社会不安障害:SAD、ボランティアとセカンドライフ

SADで会社を休職したが、一年で復帰し、無事定年を務めて、その後の生活とボランティアについて気ままに掲載中

松岡圭祐『千里眼 背徳のシンデレラ 上』

2008-08-17 14:47:02 | 趣味(読書)


今回の紹介する『千里眼』は旧シリーズの最後だと思います。この上・下巻を読むと、少なくともあと1冊か2冊私が読んでいない『千里眼』がある事がわかる。つまり、今回の表紙裏に記載されている言葉「阿諛子(あゆこ)、あなたは私の子ではない。これをよんだのなら、あなたは変われる。---- 友理佐知子の日記より抜粋。
が意味深に突然出てくるが、もちろん『千里眼新シリーズ』でもこの「阿諛子」なる人物は度々でてくるのだが、実は、この人物に関して、私は『千里眼シリーズ』では出現するシリーズを読んでいない。と言う事で、また読んでいないシリーズを知ることは新たな楽しみでもある。



さて、問題は、今回紹介の『千里眼 背徳のシンデレラ上・下』は半端ではなく、長い。氏のシリーズはいつも長いのだが、今回は特に長い。従って、紹介する上で2回に分けて紹介する事にする。以下の書籍の紹介にもあげるが上巻で612ページ+下巻で644ページと言うトンでもなく長い物語となっているが、この題名にあるように、今まで明らかにされてこなかった、『背徳のシンデレラ』つまり友理佐知子の生い立ちとメフィストコンサルティングとの関係その娘として育てられた鬼芭阿諛子の正体が明らかにされると同時に、愛されていたと信ずる母友理佐知子の意思を接ぎ、日本政府の転覆を狙う鬼芭阿諛子と岬美由紀との最後の戦いとなる。



従って、私的にもまとめて見ましたが、今回のシリーズを読む事で、千里眼シリーズで出てきた友理佐知子、岬美由紀、メフィストコンサルティングの関係が分かって非常に面白い。最も最初から氏がシリーズ連載を考えてつながりを作られたかは知らないが・・・。br>



カバー写真に何れも釈由美子を掲載したのは、千里眼シリーズの岬美由紀にのイメージに第一位に選ばれた(senrigan.net調べ)事で今回のカバーを飾る事になったとの事。言われてみるとそうかも知れない。
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千里眼背徳のシンデレラ上A.jpg書 籍:『千里眼 背徳のシンデレラ上』
発行年:2006年5月1日初版発行
発行所:株式会社 小学館
価 格:733円(税別) 縦一段組み612ページ



<上巻カバー裏のストリー紹介>
元航空自衛隊にして女性初のF15パイロット、現在は臨床心理士となり、その動体視力と観察眼、心理学の知識を併せ持ち<千里眼>の異名を取る穂とにすべてを見抜く、戦後最強のヒロインが最大級の謎に挑む。
耐震偽装をめぐる事件に仕掛けられた罠を看破したとき、美由紀は新たな陰謀の種を発見した。そこにはかって、日本を震撼させた天才女テロリスト友理佐知子の後継者、鬼芭阿諛子の壮絶な復讐がまっていた---。
最強のヒロイン岬美由紀が、遂に千里眼の宿命と対峙!人気シリーズ最長編の書き下ろし上巻。



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耐震偽装を請け負った一級建築士音無耕市の自白をさせる為に日本政府はメフィストコンサルタントに自白を依頼するが、この実行の為にメフィストコンサルタントが仕掛けた罠は、なんと日本列島沈没の状況を南の島に作り出し、恐怖の状況の中で音無の自白を迫る事であった

臨床心理士の岬は音無と同時に人質となった人々も間一髪でアメリカ海兵隊の支援の下救い出す。人質の一人から精神疾患に陥っている音無が「タイタニック計画」なるものを聞き、沖縄発羽田着の便に何かあると予測し、乗り込む。この便がまさに音無の描いた「タイタニック計画」であった。
池袋のツインタワービルを目指して、飛ぶ飛行機の機長は他のキャビンの人間を殺し、自分も自殺する。美由紀と外務省の成瀬は、二人で機体を操縦し、無事羽田に着陸させる事に成功する
しかし、この事は友理の後継者がおり、恒星天球教の事件はまだ終わっていない事を意味していた友理の後継者鬼芭阿諛子は、日本の国民的年末行事の紅白歌合戦の勝者を当て続けて有名になった石川県能登半島の白紅神社に目を付ける。
そのからくりは友理が既に見抜いており、音無の「タイタニック計画」を請け負う代わりに、音無がこの白紅神社の隠し建築物を設計した、図面を取得する事でもあった。

