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役に立たない人。

2015年07月29日 | Weblog

役に立たない人。

文部科学省が文系の学部はあまり社会の役に立たないので、今後は削減していく方針だと発表した。よくぞ天下の文部省がここまで学問に口を出してきやがったなと思う。学問に役に立つとか立たないとかの定義があるものかね。文部省とかにも、それこそ一流の大学の文系を出た人がいて、それなら自分も役にたちません、そんな彼が文部科学省に居ていうのなら自己矛盾ではないか。(役にたたないのは文科省で、その証左として新国立競技場のオリンピック古墳化計画があったわけか)

熊本の大学でも(どこの県の大学だろうが)就職率100%だのうたっている大学があるが、僕は心底、その発想を軽蔑する。会社も即戦力を求むなんていうコピーばかり求人誌に書くから、そんなお宅の会社って即、新人が戦力になれるようなお手軽会社なのかねと思うばかりなり。

数年前、京都大学の入試案内を何かのはずみで手に入れて、毎日僕は何故かトイレに入る度に読んでいた。その中の学長の挨拶はさすがだった。学長は、大学は学問を学び個人の教養を深める為のものであって、うちは卒業して企業の役に立つような安っぽい(僕が要約…)教育は一切しないと断言していた。この潔さが京大なのだ。(今の京大もそうであって欲しいと思う)

あるシンポジウムで文系の学生のやり取りと哲学者の内田樹さんのやりとりを読んでいて面白かった。学生曰く、文学は夢幻で世間の役に立っていないのか?と疑問を投げかけると、内田氏は社会の役に立っていそうな経済学はもちろん、理系、医系も全て幻だと答えた。株も金融も、現実に存在していそうで、一夜で株は幻になり、札束は紙切れになるではないか、細胞は見つからなければやはり、夢幻ではないかと答えた。理系、医系なんてとんでもない予算がかかっているのにである。文系だけが悪者ではないのだ。

役に立つとか、立たないとか。

考えがそもそも幼稚な気がして、その幼稚さに自分のレベルを合わせると、幼稚な議論しか出来ないのだ。一流大学出ても幼稚な人は、幼稚なんだなと思う。

その昔、世の中の改革を志して革命を叫んだ団塊のおじさん、おばさんは今や、自分の年金のことで頭がいっぱいなのかね。

今の学生は没個性だの、覇気がないだの、大人しいだのゆとり教育の弊害だの、みんな団塊世代が仕掛けた結果だし、そのあおりで、真夏に紺色のスーツを着て汗だくになりながら就活している学生を見ていると、可哀そうで仕方ない。

それこそ本当に役に立たないのに(効果なんてないのに)お金儲けだけしている、熊本のろくでもない健康食品や化粧品の通販会社の門は叩いたらダメだよ。



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