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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『アンネの木』(くもん出版)

2018-01-16 18:29:36 | 
『アンネの木』(くもん出版)
イレーヌ・コーエン=ジャンカ/作 マウリツィオ・A.C・クゥアレーロ/絵 石津ちひろ/訳

『アンネの日記』を私はまだ読んでいない気がする

理由は
1.エッセイ、日記の本に馴染みがないこと
2.有名すぎること
3.哀しい物語りだと分かっていること

でも、いつか読むだろう

その前に本書で「マロニエ」という樹についていろいろ知ることができた
日本でサクラやイチョウを植えるように、街路樹として親しまれているのだろうか

樹は朽ちても、苗木として生き続けられるんだな

アンネも幼くして亡くなったけれども、日記が本になったことで
ヒトの犯した信じ難い愚行を世界中に伝え
人々の心の中で生き続けている

クゥアレーロの絵は、大胆な構図と、ポイントの効いた色遣いで
時代の内面まで映し出している

窓の格子越しのマロニエこそ、アンネが見ていた姿だ

人々は争い合うことが愚行と知りつつ、「正義」「平和」「宗教」「土地」などのために
今日もどこかで血を流しつづけている



あらすじ(ネタバレ注意

運河の流れる街で、春の訪れを一番に告げるのは、この私かもしれません
私は1本のマロニエの木



私がオランダのアムステルダム市、プリンセンフラハト263番地にある
古い建物の裏庭に植えられたのは、150年以上も前のこと

今は、全身がカビに侵され、幹がいつ崩れてもおかしくない状態です
だからこそ、その前に、ここでかつて起きたことを、話しておきたいのです




マロニエの木はいろいろな役割を果たしています
男の子は、固くてすべすべした実を投げ合ったり

お年寄りはポケットにしのばせて、指を動かす訓練に使います
恋人たちは木陰で語り合い、小鳥は巣を作り歌うのです


かつてこの建物には、13歳の少女、アンネが
カゴに閉じ込められた小鳥のような生活を送っていました
おそらく、姿を変える私の姿を見て、季節の移り変わりを感じていたのではないでしょうか




第二次世界大戦中、ユダヤ人は、ナチス・ドイツから迫害を受け続けていました

1940年には禁止命令が出されました

ユダヤ人は自転車を所有してはならない

電車やバスに乗ってはならない

午後3時から5時まで以外、買い物をしてはならない

プールに行ってはならない

夜の8時以降、庭に出てはならない

ユダヤ人学校以外、通ってはならない

ユダヤ人の印である、黄色い星のワッペンをつけずに外出してはならない


・・・・


そして、ついにある日、こんな命令が発せられました


ユダヤ人は、存在してはならない





1942年7月6日早朝
アンネの家族は、友人一家とともに、隠れ家に潜めて生活するようになりました
バスにも乗れず、雨の中を徒歩で向かいました
スーツケースを持てば怪しまれるので、身につけられるだけの服を何枚も着込みました

通学用カバンに、誕生日プレゼントにもらったばかりの日記帳を入れて
隠れ家での出来事を書き続けました
それから2年間、ここに閉じこもったまま過ごしました




1944年2月
“ペーターと2人で窓の外を眺めた
 空はどこまでも青く、葉っぱのないマロニエの梢には、雨のしずくがきらめいていた・・・”




“今、私たちのマロニエの木は、全身花ざかり 去年よりずっとキレイです”

“4月って最高 私たちのマロニエの木も鮮やかになり、花をつけはじめています”


アンネは私を見て、未来に思いをめぐらせたようです
将来、どんな仕事をするのかしらなど

アンネは、すべてがふたたび花開くことを疑ってはいませんでした
寒い冬のあとは、命のはじける春がかならずやってくると、心の底から信じていたのです


日記の最後のほうには

“雷鳴の轟く音が日ごとに激しくなり、
 私たちの命も危険にさらされるほど近づいてくるのを聞いています

 けれども、空を見上げるたび思うのです
 いつか運命がいい方向へガラリと変わり、この野蛮な争いが終わりを告げ、
 静かで平和な世の中がふたたび戻るに違いないと





1944年8月4日
クルマからおりてきた武装警察官たちは、隠れ家に通じるドアにまっしぐらに突き進んだのです
誰かがドイツ秘密警察に密告したのでしょう
アンネたちは全員連行されていったのでした




