2006-2015 ひねくれた日常

資本主義の欲望にまみれた日常生活はとても楽しい。いつまで楽しく暮らせるのだろう?いつまでも楽しく暮らすために考えよう。

科学者と政治家

2007年11月29日 | Weblog
最近昔のSFを2つ、映画で見たり、本を読み返したりしました。

「猿の惑星」と「風の谷のナウシカ」。

そうしたら、昔と今と感じ方が違ったのです。

昔はただの楽しいSFのお話でした。

今はすごく警告感が感じられたのです。

どちらも人類は人間どうしの戦争によって滅びるだろうという設定ですが、それに対してどういった対策をとっていくのかがお話のストーリーになっています。

実際に人類に危機が迫った場合、やはり何か対策はとられると思うのですが、大まかに分けて、科学者的な対策と、政治家的な対策とがあると思うのです。

お話の中でも、そういう風になっていて、対立してみたりしています。

それから必ず扱われるのは「愚かな大衆」というようなものです。

それに絡んで宗教が出てきますね。



細かい話では、「猿の惑星」の3作目、ジーラとコーネリアスと、もう一人マイロというサルの科学者が、未来の地球の滅亡の危機からのがれて現代の地球にやってきました。

この話の中ではジーラのうかつな言動が人間界でのジーラとコーネリアスの未来を悪くしていきます。

ジーラが不注意に漏らした、地球の未来でおこる滅亡の話が猿の2人をどう扱うかという問題になるのです。

政治家的な対策は、2人はすでに人気者だし善良なので、子孫を残すことは認めないが人間と一緒に暮らしていこう、というものでした。

それに対して、科学者の対策は未来からきた猿は将来地球が滅亡する原因なのだから殺すべきだ、というものです。



科学者は、分っていることは絶対に間違いのない方法で、迅速に対処するのがよい。と考えているわけです。

それのどこに問題があるのかと。

なぜ、政治家はぐずぐずしていて的確な対策をしないのか、と。

政治家はそんなこと言ったって、かわいそうじゃないか、とか世の中の人が賛成しないだろう、とか思うわけです。



「風の谷のナウシカ」では、危機に対する対策はすでにとられてしまっていました。

「火の7日間」と呼ばれた世界戦争で人類はほぼ壊滅したことになっています。

お話はそこから始まるので、世界戦争の始まる前になにか対策があったのかどうかは描かれていません。

でも、想像するに、政治家的な対策がとられたのだけど、戦争になってしまったのだろうと思うのです。

そして、その戦争の後、わずかに残った人と時間との中で科学者があることをしたわけですね。

宮崎さんはすごいですね。

ナウシカさんは一人ですごい活躍をするわけですが、科学者の論理的な頭脳と、政治家的な人情味を兼ね備えて、問題はどちらかだけでは解決しないと教えてくれているようです。


科学者はいろいろな話の中に得意なキャラクターとして登場します。

その描かれ方は、愚民を認めない、論理が最優先される、そして独善的な世界征服が目的だったりしています。

面白いんですが、半分は笑えません。

科学者的な人間は結構身の回りにいます。

それから、本物の科学者もそういうところがあるんじゃないでしょうか。

分っている問題は早く完全に解決する、これは間違ってないですが、人情味がなさすぎるのは怖いです。

政治家は100年後に温暖化の影響で食糧がなくなると言われても、そんな先のことは分からないといって、自分の県に橋をかけたり道路を作る方が大事だと思っています。

そういういろんな人たちが入り乱れて暮らしている世の中です。

これからはお話の世界ではない、実際の問題に対してどんな人がどんな対策を繰り出していくのでしょうか?

お話の中では「大衆」は右往左往するだけですが、「大衆」の私たちも何かしなければいけないのかもしれません。






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1 コメント

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Unknown (法螺貝)
2007-12-14 12:14:51
ナウシカの世界は…世界戦争ってことになってるが…

漫画版を呼んだ感想としては巨神兵の暴走ではないかと思う



漫画版は巨神兵、調停者そして裁定者であるて明確にしているしナウシカは兵器ではなく神として作られたのではと言っている



世界を燃やした巨神兵じたいが世界規模の戦争や小さな紛争などを納め調停する役目があったと思われる



漫画版では巨神兵は明確に人格を有する自立した生物で、ナウシカの導きで人格を形成していくこと

また、作中では裁定者としての巨神兵の裁定に逆らうものに対しては容赦なくプロトンビームで火の海していることから



ターミネーターのスカイネットのように人間の手を離れて暴走していったと考えられる



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