何十年ぶりだろうか、真鶴半島三ツ石のウメボシイソギンチャクの調査に参加した。ウメボシイソギンチャクは神奈川県天然記念物に指定されている。天然記念物だが、それほど珍しくなはい。我が家の下の海岸でも見られるが、三ツ石海岸はびっしりと密生しているのが珍しいためだ。干潮時にウメボシのような赤いぶよぶよした姿を現す。海水の中では紅い触手をだして美しい。
わが家の庭には刻印石がふたつ鎮座している。昔、父が畑にある石丁場から、刻印石を持ってきて庭に据えたものである。ミカン畑の中のある石丁場は尾張藩が切り出していたようで、江戸城築城に使われたものだ。
刻印石があるのは、修羅に乗せて運ぶ時、間違って落としてしまったものなのだ。落ちたということは落城につながると思いから、築城には使われなかった石なのである。これを「残念石」というらを示すしい。
この印は何を意味するのかは定かではない。藩の印、家臣を示す印、石工の符号、工事手順の記号。など多岐にわたっているが、詳しい意味は分かっていない。