最近、ファンド等による買収の案件が多いですよね。
村上ファンドの阪神電鉄しかり、楽天のTBSしかり
ライブドアしかり。
しかしながら、マスメディアの報道の仕方が
「どっちが正しくて、どっちが間違ってる」とか
「実はあの人は人情味がある」とか
「でもあの人のファッションがイマイチ」とか
そんなんだと、この問題の本質が見えてこないよ!
と、思ったわけです。
だいたい経済音痴だしな、社会人の癖に(日経読むのは面白いですが)
製薬業界の、藤沢+山之内や第一+三共などの
合併の根底には
「日本の製薬メーカーの株価は、企業価値に比べて安すぎる*
このままでは外資に買収されてしまう」という考えも
後押しする要因の一つであったことは間違えなく
一製薬人としても考えておきたい問題なわけです。
というわけで、最近読んだお勧めの本
「買収ファンド-ハゲタカか、経営革命か」(光文社新書)
良著です、ちなみに680円。
著者は日経新聞・テレ東の記者を経てフリーになった
ジャーナリストなんだそうで。
良くハゲタカファンドの話をする時にリップルウッド*の
日本長期信用銀行(現・新生銀行)買収について語られますが
その前後のファンドの上陸から興味を持って追ってきた
著者の説明がわかりやすいです。
まず著者が「買収ファンドってなんだ?」と思いながら
取材してきた過程があるので、SIUのような門外漢にもわかりやすく
値段もそんなに張らないので、このようの話の取っ掛かりとしてはお勧めです。
結論としては、良くマスメディアが言うような
企業を食い物にする「ハゲタカ」的なファンドは
少なく、多くの会社は会社の価値を上げることを第一目的に
しているのだな、ということが良くわかりました。
具体的には、大多数の株式を所有していることを背景とし
その会社に必要なことをやって、改革していくということ。
それは採算が取れていない部門の譲渡であったり
プロのマネージャーを送り込むことだったりすることなわけです。
今までの経営陣を減らして、より現場に近い人間の意見を
取り入れることによって(場合によっては若い人間に部門を任して)
今までの経営陣ではしがらみのせいでできなかった、改革を行う
事を目的としています。
結局、重要なのはそのような改革によって現場がやる気を取り戻し
企業価値をあげることによって、最終的には上場、もしくは
株式の売却によって20-30%程度のゲインを得ることを目的に
すること買収ファンドの業務内容だそうです。
敵対的買収という案件が、うまく行きにくい理由もそこにあり
ようはいくら株の大多数を握ろうと社員のやる気を失ってしまったら
その会社の企業価値をあげるのは困難ですよね。
だから逆に大きな企業が選択と集中のタメに一部門を
本社から切り離すような時に、経営陣がファンドのお金を使って
独立するような時がモチベーションもあって成功しやすいそうです。
製薬会社でいえば創業者一族が残っている会社が多いので
そのことが会社にプラスの影響を与えていないのであれば
それを排除できれば、より躍進できる糧になるかもしれませんよね。
ただ同族経営のよさというのもあるのでなんともいえませんが。
この本を読んだことによってSIUが
ベンチャーキャピタルの役割も誤解していたことが
わかりました。ベンチャーキャピタルは「お金を投資すること」が
仕事だと思っていたのですが(もちろんこれも仕事の一部)
それだけではなく、投資した企業の価値を最大限に上げるために
さまざまな援護をするわけです。財務を見れる人が社内にいなければ
見つけてきて送りこみ、会社の価値を上げるためのアライアンスがあれば
見つけてきて提携の手助けをするわけです。
なるほどね、そう考えるとベンチャーキャピタルや
投資ファンドの人は「究極のジェネラリスト」ということなんですね。
そんな人たちに対抗できるような「究極のスペシャリスト」になりたいですな。
<補足>
日本の製薬メーカーの株価は、企業価値に比べて安すぎる
SIUもこの意見に同意(2005年11月現在)
ただしすべての企業ではない。具体的には
武田とアステラスの株価は3-5年後には確実に
評価が上がっていると思う。
え、下がっている会社?そんなことは言えません
怖くて(笑)
リップルウッド
米国の投資会社の名前。
日本長期信用銀行を「瑕疵担保条項」つきで
買収した。このことが「日本の税金を使って外資を儲けさせた」と
いわれる由縁になっている。
村上ファンドの阪神電鉄しかり、楽天のTBSしかり
ライブドアしかり。
しかしながら、マスメディアの報道の仕方が
「どっちが正しくて、どっちが間違ってる」とか
「実はあの人は人情味がある」とか
「でもあの人のファッションがイマイチ」とか
そんなんだと、この問題の本質が見えてこないよ!
