鯉をいっぱい放流した時があった

すごく綺麗だったんですけど
次の日におっさん達がみんな釣り上げていて
食べたのかなあ(ww

アナ:松尾さんは子ども時代から割と笑いに溢れていたんですね

ま:笑いと言うか ワイルド


母校 折尾西小学校
笑いを求め続ける松尾さんの原点がこの場所です




ま:何も見えないですね

アナ:外壁工事中でありまして・・・

ま:この隠し加減どうですか(ww


よくはしゃぎ、人を笑わせずにはいられない性分だった
なぜ廊下の突き当たりに仏像の絵が飾ってあるんだろうw






ま:
走り回ってました
走ったり、滑ったり、滑り込んだり
どうやったら面白く走れるか ここでやってた





アナ:小学校時代、クラスの中ではどんな存在でしたか?

ま:面白いことを言うコみたいな

アナ:小学校の頃から人を笑わせる?

ま:
そうですね ありえないところをくぐって行ったりとか 椅子の下とか
とにかく笑わせようというのか
突飛なことがしたくてしょうがなかった
目立ちたいw


当時は漫画家を目指すほどの漫画好き
自作のギャグ漫画が人気でした




ま:
うっすらしか思い出せない
頭にこういうものが付いてたのを記憶している

アナ:何ですか?

ま:分からないです

アナ:ギャグとかをふんだんにちりばめて作ってたんですか?

ま:でも本当に子どもの考えだから「ギャフン」みたいなやつですけどね

もろ赤塚不二夫さんの影響

映画『マンガをはみだした男 赤塚不二夫』@ポレポレ東中野(5/3 火・祝)

『マンガをはみだした男 赤塚不二夫』試写+トーク@池袋コミュニティ・カレッジ(2016.4.3)

土曜ドラマ『バカボンのパパよりバカなパパ』(全5話)

「男子天才バカボン」@本多劇場



1962年 3人兄弟の末っ子として生まれた松尾さん
可愛い写真








ふざけるのが大好きなお調子者
その一方、人付き合いが苦手な子供でもありました

「人見知り」

ま:
お調子者のくせに人見知りが激しいから
小学校行くときも、やっぱり今日もふざけるぞ!
みたいなちょっとメートルを上げると言うか
学校終わる頃には疲れ果ててるみたいな


「5年生でクラスのリーダーに選ばれた松尾さん」
そこで転機となる事件が起こります

ま:
選挙があって、票が入って98

クラス会にとかでふざけすぎて、隣にいる副級長の子が泣き出してしまって
そしたらみんなで「松尾君が級長っていうのはもうないと思います」みたいな感じになって
リコールが起きて辞めさせられたw


「級長失脚 挫折の始まり」

アナ:級長を辞めさせられるってなかなかないですよね?

ま:
1学期達成しないまま辞めさせられました
その頃からちょっと小学校ではあまり突飛な行動とか笑いをしにくくなった
そういうことで笑わなくなってくるんですよね

5年、6年あたりから女の子の目も意識するようになるし
そうなると「自分は何て恥ずかしいことをしてたんだ」みたいな
全部裏に入っちゃって

(私は、そういうおちゃらけたクラスメイトが好きだったなあ


「孤独な時代 出せない自分」
中学、高校になると大きな病気をしたこともあり、さらに自分の殻に閉じこもるようになります

ま:
腎臓の病気になった 中学の頃
体育ができなくなって、検査入院でひと月ぐらい入院して
その間に成績が下がってしまい
踏んだり蹴ったりw

中学、高校は孤独でしたね
「なんでこううまくいかないんだろう」みたいなことばっかり考えていました

面白いことを言ってやりたいんだけど
でもクラスの中で言う勇気がないというか

アナ:じゃあ周囲とのコミュニケーションもあんまり?

ま:
なんか自意識でがんじがらめになってしまって
爆発しかけてたから

高校生の時なんかマント着て、黒いマフラーして
自転車で街を失踪して「自分は魔人だ」と思ってましたからね



(江戸川乱歩?!爆×5000

自分は人じゃない 魔人だと思い込んで街を疾走していました
よくやってました

アナ:それは別に誰かに笑って欲しいとかではなく?

