未来とはこの世とあの世逆転す 地獄変いろいろあれど愛はなし 滅びてなほ蠢いてゐるキリギリス 闇から闇へストロンチウム知ってるかい 僕の何を知ったのだろう秋うるうる 東京足立大阪西成その先は 自由民主党から自由を取れば民主党 どんな詩が出来るか無私といふ証し(小川双々子先生へ) 血しぶきと地響きムー大陸は浮上せり いよいよだな無風の空を夢想せり
引き籠りは限界花吹雪割って出る 朧月夜差し歯の天使はメイド服 再臨は中止か王将の餃子あり 阪急地下のきつねうどんは極大なり 聖母子の二枚重ね人生は無謬なり 母なる白さ喇叭ズボンで闊歩せり キッチンドリンカーの妻と帰宅後飲み明かす アダムとイブ九十九回目のプロポーズは未完なり 急いては事を逸すといつしかアル中に 毒をもって毒を制す夏石番矢と金子兜太
夏石番矢もダメ 人間が俳句を詠んでいる 俳句界は東京赤坂にはない 千円返せ 夏石よ! 東大辞めて俳句も止めよ とにかく俳句といふやつ この世に蓮咲かす 俳句の寿命誰も知らない だから廃句 茶川龍之介の三丁目に俳句といふ夕日があるかも 日本人ならただ黙れ ポロポロポロリン いつまで生きて金子兜太の振りをする 爆心地でマラソンしたからもう走れない 皇居一周すればわかる 俳句の存在する余地なし
10・21防衛庁闘争に間に合わなかった 火を焚いても柱を背負っても20世紀は終わったはず 人間が好きなんだね君はそんな顔してた 俳句って相当見っとも無いよ今さら9条守れだなんて 結婚相手まで鎌倉佐弓という夢ばかり見て 東大俳句会の仲間は俳句界の選なんかしない 退官までにあといくつ博士論文が書けるのか かげぼうしのような人生誰か共有したのかい(かげぼうしかの氷葬に遅れしや 夏石番矢) 尾崎豊が死んだ1990年代の暗黒は俳句にはない 人間とこの世界の交感は定型詩には盛れない
生きていても仕方がない者の最後の独断 転載くらい出来るだろうよラブレター(NK党H議員) もう10年告白してなかった至上の愛 ラブラブの二人まず愛の巣へ帰りなさい ゴロゴロしてないでまず窓を開けてみよう ほらホラ法螺貝の音が流刑地を教えている 高原耕治の鸚鵡の気持ちで革命はまだこれから(句集『虚神』) それならそうと最初から地獄の釜の蓋は開いている 思い出して皆と並んだレット・イット・ビー この断崖から飛び降りてもニッポンは安泰とか