まほろば俳句日記

毎日見たこと聞いたこと感じたことを俳句にします。JーPOP論にチャレンジ。その他評論・エッセー、学習ノート。競馬も。

涅槃までの旅程/雑句雑感六~プロローグ4の終わり(その25)

2015-05-24 01:27:36 | 雑句雑感Ⅵ
白菖蒲生死は問はず語りなり  青菖蒲冥界の火の遠ざかる  菖蒲田にぽっかりと赤い肉体なる  闇に降る雨音遠し花菖蒲  菖蒲田の欄干に佇つ亡父のごとし  聾唖者の一団菖蒲黄の語りだす  菖蒲田の闇と親しき齢なり  大東亜の夢包み隠さず花菖蒲(名札に大東亜)  菖蒲沼その欄干は越えられぬ  ライトアップの闇雄弁に花菖蒲  花菖蒲平成の世はうつし世か  はじまりの世は闇ばかり花菖蒲  涅槃までの旅程に加ふ花菖蒲   むらさきと言へぬ儚さ花菖蒲 

越えられぬ壁/雑句雑感六~プロローグ4の終わり(その25)

2015-05-23 05:57:56 | 雑句雑感Ⅵ
菖蒲園板橋のあり彼岸あり  菖蒲田の泥から生まれ薄明り  大統領とはまさかカストロ花菖蒲  コーリャンタウンつらぬく白さ花菖蒲  長崎の雨激しかり花菖蒲  日本型インフル聞かず花菖蒲  休日白とは私の白さ菖蒲祭  戦後七十年越えられぬ壁花菖蒲  ねんてんさんの白髪菖蒲湯遠からず  花菖蒲幽体離脱の色をなす  咲ききって行方は問へぬ白菖蒲

大停電の夜/雑句雑感六~プロローグ4の終わり(その24)

2015-05-22 05:41:45 | 雑句雑感Ⅵ
遠雷や先進国革命成就せず  雷鳴は人間にしか聞こえない  いくら句を詠んでも雷雨素通りす  バイカル湖は地球のおへそ遠雷す  雷帝は通りすがりのへうげもの  自衛隊は軍隊なのか雷騒ぐ  雷鳴をなぜに恐れぬまだら猫  雷がいかほどのもの瀕死なり  天の岩戸開いてこその雷無音  鉄塔は身空も同じ落雷す  スカイツリー微動だにせず雷去りぬ  雷門の雷おこし雷鳴す  大停電の夜の雷鳴は一度だけ

蠅捕リボン/雑句雑感六~プロローグ4の終わり(その24)

2015-05-21 02:35:54 | 雑句雑感Ⅵ
父の日や殺らねば殺られると遺訓  人間さまも蠅捕リボン避けきれず  蚊遣香死にゆく者の闇を見る  籐椅子の明るくて寂しい時間  船遊びふとひょうたん島のドンガバチョ  夏淡海人力飛行機往還す  鳥人間コンテスト遠泳に豹変す  夜店果つ中尾彬の地蔵の絵(谷中よみせ通り) 箱庭に「在りし日の歌」のごとき雲  路傍の百合亡母を背負って走る夢  半キャベツ甘さ藍さを極めけり  密厳浄土よりの一閃遠雷す  花氷浜崎あゆみのDEAREST  

人生なかば/雑句雑感六~プロローグ4の終わり(その23)

2015-05-20 02:10:45 | 雑句雑感Ⅵ
笛の音に身をくねらせてかきつばた  若葉風人生なかばといふ不幸  この震えこの寂莫も極暑かな  代掻くや日輪の仔の踊りだす  世の終り詮じつめれば蝉青し  恋の楽激しく奏で夜の蛙  遠蛙ロックでかき消す他はなく  夜濯やモーター音にかき消され  悪態の限りを尽くし遠蛙  わたしはわたし夏蜂を追いに追う  柿若葉ついぞ喰はれぬままをはる