まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

猫の飢ゑ/新雑句雑感(146)~プロローグ5の終わり

2016-12-08 03:32:33 | 新雑句雑感
公園の誰もが未完冬あさし  大勢が気球を見上げ冬浅し  猫の飢ゑ一声で足る冬浅し  恐るべき潮の満ち干き冬浅し  湯揉みの掌赤く捲れて冬浅し  自動ドアまたも全開冬浅し  死神の精度423冬浅し  船団は空語の坩堝冬浅し  冬浅しディランの空の遠きこと  鳥インフル強まる兆し冬浅し  冬浅し穴開きジーンズの穴覗く  冬浅し会計担当退会す(所属結社) 冬浅し剪定三度目まだ死ねぬ  播磨屋の巨大トラック冬浅し(老舗菓子店の右翼街宣車) 保育園落ちた日本死ねとは冬浅し

冬やんか/新雑句雑感(145)~プロローグ5の終わり

2016-12-07 02:41:20 | 新雑句雑感
冬やんか絶縁状がまた届く  冬将軍戦後レジームありや無し  日脚伸ぶ誓子の蒼さ我れも欲し  冬帝や金子兜太にもの申す  強霜やシングルマザーの街を行く  くずほれてなほ光ります雪女  父いまも底冷の街ボブ・ディラン  「行き行きて神軍」私も観たよ凍月下  冬靄の直立横井庄一か  靖国の空まであをし霜の夜  底冷えのポスター駅馬車走り出す  下町の貧しさいまも寒月光  真夜の街ことさら昏し日短  どこからも同じ距たり日短      

探し物は何ですか/新雑句雑感(144)~プロローグ5の終わり

2016-12-07 02:20:45 | 新雑句雑感
めくや広島太郎見当たらず  神無月ラーゲリの亡父首もたげ  極月の唐組公演空席あり  大テーブル満席続き底冷す  冬浅し犬吠崎のロズウェル祭(銚子電鉄君ヶ浜駅から改名)  日脚伸ぶ五月革命頓挫せり  筵旗こころはいまも凍てしまま   トロッキーの永久革命冬はじめ  カストロ逝く寒はすぐには明けぬもの  小六月キャンセルありの葬儀場  孤独死は未遂の報せ冬なかば  投売りのボンジョレ・ヌーボー冬終る  冬の日の電気・ガス・水道完済す  冬青空探し物は何ですか         

父母の時間/新雑句雑感(143)~プロローグ5の終わり

2016-12-01 18:21:10 | 新雑句雑感
どこまでが戦後の自由初時雨  戦争と平和揺れてゐる神渡し  初雪や芭蕉の虚空の見当たらぬ  雪激し私は私と言ってみる  芋の葉のあの世へ続く齢かな  草紅葉このまま生きてみたしとも  新生姜世界の終りに立ち向かふ  秋草の沈黙の世の長きこと  草の実やブレードランナーの街にゐる  ゑのこ草地上に青きものひとつ  きちかうやボブ・ディラン街漂へる  曼珠沙華死んで花実が咲くものか  死に絶へし父母の時間(とき)冬ざるる