EMI’Sーベルギー日記ー

リコーダー奏者EMIのブログ、2005.11.09開設。気ままに綴るブログです。
ただいまブリュッセルにてサバイバル中

一つの時代が終わる

2012年01月17日 | 日記
マエストロGustav Leonhardtがアムステルダムで昨日息を引き取られたそうです。
私の好きな音楽家の3本の指に入るかと思いますので、かなりショックです。。。。




12月に行われたパリでのリサイタルの映像を最近よく見ていたので、なんだかとても彼のチェンバロの音が耳に残っていて
しばらくはなれそうにありません。。。


ヨーロッパではお正月がなく、すぐさま店も学校も始まり、慌ただしい毎日です。

今日のお昼はリコーダーコンソートで小さな演奏会があり、ちらっと出演した後、SPAという町にいってきました。

今年から、お水で有名なSPA市の音楽アカデミーでリコーダークラスを受け持つことになり、
毎週電車で往復5時間かけて通って、ちびっこ4人と大人2人教えにいっています。


今日は生徒の試験でした。(あさっては自分も音楽院で試験があるですけど)
このマダムはとてもレベルが高く、モチベーションも高いのですばらしい評価を頂き、今年から設置された
新しいリコーダークラスなのですが、学長さんたちも喜んでくれているようで、年度末の試験は、
大きな教会でパイプオルガンを使って演奏をお願いしたら、あっさりとOKを頂きました。

アカデミーはプログラムがもう既に設定されており、いろいろな項目があるんです。
やらないといけない事がたくさん。その中でも、「創造」という項目があり、
ちびっこも大人も、作曲もしくは、インプロヴィゼーションのような事を試験の中でも発表しなければなりません。
そのマダムは、「ダウランドを想わせる・・・」というユニークな曲を作曲しました。
しかも、少し高度で、私もうかうかしてられない、、と改めて思いました。。。。。。

フランス語で教えるのがやっぱり大変ですが、全員が個人レッスンと聴くレッスンの半々の時間を持たないといけないので、
ちょっと複雑で大切なポイントを伝えるときは
大人をつかっえ、子供たちに伝えてもらっています。このマダムはリコーダー歴がとても長いので
こういう時、本当に助かる・・・。

子供も親も、大人の生徒も私が外人という事に何の偏見も持たずに接してくれているので
こんな適当なフランス語でも、なかなか深く会話をしたりコミュニケーションし始めてきて
私にとっても素晴らしい経験の年となりました。



本当にこう考えるとやっぱりヨーロッパは音楽する環境が素晴らしく整っていて、
このSPAのアカデミーの生徒たちは、
リコーダーを始めたばかりのちびっこが数か月後に大舞台で演奏しますし、まだ数音しか習っていないマダムが
パイプオルガンとすばらしい音響の中演奏できるのです。

去年から本格的に個人レッスンをベルギーではじめたのですが、ブリュッセルでも生徒さが増えてきたので、
小さなリコーダーアンサンブルを始めました。
ちょうどベルギー人と日本人の組み合わせなので、始めの会は、お茶会を交えて、西洋菓子と和菓子と西洋音楽と邦楽で
リコーダー異文化コミュニケーションを楽しもうと思います。


日本に居た時からそうですが、私はやっぱり生徒さんに恵まれているようで、とても皆さん熱心で、私の方が圧倒されることが多々あります。
先生と生徒の出会いも、初めは偶然からですし、一つ一つの縁を大切にしたいと思う今日この頃。。。。



そして、クリスマス&年賀状を出そうと、カードを買って、メリークリスマス!まで書いて止まっているカードがずっと放置されていました!!!心のこもったカードを頂いたのに!!!!
今週必ず書いて出そう・・・・・・・・・


なんか、今年、クリスマスとお正月が、超特急で過ぎてしまい、
毎年日本から正月ようにお餅は大切にもってきて保管しているのですが、
食べ損ねています!!!


地味にコンサート活動もしているのですが、
3月は、中世、ルネサンス、バロックに現代曲、全部の音楽がバラバラにあって、今からちょっと大変・・・。
どれも興味深い内容で、やりがいもありそうなのですが、体も頭ももつかな・・・・



今日は最近お気に入りのレオンハルトの音楽で祈りながら眠りにつきます。

最後のリサイタルもドクターストップがかかっていて、ここ数年もう最後だ、最後だと言われていたので、
みんな心づもりをしていたでのでしょうが、それでもやっぱりショックです。
音楽の神様がまた一人この世からいなくなってしまいました。
最期の最期まで音楽家。アンティークの家具に囲まれ、色んな事を心から大切に、デリケートに扱える人。
一つの時代が終わったのでしょうか。。。

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5 コメント

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驚きました。 (http://s.ameblo.jp/toocp-secret/)
2012-01-18 14:06:38
そうでしたか。今初めて知りました。

やはり時代は移ろって行くものなのでしょうか。

しかし若い世代のミュージシャンの方々と接するにつけ、新しい時代の胎動も感じています。
水面下ではありますが、噴火の前兆とも言えるものです。

おそらく貴女もその火山の溶岩を日々生成しておられることと存じます。
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Unknown (えみ)
2012-02-11 05:52:48
噴火の前兆なのでしょうか。。。なんだかベルギー含めヨーロッパすべてが音楽する事自体が大変になってきていますよ。クイケン兄弟の国からの支援も廃止になるかも、、という事ですし、一番大きな古楽コンクールも、2年前から国が手を引いて、縮小されました。リコーダーは楽器から外されてしまったし。。。世の中の必要な事がどんどん変わっているのでしょう。そういう意味での、噴火の前兆は感じますけど、、
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そうでしたか・・・。 (http://s.ameblo.jp/toocp-secret/theme-10042701827.html)
2012-02-12 02:59:39
音楽を取り巻く環境も激変しつつあると言うことですね。

当方の素人目線で、あまりにも一面的な見方を披瀝してしまい誠にお恥ずかしい限りです。

ただ、一面的ながら奏者の意識の面では、一昔前とは何かが変わってきているような気が(日本では)しているのですが・・・。
そちらでは如何に感じられますでしょうか?
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Unknown (えみ)
2012-02-12 05:53:17
日本と西洋と私はうまく比較はできませんが、ただ、パリの音楽院で勉強したオルガニストは、ピアノも弾くし、僕はチェンバリストだよと普通に言うので、なんでもできるのね、といったら、パリでは、第二楽器の内容レベルが高いので、平行して楽器を勉強するのが当たり前で、第二楽器の演奏技術も高いと言っていました。特に古楽器科の人は、たくさんの楽器を演奏する人がたちばかりです。高いレベルで習う環境が整っているのだとおもいます。でも、それは、まさに私たちの時代の音楽家です。世代によってそこは大きく違うような気がします。ただの器用音楽家ではないので、それは、環境の変化といえるのではと思います。
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貴重なご意見有り難うございます。 (http://s.ameblo.jp/toocp-secret/)
2012-02-12 22:12:13
20世紀に暮らしていたその昔、アカデミックな音楽があまりに19世紀基準で推移するのに辟易した記憶があるのですが、
なるほど、やはり何かが変わってきていますね。

貴女のおっしゃる小さな変化にも興味津々です。

また今後の、21世紀の行く先にも興味津々です。
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