素振りブログ。

一般でスピーチできる話の素振りのはずなのに、無理な話がほとんどのブログ。

2期など無かったんや。

2015年01月12日 14時35分09秒 | 日記
サイコパスの劇場版見てきました。

面白かったですよ。
2期は無かったものとして考えて観るのが楽しむコツです。

でないと、後輩風情が何をぬかしてやがんだという気になりますゆえ。
上にヘコヘコして、守るべき正義など欠片も持ち合わせていないお前が「空気嫁」とか言うなwww

作品のテーマとしては「理想の世界を築くには、素養が要る」ですかね。

素養というか下地というか。
予告で言われてた「シビュラシステムの輸出」ですけど。
東南アジアの紛争地域にシビュラを導入するというもので。
(依頼したのは日本政府の後ろ盾を得て、その地域を支配するに至った軍閥のリーダー)

自分の支配する都市を特区にして、そこでシビュラを導入したわけですが。
特区の住人、皆、幸せそう。

多分ね、強制されたわけじゃないんですよ。
何故って、外の世界が地獄だから;

法も何も無いから、ボケっとしてたらいつ殺されるか分からない。
潜在犯認定されてしまうと、この特区だとエリミネート対象の犯罪係数を計測されたら、致死毒を即座に打ち込まれ、殺処分される対象だけど、それでも外よりはマシ。

嫌な言い方すると、野生で生きるより家畜で居た方が幸せ、ってことですな。
(コレに関しては、日本の方でも「シビュラの選別した男性と結婚するの」と、嬉しそうに言うアカネちゃんの友達の話でゆるーく表現されてましたね。機械の選んだ相手と結婚するなんて、自分が無いのかと一見言われそうですけどさ。切欠はシビュラでもそれにOKしたのはアカネちゃんの友達。で、重要なのは人生の早い段階でそれなりに良い相手と巡り合うこと。それが満たされるのであれば、切欠なんてどーだっていいじゃないか、と)

しかし話が進むと、どうもこのシビュラの導入。
様々な不正が絡んでいることが判明。

責任者の軍閥リーダーが、実は本人じゃ無かったり。(影武者でした)
支配階層の人間は、サイマネティックスキャンの対象外に設定されてたり。

で、それを突き止めたアカネちゃんが、シビュラにそれを突きつけると。

返答「知ってた」

……ようはさ。
導入先の東南アジアが無政府状態で、そこに秩序ある世界を構築するためには、多少の不正は無視するしかなかったと。
こういうわけですね。

先に土台を作り上げることが大事で、土台を作る仕事さえできるのであれば、その作業を行う大工が犯罪者であってもとりあえずはいいや、と。

……これ、わりに分かるというか。
頷かざるを得ないといいますか。

そりゃね、不正無しで公明正大に、何恥じることも無い手続きで事が進むのが一番いいですけどさ。
現地人有力者がオール洗練されて無い非文明人だったらさ。

そうするしかないよなぁ。だって、そんなんしか居ないんだから。
で、土台が完成した後に、後で病巣になりうるそういう勢力を排除していくしか。

やり方に関しては、「そりゃそうだよな」と思わざるを得ませんでした。

実際さ、民主化民主化と、アフリカ近辺で無理矢理民主的なシステムを導入してみたらさ。
選挙不正、賄賂やら目先の利益などで、独裁状態より悪くなったって事例、現実に腐るほどありますものね;

正しいこと、理想論通りに社会システムを組み上げるには、土台が要るんですよね。
悲しいことに。
土台も無しにそんなものをいきなり作ろうなんて、どだい無理。
土台だけに(おい

そういう皮肉タップリの構図で、非常に面白い映画でした。

ラストにね、アカネちゃんがそういう裏事情に対して一矢報いるというか、ある決断を迫るんですが。
それ、結局何の意味も無かった、ってのも良かったですね。

アカネちゃんが言ってたことは間違いじゃ無いんですけどさ。
現実的に考えてベストなの、結局はアレですしの。
(むしろ、悪化しなくて良かったとも思いましたわ。住人が意外にこれまでの安定した生活で急速に民度が上がってたのか、はたまた最悪の方向に流れないように、誰かが工作したのか……)