ま:
そうではない 全然笑い話にできない時代かな、あの時は
何かに首根っこを掴まれて、不自由にされてるみたいな感じがありましたね


「深夜ラジオ」
そんな時、心の救いになったのはやはり笑いでした
オールナイトニッポンの曲がかかる




ま:
その頃タモリさんとか、所さんとか、たけしさんとかが始まった頃かな
すごく面白くて、夜中にこっそり布団の中で聴いてて
ラジオに投稿したりして

パックインミュージックっていう番組があって
それに応募して読まれることが喜びだったです
結構読まれてました

最初に読まれたのは、中学の時にすごく毛深くて
それがコンプレックスで

体育とかで足を出すじゃないですか
走りもしないのに足を出して

すねも毛深いから、姉が脱毛ワックスというの持ってて
それをバリっと剥ぐんですけど、めちゃくちゃ痛くて

5枚ぐらい貼って、剥がして
もう限界でやめちゃって、マダラみたいになっていう話を書いたら採用されて
読んでもらうのが生きる糧になってたかな

アナ:本当に日常が面白いですねw

ま:
そういうコンプレックスがあるからですけどね
それをちょっと面白く書けば、お笑いにつながって
いろんな人に聞いてもらえるっていうのは
ある種快感だし、浄化だと思います 成仏と言うか


屈折した気持ちや、身近に起こる不幸さえも、切り口次第で面白いことに変えられる
孤独の中で笑いへの感性を磨いていきました


大学で出会ったのが演劇
漫画家になろうとデザインを学びに来た松尾さん
松尾さんが再び本当の自分を表現する方法を見つけたのが九州産業大学




ま:演劇部、こんなとこにあったかな?

アナ:当時とは場所が少し変わってますね

(てか、学校の廊下ってこんなにまっすぐに長かったっけね?

ま:あ、人がいた

アナ:現役の部員さんですね

ま:初めまして 松尾と申します




アナ:当時と比べてこの部室の雰囲気はどうですか?

ま:
ポップですね
当時はやっぱりみんなタバコを吸ってたから
扉を開けた途端に「苦い!」っていう感じがあったし


「演劇に見出した可能性」






アナ:漫画でなくて演劇に惹きつけられたのはどんなところだったんですか?

ま:
やっぱりそれまで机に向かってものを書くという表現をやってきてたんですけど
フィジカルな部分 体の動きを使って表現するっていうことが
そういえば子どもの時にわけもわからず動いていた、衝動的に
あそこに繋がっていったんじゃないかなって僕は思っていて

「新劇」っていう雑誌があって、部室の片隅に置いてあったんですけど
開くと最初の数ページが白黒のグラビアページになっていて
みんな跳んだりとかしてて
演技ってこんなに自由な事やっていいの?と思って

小さい頃、自分の体を使って遊んだじゃないですか
それが表現として成り立つんだみたいな

その中にギャグを入れていって
それがちゃんとウケていく中で、お客さんの評判もどんどん上がってきて
人が見に来てくれるようになって
学校の外でも芝居をするようになってくる

アナ:
演劇研究会とはまた別で演劇のグループを作って?
相当のめりこみました?

ま:
そうですね
正直、学生の頃が一番演劇のことを考えていたかもしれないw


1988年 大人計画旗揚げ
自身の表現を追求しようと劇団の大人計画を旗揚げします

それから30年余り
松尾さんは全力で生きる人々が繰り広げるドタバタを通じて
人間のおかしみ、かなしみを笑いに変えて描いてきました













松尾さんが考える笑いとは?

ま:
なんだろうな なんか息苦しさからの解放なのかなと思いますけどね
緊張と緩和という人もいますけれども

アナ:笑いの作り方ということで言うと?

