月の雫海の吐息

月海です。うさうさと感じるままに、思うままに、
言の葉つづりしてます

21年前も雨の朝だった

2008-11-28 11:35:23 | 恋物語



どうも11月28日は午前中雨が多い
21年前の朝も曇り空からしとしとと雨が降っていた
コートを羽織って玄関で振り返ると 母が優しく微笑んでいた
後から向かうから綺麗に支度して待ってなさいね
そう ひとこというとあっさりと 見送った

駅で中学からの親友が待っていてくれた
おはよう・・そういうと 私に抱きついてきて
「いよいよだね。。」
「そうだねぇ。。」
しっかりと抱きしめあった朝だった

電車を乗り継いで親友と他愛ない会話を交わしている間に
会場へとたどり着いた
今のような一軒家でというよりも まだまだ専門の会場やホテルが多かった時代
仕度の美容室の入り口で親友はもう一度私を抱きしめて
「会場で会おうね・・受付は任せて。」
そういって 手を振って私を受付の女性に引き合わせてくれた


それから数時間後
真っ白な着物にくるまれて 私は介添えの女性に付き添われて
控え室へと連れられていた
まだ家族が到着していない控え室に一人 静かに時をめぐらせていた
雨はあがっただろうか。。

両親が到着する

「遅くなっちゃったわ。。あらあら。。。似合うこと。。」
母はニコニコしている
「ねぇ お腹すかない? 朝早かったから。。」

「う~ん。。着慣れないもの着てるから」
「あら。。でも 少し食べておきなさいね」

そういうと
母は 小さなタッパウェアーを開けて 私の着物の襟元にハンカチをかけてくれた
お茶はストローが必要かしら。。などと 
せっせと母は私に手を焼いていた

こんな時に。。と思うほど
タッパの中はサンドウィッチが入っていた

そこには 少しだけ甘く味をつけてある
卵のサンドウィッチが入っている
ひとくちふたくちとつまんでみたが 緊張しているためか
食が進まない。。ごめんね。。これ以上は食べられないみたい
申し訳ないと思いつつ ほとんどに手をつけられなかった

それでも母はニコニコしながら いいわよ。。
と タッパを片付けていた

外は雨が上がりそうだと 母は嬉しそうにつぶやいている
お庭での集合写真は 雨が上がっても今日は無理なのね。。と
ちょっと淋しそうだった

そんな会話を交わしているうちに 親戚の方たちも集まりだして
部屋の中はにぎやかになり
そうしているうちに 新郎が部屋に介添えの女性と一緒に入ってきた



21年前 都内の某所にて
私が過ごしたほんのひと時の話
その日 生まれてから使い続けた苗字が旧姓となった










大安吉日

Good day and Peace

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