染色作家として活躍している柚木沙弥郎さん。
その図案は大胆でありながらなんともほほえましくやさしい。
世の中なんでもないものなんてないのかもしれない。
しかしそのなんでもないものを詮索するときりがない。
僕はなんでもないものをそのまま面白いと思う。
ホームページのトップに書かれた彼の言葉がすべての作品を物語っている。
彼と書いたが、1922年産まれの御年88歳のおじいちゃんだ。
美術史を学ぶため1942年に東京大学に入学したが、勉強は戦争で中断され、46年から大原美術館(岡山)に勤務。
そこで和紙に大胆な民芸模様を型染めした暦に出会い、民芸に魅せられた柚木は民芸運動のリーダーである柳宗悦(最近人気の柳宗理の父)の作品を読み始める。
これが柚木の人生の転機となり、暦をデザインした芹沢介のもとに弟子入りすることになる。(柚木沙弥郎HPより)
ここから染色の人生がはじまった。
絵を書くのが本質的に好きという言葉のとおり、描く楽しさが伝わってくる。
絵本の中の動物たちの表情は愛くるしく、やさしい人が描いたんだろうな、と思わせる。
そして彼のお孫さんが開いているお菓子屋さんの‘hana’のクッキー(箱も)のデザインもしている。
hana http://www.hanahomemade.com/hana/sweets/index.html
年齢を重ねるごとにその人の生き方が表情に表れてくる。
何歳になってもやさしい心を持っていたいと思う。