「日々これせっせとお薬作り」 -製薬会社新米研究員SIUの日常-

新薬の研究に営む毎日・・・のはず。製薬会社研究職の日常をつたない文章でつづります。

医龍

2006年04月20日 | 製薬会社な日常
今、坂口憲次さん主演の「医龍」を見てるんですけど
こんなストーリーが挟まれているんですね。

ガン患者さんに毒性の強すぎる抗がん剤を使っていて
患者さんが苦しんでいる、それでお決まりのとおり
担当医師は製薬会社の接待漬けのためポジティブデータを取りたい
患者の苦しみは気にしていない、というお話です。
ガンの縮小が見られれば医師の主観でポジティブデータにする
というストーリー。

正直、主に生活習慣病の知識しかないのではっきりとしたことは
いえないんですけど、いかにガンとはいえ2重盲検はやるはずですよね?
例え、サイドエフェクトが強すぎて医者にわかるとしても
そんなにはっきりとした副作用が出る薬を押せるわけ無いと思うんですが。
だいたい、そんな客観性の欠ける指標で臨床試験の認可が下りるのか?

ガンは他の薬と違って実質PhaseIIまでだったと思うんですが
イレッサにせよガンの縮小は見られるけど、延命効果が認められない
ということで、ヨーロッパの認可は無くなったはず…

ドラマにクレームをつけてるわけじゃなくて、実際のガンにおける
臨床試験では何を指標にしているのかなと思って…
たぶん延命率がメインだと思うんですが、誰か知っていたら
教えてくださいな。

あ、あとこうゆう風に製薬会社が患者さんをモルモット扱いしている話が
受けやすいんですかね?悲しいことですねぇ。
「金儲が一番の会社」みたいなイメージ。
たとえ金儲けが一番でも
(SIUは断じて違いますよ、だいたい研究者は儲からんよ(涙))
臨床通過して上市した後に、副作用がわかって認可取り消しになったら
ものすごい損害だってばさ。COX-2の事例を見ればわかるじゃん。

だいたい製薬会社ってのは悪者ですからね。
バイオハザードに出てくる製薬会社「Umbrella社」にいたっては
人類を滅ぼしかねない生物兵器まで作り出しますからね…トホホ。

補足
医龍
同名漫画をドラマ化したもの。
漫画はなかなか面白いのでドラマを見てみたんですが
今回見た分にはけっこう面白かったです。
阿部サダオの麻酔医はちょうどいい怪しさではまり役。

なんか漫画だと「バチスタ」をネタにすることが多いですよね。
心臓の簡単な生理学を知っているものとしては
心筋を切って、小さくしてからつなぐってのは驚異的です。
つないだところも洞房結節からのパルスをきっちり伝えていくとは…
ブロックとか起こらないのかな?