と、思ったわけです。
だいたい経済音痴だしな、社会人の癖に(日経読むのは面白いですが)
製薬業界の、藤沢+山之内や第一+三共などの
合併の根底には
「日本の製薬メーカーの株価は、企業価値に比べて安すぎる*
このままでは外資に買収されてしまう」という考えも
後押しする要因の一つであったことは間違えなく
一製薬人としても考えておきたい問題なわけです。
というわけで、最近読んだお勧めの本
「買収ファンド-ハゲタカか、経営革命か」(光文社新書)
良著です、ちなみに680円。
著者は日経新聞・テレ東の記者を経てフリーになった
ジャーナリストなんだそうで。
良くハゲタカファンドの話をする時にリップルウッド*の
日本長期信用銀行(現・新生銀行)買収について語られますが
その前後のファンドの上陸から興味を持って追ってきた
著者の説明がわかりやすいです。
まず著者が「買収ファンドってなんだ?」と思いながら
取材してきた過程があるので、SIUのような門外漢にもわかりやすく
値段もそんなに張らないので、このようの話の取っ掛かりとしてはお勧めです。
結論としては、良くマスメディアが言うような
企業を食い物にする「ハゲタカ」的なファンドは
少なく、多くの会社は会社の価値を上げることを第一目的に
しているのだな、ということが良くわかりました。
具体的には、大多数の株式を所有していることを背景とし
その会社に必要なことをやって、改革していくということ。
それは採算が取れていない部門の譲渡であったり
プロのマネージャーを送り込むことだったりすることなわけです。
今までの経営陣を減らして、より現場に近い人間の意見を
取り入れることによって(場合によっては若い人間に部門を任して)
今までの経営陣ではしがらみのせいでできなかった、改革を行う
事を目的としています。
結局、重要なのはそのような改革によって現場がやる気を取り戻し
企業価値をあげることによって、最終的には上場、もしくは
株式の売却によって20-30%程度のゲインを得ることを目的に
すること買収ファンドの業務内容だそうです。
敵対的買収という案件が、うまく行きにくい理由もそこにあり
ようはいくら株の大多数を握ろうと社員のやる気を失ってしまったら
その会社の企業価値をあげるのは困難ですよね。
だから逆に大きな企業が選択と集中のタメに一部門を
本社から切り離すような時に、経営陣がファンドのお金を使って
独立するような時がモチベーションもあって成功しやすいそうです。
製薬会社でいえば創業者一族が残っている会社が多いので
そのことが会社にプラスの影響を与えていないのであれば
それを排除できれば、より躍進できる糧になるかもしれませんよね。
ただ同族経営のよさというのもあるのでなんともいえませんが。
この本を読んだことによってSIUが
ベンチャーキャピタルの役割も誤解していたことが
わかりました。ベンチャーキャピタルは「お金を投資すること」が
仕事だと思っていたのですが(もちろんこれも仕事の一部)
それだけではなく、投資した企業の価値を最大限に上げるために
さまざまな援護をするわけです。財務を見れる人が社内にいなければ
見つけてきて送りこみ、会社の価値を上げるためのアライアンスがあれば
見つけてきて提携の手助けをするわけです。
なるほどね、そう考えるとベンチャーキャピタルや
投資ファンドの人は「究極のジェネラリスト」ということなんですね。
そんな人たちに対抗できるような「究極のスペシャリスト」になりたいですな。
<補足>
日本の製薬メーカーの株価は、企業価値に比べて安すぎる
SIUもこの意見に同意(2005年11月現在)
ただしすべての企業ではない。具体的には
武田とアステラスの株価は3-5年後には確実に
評価が上がっていると思う。
え、下がっている会社?そんなことは言えません
怖くて(笑)
リップルウッド
米国の投資会社の名前。
日本長期信用銀行を「瑕疵担保条項」つきで
買収した。このことが「日本の税金を使って外資を儲けさせた」と
いわれる由縁になっている。
山之内製薬の実力主義で選抜された、新薬開発のエキスパートとして経営の舵取りをされているので、理想的な企業かと外から見て思います。
ただ世界的に見たら、国内の製薬会社の企業価値は低い気がします。
その点が気になるところです。
まさか次の日に出社して、外資やファンド屋買収なんて事もこれから無いとは限りませんので、御身お気を
付け下さい。
話がまとまりませんが、この辺りで。
TBさせて頂きました。
ご報告まで。
暇つぶしにでも当店にでもご訪問下さい。
これからもよろしくお願いします。
なるほど、SIUからすると
「研究していた奴に経営を任せるのは危ない」って
感じですが(笑)
求められるものが違ってくると思うんですよね。
経営者としてうまくいく方は画期的新薬を
見出さないきがする、堅実そうですから。
逆もまたしかり、経営ってある意味
「いかに無駄を排除するか」じゃないですか。
でも「研究はいかに合理的に無駄なことをやるか」だから
なかなか同じ人物が両方をこなせないかなと。
SIUの理想は
「キチンと経営をわかっている人が
絶対的な力を持って企業の舵取りをする
それで研究に関しては信頼している人間に
全面的に任せる」です。
武田國男さんと藤野政彦さんの関係ですね。
竹中さんに関してはお話したことがあるわけでないので
なんともいえませんが・・・
個人的には、毎年薬理学会行っているというのを
聞いてから、薬理学会は見るものが少ないので
せめて分子生物学会とかにすればいいのに(笑)
と思っているしだいです。
まあ、友達に会いに行っているのかもしれませんが。
先日のコメントにも書きましたが
個人的にはアステラスはバランスの取れた
よい会社だと思っています。
買収に関してはヒラではどうにもならないので
(研究所長でもどうにもならないらしいですが・・・)
自分の腕を磨いて、ドコでも食っていけるようにしておきます。