ま:
やっぱり人間って緊張を強いられて生きている生き物だなと思いますけど
そこからポンと抜ける道と言うか
それが笑いなのかなと思います

そういった体が楽になる瞬間に平等になれるみたいなものがあるのかなと思いますけどね
笑ってる時間というのは、人間平等だなと思うんです

どんな人でも同じことで笑っている限り、感情を共有できている気がするんですけど
だから劇場の笑いが好きなんでしょうね

生の人間が本当にそこでおかしいことをやる、おかしいことを言う
っていうことの笑いってもっと近いと言うか
ダイレクトに響くものがあると思っていて

会場にいる人たちは、いろんな事情を抱えてきて
色んな揉め事もあり、今不幸だなって思っている人がいたり
宝くじで50万円当たったみたいな喜びに包まれていたりとか
いろんな人がいるんですけど

一つのギャグでみんなが笑っている
そういう感覚を共有しているっていう瞬間に
「あ、今自由」っていう気持ちになれるんです
それがずっと続いているというのが、自分にとって幸せな時間かなって思います


「業音」海外公演
かつて孤独の中で培った松尾さんの笑いは、今や海外の人達にも受け入れられています
(言葉はどう翻訳したんだろう?



日本総合悲劇協会『業音』@東京芸術劇場(2017.8.16 ネタバレ注意)


「命、ギガ長ス」




ま:
この間「命、ギガ長ス」っていう二人芝居をやって
台湾の人たちのウケ方がハンパなくて
最後のほうはコンサートをやってるみたいに「キャー!」みたいになってて
あれは本当に国境を越えるっていう強さと言うか

笑いってやっぱりすごいな
台湾の人達と笑うっていうことで確実につながっているという気持ちになれた
それはパリでやった時もそうですけど


映画「108~海馬五郎の復讐と冒険~」
この秋公開の映画で松尾さんは新しい挑戦をしました
監督、脚本、主演のすべてを初めて一人で担当したのです

妻の浮気を疑い、復讐しようとする男のドタバタを描いたコメディ映画
人間の醜い部分にもスポットを当て、お笑いに変えます




身勝手さやむき出しの欲望など
人間の抑えきれない業が過激なユーモアを交えて描かれます


アナ:松尾さんはそもそも人間っていうものをどう考えていますか?

ま:
人間って だって言ってみれば人それぞれですから 何とも言えないですけど
やっぱり他人て基本怖いなと思って生きてますよね
だからこそ怖がらないために面白がりたいというところもあるんですよね

アナ:よく分からない他人というものを笑いを挟むとちょっと理解できる?

ま:
許せるという

今回、主人公を自分が演じてるんですけど
それこそ業、欲まみれの人で
誰しも心の奥底に持っているものなのではないかな

自分は酷いことをしているのに、それをどこか肯定したい気持ちと言うか
そういうのって否定できない部分だと思うんですよね

それをスクリーンと言う「闇に照らされた世界」の中で
行われることだから許されるじゃないですけど
酷い目にあってますけどねw

アナ:笑いを通して人間の本質みたいなものを描き出したいという思いがあるんですか?

ま:
そうですね

軸足は演劇であり、ストーリーと笑いが組み合わさったものを作る
喜劇人というポジションだと思うんですけど

笑いだけではなくて、そこに人間の性だったり業だったり
そういうものをくっつけて提出したいなと思っていますね


表現としてこれから
来年1月からは東京渋谷の劇場の芸術家監督に就任することが決まった松尾さん
会見では今までに行ったことのない実験をしたいと
新しい表現を追求する意気込みを語りました

ま:
本来はタブーのない世界だと思っているんですよね、劇場というものが
作家の脳の中を立体化して見せているっていう空間なので
自主規制なんてものは絶対しないほうがいいと思っていますね
そこに行けば自由な気持ちになれるんだみたいなことが大事だと思います

アナ:その先に何を描き出そうと、何に迫ろうとしていらっしゃるんですか?

ま:
それは分からないですよね
目の前のお客さんを笑わせることが楽しみなので、先のことはあんまり考えないかな

アナ:本当にそれほど笑わせたいんですね

ま:性ですね


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