大阪で運動部の指導を学校の外部に委託する試みをはじめるとかなんとか、『讀賣新聞』の一面に載っていた。こういうどうでもいいような記事が一面に載っているのはどうかと思うんだが、その試みも果たしてどうなんかなと思う。
・そもそも「部活」はいらないかもしれない。
・土日も部活の指導で忙しくて先生たちは死にそうよ、という意見があるが、土日は部活を含めて休みにすればいいんじゃないの?そもそも先生が忙しくなったのは、部活のせいじゃねえし。まず、親と糞書類のせいであろう。つまり広義の「連携」のせいなのである。更に連携を増やしてどうするのだ。あ、あと、そこの「教員は楽そうだからなっただけ」と言っている教員は、人生やりなおせ。ついでに、新任教員をいじめる子どもに災いあれ。
・何故、運動部だけを外部委託?文芸部の顧問も外部委託にしましょうよ。オーバードクターがいっぱいいるぞ。だいたい教員免許も持っているし。
・部員の中には、やる気もなく、みんなと遊びたいだけのワルも、ただ遊びたいだけのヨイ子も混じっている。そういう雑多な状態を、「教育」を学んでいないスポーツ関係者が指導できるのであろうか。部活は、競技だけを教えてるんじゃないんだけどな……。仮に、管理と競技指導を分けても、余計ややこしいことにもなりかねないぞ。様々な「連携」事業でありがちであるが、連携しているどうしで手を抜き合う――学校も競技指導者もどちらも手を抜くというのが、現実的な可能性としてかなり高いのではなかろうか。で、その停滞を打ち破ろうとするのがなぜか必ず暴力的な方であり、責任をとらされるのはがんばってた方だという最悪の結末に陥る。考え方の違いを揚棄しようとするのではなく、レベルの低い方に合わせたり社交辞令をやるクセがある限り、こうなっちまう。
・日本の学校の部活というのは、そもそもその競技の人材育成でもなんでもなくて、学校教育の一部であり、もっといえば、「青春」製造の場所みたいになっているのではなかろうか。だいたい青春漫画のパターンとして、ずぶの素人の先生が監督をやっているけど、みんなのがんばりで甘酸っぱい青春(試合には負けたけど)がよかったですというのがあるけれど、それもまあよいだろうという気がする。顧問や監督の影が薄いのがいいのだ。『ドカベン』や『タッチ』でもそうだったし、最近では『ちはやふる』でもいいが、極力先生が前面に出て来ないように展開する。実際、全国優勝するような部活で、そんなことはあまりないのであろう。しかし、全国の殆どの天下を取らない中学生たちは、「先生はだめだけど、ぼくたちで天下トルよ」という夢を見るのである。そして夢は現実にはならない。しかし、別にいいじゃないの。……地方大会で既に、指導者の優劣で成績が決まっている気がする、そういう理不尽を学ぶのも人生です……。まあ、本音を言えば、中学高校で、部活で青春しているやつは大嫌いであった。勝たなきゃやってる意味はねえよ、と思っていた。しかし、実際に勝てるとは限らないし、女の子とのデートと試合を選べと言われたら、正直迷う。そんな、矛盾した情けない自意識がいいのである。
・わたくしは、中学時代、弱小吹奏楽部にいたので、練習も半端なものであった。だから、半端な音楽への夢を見たかわりに、本を読む時間もあったし、いっちょまえに「煩悶」する時間もあったのである。学校は、一生懸命物事をやりゃいいってもんじゃないのである。外部の優秀な指導者が入ってきてみいや。音楽に邁進した代わりにドストエフスキーを読んでないかも知れないし、たぶん能力の関係上、音楽にも進んでいないばかりか、音楽が嫌いになっていた可能性もある。
・授業ではなく、部活で生徒指導しよう、とか考える学校も問題だった。別に全員やらなくもよいですよ。部活を競技や演奏などの能力を伸ばす目的にするというなら、そうすべきである。そのかわり、指導者を国体以上とかの水準の者に限り、教員免許の取得を課す。生徒には入部試験を課すべし。そうするとアメリカみたく、お金がかかるようになるけどね……、親が今以上にがんばらなきゃいけなくなる。多分、日本の場合、半端にそんなやり方が部活に入り込んでいる。そして、やる気がない子どもまで、親の投資とプロの自覚がある指導者の狭間で苦しむことになっている。むかしなら、「おれは青春したいだけなんだよー」と言えたが、いまは、部活も内申評価の一部であり、教科の勉強不足を推薦入試(内申点)でごまかそうという、綱渡り逃げ道の争奪戦が目の前にちらちらする。異性を好きになっている暇もないぞ。
・部活の実績で学校の宣伝しようとする管理職を何とかしてくれや。
・外部からの指導者が、男子を殴ったり、女子や顧問の女性教員にセクハラしたりといった噂を聞くんだが……。ニュースになってないだけで、民間のセクハラパワハラはひどいぞ。
・実力のない先輩は威張るんじゃねえぞ、こらっ
・こらっ、俺を勝手に部長にして仕事押しつけてんじゃねえぞ、そこの女子。
・うちのチューバは、かび臭いぞ。
・おいっ、そこの指揮者、男女関係を合奏の時に持ち込むんじゃねえよ。
・こらそこのテニス部、俺たちがやっている「インヴィクタ序曲」鼻歌で歌ってんじゃねえよ。
・うちの合唱部にはなにゆえ男子がひとりしかいないのだ……
・声変わりしたけど合唱部においてくれよー先生~。
・「史×君、南を甲子園につれてって!」
……甘酸っぱい嫌な思い出と嘘がほじくり出されてきたので、もうやめとこう……