goo blog サービス終了のお知らせ 

メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『細雪』

2009-03-07 16:52:11 | 映画
『細雪』(1950)

監督:阿部豊 原作:谷崎潤一郎
出演:花井蘭子、轟夕起子、山根寿子、高峰秀子、伊志井寛、河津清三郎、山崎隆子、田中春男、田崎潤、鳥羽陽之助、中村哲、小林十九二、横山運平、香川京子、本間文子、浦辺粂子、藤田進、堀雄二 ほか

ひさびさゆったり過ごせる週末。「昭和TV」にてまた素晴らしい邦画が自宅で観れるってことで、
こちらをチョイス。
だだっ広い日本屋敷を舞台に、時代にとり残されたような旧家の姉妹の4者4様の生き方がじっくり描かれる。
三女の縁談がメインだが、高峰秀子の確かな演技力と華のある美しさが圧倒的。

GYAOにて(4/1(水)正午まで)

story
昭和十二年。大阪の旧家・蒔岡家の四人姉妹の長女・鶴子は婿養子をとって本家を継ぎ、
次女・幸子は芦屋の貞之助に嫁ぎ、四女・妙子は人形を創って売り自立しているが、
三女・雪子は何度も見合いをしてもなかなかいい縁談が見つからないで焦る。
年を重ねるごとに目の上のシミが気になりだし、妙子から「結婚すれば治る」といわれるが、
見合い相手はものすごい年上だったり、奇行があったり。。
一方、妙子はボンボンの奥畑と以前駆け落ちしたことが新聞沙汰となったことに懲りず、
腐れ縁が続いていたが、ある時、大雨による鉄砲水の中、命からがら助け出してくれた
写真屋の板倉と惚れあい、将来を誓うも、小さい頃から身に付いた贅沢がやめられずに悩む。
板倉が危篤のしらせを受けて、手術させるも急死。
ヤケになった妙子は酒に溺れ、バーテンダーの子を孕む。。

「雪子は縁談を断ることで自分に見合った幸せをちゃんと掴もうとしてるって点ではわたしと同じね」
家名に傷がつくと厳しい本家に対抗して、自由な生活、自由な恋愛を掴もうとあがく妙子。
「姉さんたちが嫁いだ日だって、それほど幸せそうではなかったわ」
正直な心中を言い出せなくとも、自分をしっかり持ってる雪子。
家の存続のことで振り回される長女、みんなの間に立ってとりもつ次女。
性格の違う姉妹が、それぞれの立場で必死に自分の生きる場所を模索する様子に共感しきり。
板倉の病気は何だったんだろう???中耳炎をこじらせて、あんなに脚が激痛になるんだろうか?

昔の結婚は、現代の人が想像するよりずっと家と家との結びつきの要素が強くて、
恋愛によって結ばれるなんてあり得ないことだったんだろうな。
まぁ、藤田進が相手なら待って悩んだ甲斐があったってものだ
それにしても、20代と思われる雪子の縁談にあんなおじいさんを連れてこなくても・・・てビックリ/苦笑
あらゆるキャストで再演されていて、それぞれ趣きも違うんだろうな。
市川崑監督のバージョンも観てみたい。