メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『クリスマスの思い出』

2008-11-30 10:39:25 | 
『クリスマスの思い出』トルーマン・カポーティ/著 村上春樹/訳 山本容子/銅版画
こないだ借りてきたクリスマス本
大好きな『遠い声 遠い部屋』ほか『ティファニーで朝食を』 『冷血』などを書いた作家。
映画『カポーティ』を見た時はなんだかイメージと違くて戸惑ったが、ウィキで見たら複雑な家庭事情の幼少時代を過ごしたみたい。
今作は自伝的要素もあるようで、親戚と暮らす少年と一番の仲良しの老婆と愛犬クイーニーと過ごした冬の思い出を綴っている。
だいぶ歳が離れているのに遠縁のいとこ同士って設定がフシギ。
少しずつのお金を貯めて毎年クリスマス恒例のフルーツケーキを大量に作る様子や、
秘密の場所まで早朝から冷たい川を渡ったりして素晴らしいもみの木を切りに行ったりする様子が思いいれたっぷりに描かれて目に浮かぶよう。
でも、少年は成長し全寮制の学校に入れられ、無二の親友と離れ離れにされてしまう。。
ラストであたかも自分の大事なココロが胸からえぐられるような気持ちにさせるカポーティの純粋で正確な文と構成はほんとうに素晴らしい。


その他に読んだ本。
『怖るべき天才児』リンダ・キルト著 ミヒャエル・ゾーヴァ絵
ひさびさ好みの文章に会った。ウソをつくたび口からカエルが飛び出す少女、親すら思い出すのが難しいほど普通すぎる少年、自分の名前を呼ぶたびに相手がかき消えてしまう少年などなど、それぞれ特異な個性を持ち、社会と折り合いをつけながら、逞しく順応しようと試みる登場人物たち。ゾーヴァの絵もこの上なくブキミw

『パパにつける薬』アクセル・ハッケ著 ミヒャエル・ゾーヴァ絵
3人の子どもを育てるってことがどんなに大変かをユーモラスに皮肉りつつも、愛情たっぷりに書いた子育て奮闘記。
第一子出産&子育ての際、旦那さんが奥さんに何も協力せず、不安と苦労の思いから第二子を産む気になれないお母さんがいるのも日本の少子化の原因のひとつだとかってこないだどっかでゆってた。納得。

『十月のみずうみ』シンシア・ライラント著 エレン・ベイアー絵
自然に恵まれたヴァージニア州ブルーヒル町で暮らすメドー一家のゆったり流れる時間と家族の交流を静かに描いてる。


以前は世界の名作的な長編も大好きでラクラク読めてたけど、最近は苦手
逆に、手のひらに丁度よくおさまるサイズで、ハードカバー、キレイな挿絵が要所要所に入ってる本が最近のお気に入り。
図書館でも他の難しい本の合間に隠れて見逃されがちだけど、丁寧に探すとひょっこり出会える。
まず手にとってみて、しっくりくるか試してから、中身を覗いて好みの文か確かめてから選んでる。


photo;
毎年、この時季になると実家から送られてくるフジりんご。
蜜がたっぷり入っててシャキシャキの食感の大ぶりな立派なりんごが1箱の中に2段も入ってて、4000円ちょいするらしい!驚
いつもありがとうううううううう!!!


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