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side by side:湘南夫婦のあしあと

二人が好きな地元湘南、スポーツ観戦、旅行、食べ歩き,音楽・美術鑑賞など、日々のあれこれを綴ります

とにもかくにもごはん 小野寺史宣 (2340)

2023年10月17日 | 書籍・雑誌

*****ご注意!一部ネタバレの可能性があります!*****


食に関係する小説が好きなので、手に取った作品
舞台が「子ども食堂」
涙を誘う可哀そうなエピソードばかりだと苦手だな、と思いながら読み進めたけど、そうではなかった。

突然の事故で亡した夫との思い出に後押しされ主人公松井波子が「クロード子ども食堂」を開いた。
月2回、ようやく軌道に乗ってきたある日のクロード子ども食堂が舞台
そこに集う人々の心内の呟き。
子ども食堂という特殊な場所で温かい食事を食べる共通の行為に大人も子どももちょっと元気になるよう背中を押される。

エピソードは決して特殊ではなく、子ども食堂を必要とする人の考えはそれぞれで、自分の思い至らない世界を見せてもらった
金銭的には不自由なくとも、子供が一人で夕食を食べなくても良いようにと送り出す父親
定年退職して世間と接点が無くなった老人も通う
自分よりもっと苦しんでいる子どもに場所を譲ろうとする同級生

綺麗ごとの解決策を提示するのではなく、淡々と誰もが一生懸命生きてる姿を描き、そういう人がいることを知ること・気にすることで少しづつ変わっていくと言われているような気がした。

最後のエピソードで心が温まりページを閉じることができる。




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