横浜焼売(シウマイ)物語2024

2年ぶり再開。ハマっ子のソウルフードは崎陽軒のシウマイ。漫画書き柴犬溺愛。落語らぶ。晴れ時々ランニング、更新随時

タイタニックの手記

2014-05-01 | 横浜ラブ
先日のブログに書いたのですが、横浜みなと博物館の開館25周年記念展に行ってきました。



目的はこれ。

タイタニック号唯一の日本人乗客、細野正文氏の手記。

細野正文氏はYMOの細野晴臣さんの祖父様です。当時、ロシアのシベリア鉄道を視察後、イギリスから大西洋航路を利用して帰国する途中、
乗り合わせたタイタニック号で、あの事故に遭遇しました。
一時は死を覚悟したものの、家族に二度と会えなくなるかもしれない、との思いに揺れます。
そして偶然聞こえた
「あと,2名!」という救命ボートからのコール。
本来ならば婦女子にその道を譲るべきところ、男子がそこに乗り込むことへの抵抗感と一瞬の迷いののち、夢中で船から飛び降りた。とあります。
後ろから銃でうたれるかもしれない(男子がその命を惜しんだという士道にあるまじき行為につき)ことを覚悟で飛び乗った、と。

そのあと、正文氏は生き残ったものの勤めとして、
当時の事故の様子を克明に記そうと、持ち合わせた便せんを使って書き留めたのでした。
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この手記は今でこそ海洋史上貴重な記録として保存されていますが、
細野正文氏本人は、生存帰還した事が当時の日本の風潮に反する事であり、またこの事故に関するある誤った報道により
職を追われ名誉を剥奪されたまま鬼籍に入りました。
その汚名が雪がれ名誉を回復したのは80年後、21世紀に入ってからの事です。

余談。
手記は便せんにが逆さまのまま書かれているため展示の際,博物館では悩んだそうです。

というのも、書かれた文字が正しく読めるよう展示すると、観客から
「展示品が逆さまですよ。」といわれ。
そのまま展示すると
「文字が逆さまで読めない。」といわれ。

逆さまに書いたのは当時の切迫した事情からなのです。
そこで、博物館は注釈をくわえ、書かれた内容をテキストにアップしたものを一緒に展示することにしたそうです。
テキストはリーフレットになっているので、持ち帰ることができます。


この貴重な手記は港博物館の所蔵品ですが、実物が公開されるのは特別な時だけです。
興味のある方はぜひ。
5月18日(日)まで。休館は月曜日:GW中は開館7日(水)に振替え)

横浜みなと博物館は、みなとみらいの日本丸パークの中にあります。



常設展は無料。いつでも見学できますよ。(特別展はこの奥の展示場で。)