★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

不義なれば暱しからず

2024-04-02 04:14:05 | 文学


公曰く、「庸うること無し、将に自ら及ばんとす。」大叔又貳を収めて以て己の邑と為し、廩延に至る。子封曰く、「可なり。厚く将に衆を得ん。」公曰く、「不義なれば暱しからず。厚くとも将に崩れんとす。」大叔、完くし、聚め、甲兵を繕え、卒乘を具え、将に鄭を襲わんとし、夫人将に之を啓かんとす。公其の期を聞きて曰く、「可なり。」子封に命じて車二百乘を帥いて以て京を伐たしむ。京、大叔段に叛く。段、鄢に入る。公、諸を鄢に伐つ。五月辛丑、大叔、出でて共に奔る。

不義のものには民がついていかないんで勢力拡大したところでだめなもんはだめと春秋左氏伝はいうのだが、はたして、この支配地を広げるというのはどの程度の広げ方であろうか。

インターネット時代がだめなのは、こういう広げ方の規模の問題がわからなくなり、プロバガンダは地球規模の問題となるような幻想がはびこっているからだ。その不義の輩でさえ、こんなに広げたらだめだろうと思うことはあったはずであるが、現代では、案外善悪の問題が純粋なものだと思ってしまう。広がれば善も善でなくなるし、正義も正義でなくなることが分からないのである。倫理は、ほんと聖書やカント並に「純粋」の空気がでるほどに練り上げられていなくてはならない。

エイプリルフールで調子に乗ってネットで嘘をついている輩も、それが「本当」に反転するのがリアル世界であることを忘れがちである。それにしても、嘘つきで新学期の始まりとは縁起がよろしくはないであろう。新学期を逮捕せよ。

昨日はとりあえず一仕事終わったので「県警対組織暴力」を見てすっきりしがちなわたくしであった。今日は、新しい朝ドラがはじまって、今後伊藤沙莉さんでよい結婚してくれ重婚だけど、と思った。


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