side by side:湘南夫婦のあしあと

二人が好きな地元湘南、スポーツ観戦、旅行、食べ歩き,音楽・美術鑑賞など、日々のあれこれを綴ります

令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法 新川帆立 (2420)

2024年05月14日 | 書籍・雑誌

*****ご注意!一部ネタバレの可能性があります!*****


”れいわ”と読める架空の6つの時代の架空の法律に絡んだSF短編集
どれも、現代の流れが行き過ぎると起こりそうな感じがするし、ブラックな部分が痛快な作品集でした。
以下ネタバレになりますが。

第1話 動物裁判は動物に「命権」を認めた時代
動物ユーチューバーが命権を争う裁判を人間が裁くのだが、原告の飼い主、被告の飼い主、そして弁護士の「動物愛護」を謳う背後にある本心は・・・

第2話 自家醸造の女 は 禁酒法下、各家庭で酒造りが行われている時代
結婚した主人公はどうしても美味しいお酒が作れなず、下だとみていた同級生に頼んで分けてもらった酒を自作と嘘を言って義実家に持って行く。
こんなことが続くわけがないのだが。

第3話 バーチャル世界で作られた私が、バーチャル外で起こった闘争で存在が危うくなっていく。

第4話 労働者保護法が制定された時代、会社は社員の健康管理をしなくてはいけない時代で、一日中立ち仕事の社員に、健康のため歩けと指示をする

第5話 最後のYUKICHI 現金が廃止されて時代に現金を持っている(闇で商売をしている)人をYUKICHIハンターが捜しだそうとする

第6話 接待麻雀士 認知症予防に賭けマージャンが合法化された時代。
接待で相手をわざと勝たせて気持ち良くさせる接待麻雀士が主人公

インタビューで作者新川帆立さんが、東野圭吾の〇笑小説の影響を受けていると語っていた。
〇笑シリーズか、懐かしい
怪笑小説、毒笑小説、黒笑小説、歪笑小説、と4作あってどれもブラックが効いていて小気味よかった記憶があります。


2023年1月30日第一刷り発行
初出 小説すばる (2021年9月号~2022年10月号)
装丁 川名潤
ソフトカバー


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