★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

コロンブスのゆで卵

2017-01-25 17:20:02 | 文学
昨日、演習で花▼清☄の「コロンブスの卵」というコラムをあつかったのであるが、生卵ではなくゆ(う)で卵なら卵は簡単に立つ、と書いてあり、演習者に「本当かどうか確かめてみたか?」と言ったら、どうやら本当らしいので、わたくしもやって見た。



確かに立った!

この文章は、日本はホントに独立国かというアイロニーを言うためのコラムだったが、日本はバブルや高度成長でゆであがってもまったく立つ気配がない。だいたい国が一国だけで立つわけがないだろう。トランプがある種の商人であることは象徴的な事態だ。最近のやたら一国で立ちたがる国家の原動力には、一部の商人たちの危機意識が作用している。彼らの意識はプロレタリアートであった意識から絶対に抜け出すことはできない、すなわち――商人は自らを守るために国家を利用して、自分たちのシマ(結果的に国家)を確保しようとする。世界的帝国の一極覇権よりも、マフィア(国家)が割拠している方が平和だという発想なのかもしれない。確かに、社会主義でも民主主義でもそのイデオロギーによって煽られた(ふりをした)帝国の暴走というのはひどかった。虐殺は大規模であったし、世界で活躍しているエスタブリッシュメントな人々は確かにちょっと調子こいているとしか言いようがない(イメージ)。しかしながら、マフィアの世界においても、かなり人は死ぬのだし、あちこちで体が大きい馬鹿が威張りくさり、ひどい世界が展開していた訳である。かかる世界では、ボスがいくらキチガイでも、下々は足を洗うことができない。そういう共同体、即ち牢獄が人々の居場所だった時代にまた戻るつもりであろうか(以上イメージ)。現に、いまの日本の職場はほとんど恐喝といじめの世界に変貌している(事実)。

それはともかく、わたくしがいつも思うのは、卵の異常な美しさである。

附記)我が首相が「云々」をデンデンと読んだということで盛り上がっているらしいが、それはそうと、TPPに中国が入ってきたらどうなるんだろうね……ありえないことではないと思うんだが……