メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『俺は、君のためにこそ死ににいく』

2011-11-07 21:26:38 | 映画
『俺は、君のためにこそ死ににいく』(2007)
監督:新城卓 製作総指揮・脚本:石原慎太郎
出演:岸惠子、徳重聡、窪塚洋介、筒井道隆、前川泰之、中村友也、伊武雅刀、遠藤憲一、勝野洋、石橋蓮司、寺田農、戸田菜穂 ほか

trailer

こないだマンガで読んだ『ああ特攻 歴史コミック 知覧・鹿屋に咲いた若桜』の巻末に告知が載っていた。
知覧の飛行場が特攻隊の出撃基地となり、そこで次々と飛び立っては戻らなかった兵隊たちを見守った鳥濱トメさんの話。

story
戦局は厳しく、追い詰められた軍の上層部は特攻を「志願として命令する」ことを決断する。
三角兵舎には、翌日出撃する兵士らが集まり、 女子挺身隊が洗濯や繕いものなどの世話をした。
兵舎近くで食堂屋を営んでいた鳥濱トメの元には、死ぬために飛び立つ兵士らが「お母ちゃん」「おばちゃん」と慕って集まるようになる。

郷里から遠く離れて、親や兄弟を想う者、結婚したての妻や子をあとに残す者、
朝鮮から徴兵され、何のために死ぬのか理由を見つけられない者、
ボロボロの古い飛行機の不具合により戻ってきては「なぜ死んでこない?!」と殴られる者。

飛行場も空襲に曝され、大勢の死傷者が出た。
トメは、遺書や遺品を兵士の郷里に送る際、憲兵に咎められ、リンチを受けるが、
「明日死にに行く若者に門限だのなんだのという規則は意味がない」と食い下がる。

原爆投下。そして終戦。
かつては軍神と崇められた隊員は、「特攻崩れ」と言われ、「犬死に」と蔑まれた。
生き残っても本土に帰れない兵士もいた。
死んでいった仲間の思い出につぶされそうになり、生きているのが辛かった隊長は、
トメとともに靖国を訪れ、ホタルとなった仲間たちの霊に再会し、「ありがとう」と叫ぶ。

ラスト、知覧富士のシーンと、実際の特攻員らの写真が流れた。
戦争映画を観ると、やりきれない思いで潰されそうになり、
気持ちが入りすぎて体調を崩しかねないので気をつけねば。
さまざまな立場、性格、運命が丁寧にひとつずつ描かれていた。
すべてを包み込むトメ役を演じた岸惠子がさすがの演技。
白いわんこが和んだなぁ~!


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