しばらくして、隠れ家を訪れた家族の友人が、アンネの日記を見つけました
最後のページを書いたのは、1944年8月1日です



1945年2月
ドイツのベルゲン=ベルゼン強制収容所に送られたアンネは
大流行したチフスで15歳の若さで亡くなりました
隠れ家にいた8人のうち、戦後まで生き延びられたのは、アンネの父だけでした





私はふたたび沈黙の世界に戻ります
私のいた場所には、小枝が苗木として植えられることでしょう
やがて根が伸び、どんどん成長するはずです

この新しい木は、私が大切にしてきたアンネとの想い出を
ずっと守りつづけてくれるでしょう







隠れ家は、現在、「アンネ・フランク・ハウス」として公開されています
このマロニエの木は、2010年8月の台風によって倒れましたが
その苗木は、アメリカ、カナダなどに贈られ、自由と平和の大切さを伝えています


<日本に苗木が贈られた場所>

広島県福山市ホロコースト記念館

岐阜県可児市フェスタ記念公園

岐阜県八百津町杉原千畝記念館



【ブログ内関連記事】

『アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語 MAUSⅡ』(晶文社)

『杉原千畝物語 命のビザをありがとう』(金の星社)

『海のオーロラ 6』(全6巻)(中公文庫―コミック版)



三谷幸喜さんが教える「演出家の仕事」@あさイチ

2018-01-16 18:06:13 | テレビ・動画配信
「あさイチ」まとめ見メモ
(どんだけ遡ってるんだって話ですが・・・

三谷幸喜さんがゲストで出て、木村佳乃さんのアイデアで、みんなで浮かれたxmaxコスチュームなのが可笑しいw



相変わらず「スーパー主婦」がスッキリと部屋を片付けるビフォー・アフターを見てるだけで楽しい
今回は共働きが多いスウェーデンで、男の子3人がオモチャ出しっぱなし、靴も100足以上出てきたりしたのを
楽しく、スッキリできて、見ているほうも気持ちがよかった



三谷幸喜さんが教える「演出家の仕事」

 

有働アナにセリフを読ませてアナウンサー読みにダメ出しw
「高低」「強弱」「早い・遅い」を指示しただけで、演技っぽく変わって、演出の面白さが伝わった
でも、俳優によって、気持ちから入る人、指示を出さなくてもいい人、それぞれだそう

オーディションに合格して、ドラマの話が来るかと思いきや、今もう編集中で間に合わずw
有働アナの期待に満ちた「え!?」顔が本気だったw



結局は、年始ドラマ『風雲児』の番宣だったというオチ
有働アナはナレーションを担当 出演までは叶わなかった



「関ヶ原の戦い」の説明が分かりやすくて面白かった



石田光成vs徳川家康で石田が負け、本来、戦をしたくなかった
島津、毛利、長宗我部は不本意な扱いとなり、恨みを抱いたまま

時は明治時代

島津からは西郷隆盛、毛利からは桂小五郎、
新しく入った大名・山内にいじめられていた長宗我部からは坂本龍馬が出て来て
長年つづいた徳川幕府に終止符を打った
そんなに長い間、恨むほど藩の絆って執念深いものだったのね/驚

その後、薩摩と長州から交互に総理大臣が出て、安倍首相は毛利出身!

江戸時代は鎖国だったが、開国のさきがけとなったのは、前野良沢と、杉田玄白
オランダ語の辞書をどう日本語に翻訳したのか?!という話



『真田丸』の時のキャストがたくさん出てくるってゆってたけど、
予告編を観たかぎり、私的にひっかかる人はいなかったような?
三谷さんの演出なら、観れば絶対楽しいだろうけれども