小満やこの世に一歩踏み出せり 四迷忌の四つの迷ひ暴発す 小満や末期の水のほの苦く 槍投げの見ぬちの果てや登四郎忌 余花とあり新宿歌舞伎町ボッタクリバー あたらしき世に汝が名無し登四郎忌 余花千本ただそれだけの船着場 余花見むと日記に余白見当たらず ほんたうは余花とは落花の別称なり 余花暗し死ぬために生きているのだろう 旧年札山と積まれし余花の寺 東京のとどのつまりに余花の空 余花の雨わたしも打たれ血の雨に 余花晴れてDAIGOと景子薄れけり 余花遥か桜はこの世のものならず ほんの一閃雷鳴響く余花の街 鉄片を身の内に持つ余花の雨(傷痍軍人記念館)