白紅神社の宮司を含め、全員を恐怖で脅し、生まれた時から、鬼芭阿諛子はこの神社の宮司であった事にしてしまい、恒星天球教事件で指名手配されている事に対して、警視庁の誤認であり取り下げの告訴をする
警視庁捜査一課の蒲生警部補と共に、鬼芭阿諛子の確認に来た、岬美由紀は、白紅神社で鬼芭阿諛子に会うと同時に、偶々見つけた、SDカードのデータをパソコンにコピーする事に成功する
なんとこのSDカードの中身は、友理佐知子の直筆の日記であり、鬼芭阿諛子に当てたメッセージでも会った。友理の17歳の時から友理の死の直前のまで1万ページに及ぶ物であった。
美由紀はとにかく友理の人となりと鬼芭阿諛子の生い立ちを理解する為に、選択的注意集中を用いて日記を拾い読みする事にする。この日記には実は驚愕の事実が隠されていた。



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友理の祖母、御船千鶴子は17歳の時に義理の兄から催眠術を受ける。この催眠により浅いトランス状態に入る事を覚えた千鶴子は探し物の達人となる。さらに父の経営する病院で患者の不具合を当てる事もあった。極め付きは、三井財閥の海底炭鉱の地図をみて石炭の埋蔵量の多いポイントを探り当てた。やがて、東大の福来友吉帝国大学教授が千鶴子の下を訪れ、超能力の実験を行い、千鶴子はことごとく成功し、千里眼の女の評判を高めていくが、21歳になったときに世間の喧騒に嫌気がさし、陸軍中尉と結婚。子供を出産し、横浜の人里離れた家に住むことになる。猪俣アスミと言う女性が、千鶴子の面倒を見てくれていたが、トキエを出産後、新たな千里眼の能力と持つといわれた別の女がトリックを使っていた為に、千鶴子も同類とみなされ、詐欺扱いを受け、結局24歳で自殺してしまう



猪俣トキエはアスミが実の母親と思い、実の父親が居ない事にも気にもとめずくらしていたが、大正5年の第一次大戦の最中に軍から小田原にある収容所に連衡される。始めて実の親がアスミではなく、千里眼と呼ばれる御船千鶴子が母と知る。そして大日本帝国にとって神をかたる重罪とみなされる。10歳のトキエには難解な事ばかりだったが、時が経つにつれてその事実を理解し、あらぬ誤解を受けて国家の弾圧の対象とされた。私はその娘であったことが発覚し、ここへと連衡されたと・・・。
終戦後も監視下の元、トキエは生きる為に、横須賀の路地に立ち、米国人や日本人を相手に必要なお金を稼いでいた。あるとき、妊娠している事を知り、生む事を決意する。一人で生きる孤独に耐えられない為に・・・。トキエは千鶴子と同じように横浜の家で赤ん坊猪俣美香子を出産した



猪俣美香子はトキエ(母親)の売春行為をなんら特別な物とは見ていなかった。幼い頃からの生活の一部として過ごしていた。一方でじゃんけんでは母には一回も勝つ事ができなかった。母トキエが病気で無くなった時、美香子は母と寄り添いながら、母が静かに冷たくなっていくのを静かに感じた



美香子は、6歳で生きる為に、母の代わりに大人と添い寝する毎日が続くようになった。ある時にゴリアテというアメリカ軍人にあうが、彼は母と同じようにじゃんけんに負ける事はなく、美香子に未来に付いての話をして去ってゆく。美香子は彼の事を神のような存在と考える



猪俣美香子は10歳の時に警察に保護され、その過去を警察関係者が知る事になる。結果猪俣美香子は孤児とし、過去に付いては一切不明とする。新たな名前は友理(ともさと)佐知子とするだったが、美香子はともさとという読み名が気に入らず、読み方だけを友理(ゆうり)にしたが、役人は気づかなかった



中学生になった友理(猪俣美香子)は、共産主義の良世連の学生運動に参加する事になるが、リーダーの裏切りに気づき、確認を取ろうとした所を、このリーダに殺されそうになるが、ゴリアテが救う。ゴリアテは、メフィストコンサルティング社の特別顧問であり、特別顧問候補をスカウトしていた。中学卒業を条件に、見事願いに叶った友理は、メフィストコンサルティングにスカウトされた。



インドネシアの研修施設につれてこられた友理は、愕然とする。同じような候補が余りにも数多くいる事に!



この中で、フランシスコ・フューエンス(後のダビデ)とマリオン・ベロガニア(前頭葉手術と暗示で人を操る+後のメフィストコンサルティングの総裁)と友理の影となる二人(澤木百合子と越谷暁美)に会う。友理は研修終了の試験(個人では絶対不可能な事がある事を認識させる為の試験)を、マリオンの技術(前頭葉手術+暗示)を使って府中刑務所前の3億円現金強奪を成功させる事で実現する。



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この衝撃の事実を岬は呆然としながら見つめていたが、このとき宿泊していた、旅館の側を激しい轟音と共に白い閃光が3つ海沿いの森林上空を飛んでいくのを見た。








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