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極私的 路上観察学会

2019年03月10日 | Weblog

若かりし頃、亡くなった赤瀬川克彦氏が始めた路上観察学会の本を好きでよく読んでいた。知る人ぞ知る「トマソンの世界」なのだ。今でもその集まりはあるのだろうか。「学会」と言いながら何も学術的な裏付けがあるわけもないけど、そんな学会員の眼で身の回りの世界をみていると不思議なこと、信じられないこと、理解不能の景色に出加わす時がある。

土曜日は熊本市内の我が猫の事務所も暖かく、カメラを持って外に出た。事務所の稼ぎ頭(その他はみんな仕事もせずにぼんやりお茶を飲んでいる)デザイナー兼用務員のイワサキ君の手助けでもしょうかと思い立ったのだ。我が事務所は熊本市内でも一等地、江津湖の近くにある。(廃屋に勝手にすんでいるのではない)自転車を漕ぐ事5分(クモ膜下は仮病である)河畔のラーメン屋で腹ごしらえし、空き地に車を停め(娘のおさがりの自転車)うろうろする。江津湖はさすがに市民の憩いの場、害獣「くまモン」の姿もない(あれば僕が叩き潰し池に葬る!)小道をたどると素敵な景色が広がる。足元にはまた見知らぬ花。

これはむらさきケマン、
これはリンドウスイセン、
この白い花の名前は分からない
小道を行ったり来たり。そして草むらに発見!密かに落ちる2段の滝発見!ジョボジョボ轟く滝の落ちる音。こんな景色(江津湖鍋ケ滝!)があるなんて、いったいどうしてできたのか。渡り鳥のヒナたちはこの滝を見上げて大いに関心するだろう。

そしてその滝の上部に、また白い花が咲いていた。白い花の周りは砕かれ割れた瓦屋根の破片の小山がある。おそらく熊本地震で壊れた家の屋根瓦が放棄されたのだろう。
初めての一人(極私的)観察学会、にしては、新しい発見の成果があるではないか。喜び、自転車を漕ぎ事務所に帰還する。イワサキ君は連日の激務で寝坊し、まだ事務所には来ていない。

自宅に帰り近所をぶらぶらすると、ある家の玄関先でアオサギが待っていた。普段は人を警戒するのだが、じっと石の上で待っている。玄関のドアがバタンと開き、オジサンがアルミのボウルに魚の切り身を入れて、そのサギに餌をやっていた。



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