2006-2015 ひねくれた日常

資本主義の欲望にまみれた日常生活はとても楽しい。いつまで楽しく暮らせるのだろう?いつまでも楽しく暮らすために考えよう。

集団で暮らす生き物が自分を主張する

2009年01月05日 | その他のこと
自民党の渡辺氏のことをちょっと考えてみたい。

渡辺氏は自民党が党として決めたことを、自分の考えとは合わないからと、抗議文か説明文のようなものを提出して、認められなかったら離党するといっているらしい。

それは自立した人として全く正しいように思われる。

渡辺氏は個人として優れているのかもしれない。

高い教養があり、政治家としての経験も積んで、今の日本にとって一番的確で正しいことを言っているのかもしれない。

でも、日本の民主政治は政党政治を採用してやっているのである。

渡辺氏の案は仮に最良としても、民主政治は最良でなくてもよいのだ。

自分の主義主張に一番近い党に入って、その中で話し合って党としての方針を決めて、党員はそれに従っていくというのが約束なのではないか?

政治家は日本という大きな集団の中で指導的立場にいある人々の集まりだが、自民党という政治集団に入ったのだから、指導者であっても集団の一員なわけである。

集団に入ったら、集団の”掟”には従わなくてはいけないのだと思う。

従わない人は離党すればよいという話なのだが。

そして、その人を受け入れてくれる集団もあるようだ。

みんな、何のための政党なんだか分からなくなってしまっているようだ。

これからも、こういう人は続出して少しばかり考えが違うからと、頻繁に政党を変わるのかもしれない。

思えば民主党ってもとは自民党ではなかったか? 内容も自民党と大して変わらないように思う。

ちょっとした違いからグループを分けて対立しているだけなのかもしれない。

だから、思うのだが、渡辺氏は分かっていないと思う。

分かっていない人は、自分をえらいと思っている。

せっかくの能力なのだから、もう一息、党と調整できるように使えないものだろうか。



話は変わって、今度は、指導者ではない集団のこと。

大多数の指導される立場の人間(一般人)の集団を考えてみると。

この人たちは過去の2千年とか3千年とかの間、多くは被支配者として集団に所属してくらしてきたと思う。

食うや食わずの時代、集団への所属は生存をかけるくらい重要だったと思う。

集団に所属していなかったら生きていけなかったのだと思う。

集団に所属して生きると言うことは、たくさんの決まりを守り、みんなで協力して仕事をして、常に気を張って空気を読んでいたことだろう。

今は、ほとんどの人が給与所得者になり、非常に豊かになったので、仕事場では協調しているだろうけど、住んでいる場所では付き合いをしなくても暮らしていけるようになった。

集団で暮らす暮らし方はいろいろと面倒なことも多いのだが、今はまたっく勝手に暮らすことも出来るのである。

昭和の中ごろまでは、まだ貧乏な感じが残っていて、一部のアパートなどは共同の設備などもあり、助け合い、譲り合う関係はあったかもしれない。

でも今は、若者が1人で住むアパートも風呂トイレが付いているのが当たり前になっている。

誰にも気を使わないで好きなように暮らせるようになった。

教育も変わった。

昔は協調性が重要だったが、今は個性が重要になった。

集団で暮らすように出来ている人たちが、個人を主張して好きなように暮らすようになったのだと思う。

集団でいたから保たれていた最低のモラルのようなものも、身についていない個人が好き勝手に暮らしているのだからどこかへ行ってしまった。

人間は今は学校へ行って勉強するのが当たりになっっているが、強い結びつきのある集団で暮らしていれば学校は必要なかったのではないだろうか。

生活に要なことは周りを見ていれば自然に身に付いたと思う。

豊かになった時代では、学校では教えられないこともあるということらしい。

それで、給食費を払わない親とか、私用に救急車を使う人だの、ニュースにもなる、変な人たちが出現しているが、集団を離れたために暮らし方が分からなくなっているのだと思う。

この人たちは別に自分を主張しているというほどのものでもなくて、ただ、世の中がゆるいから勝手にやっているんだ、というようなものだと思う。

そういう人たちをどうしたらよいのか?

対応には苦慮しているようだが、集団の掟を破ったものには制裁をするに決まっているのだ。

とは言っても、もともと集団を離れて勝手に満足してやっているわけだから、いまさら集団から追放する、なんていっても「え?」ってもんでしょ。

人間は集団を必要としなくなると、こんな風になっちゃうものなんだ。

という、実例として面白く眺めておけばよいと思う。


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