背寒日誌

2019年7月12日より再開。日々感じたこと、観たこと、読んだことなどについて気ままに書いていきます。

落語鑑賞をまた始めた(その一)

2012年06月25日 00時58分29秒 | 落語
 このところずっと落語の速記本を読んでは、昔録画したビデオを観たり、インターネットの動画(音源だけのものも多い)を観ている。
 ウォークマンがはやった頃、落語ばかり聴いていた時期が5年ほどあった。もう30年も前だろうか。その頃はまだCDが出ていなかったので、落語のカセットを大量に買った。コロンビアの黄色いカセットとNHKのピンク色のカセットは、昭和の落語家の名演集だった。そのほか、アポロンの名人全集で、志ん生と円生のカセットを何本か買った。全部で200本くらい集めたと思う。1本2000円とか1800円だったから40万円くらい買ったはずだ。
 そして、夜中になると、好きな落語を繰り返し聴いていた。ウォークマンで聴いていたのは近所迷惑というか家人を起さないためもあったが、集中できたからだ。とくに志ん生にハマッていたので、志ん生の名演は何度聴いた分らない。「火焔太鼓」「粗忽長屋」「三軒長屋」「強情灸」「唐茄子屋」「厩火事」「風呂敷」「三枚起請」「五人廻し」「品川心中」「幾代餅」「淀五郎」「千両みかん」「おせつ徳三郎」「井戸の茶碗」「鰍沢」「お直し」「水屋の富」「黄金餅」「らくだ」「疝気の虫」「そば清」「鰻の幇間」「芝浜」「百川」など、上げだしたらキリがない。
 志ん生以外でよく聴いていたカセットは、三木助の「芝浜」「たがや」、金馬の「居酒屋」「目黒のさんま」「孝行糖」、可楽の「らくだ」、文楽の「酢豆腐」「鰻の幇間」「寝床」「船徳」「富久」「明烏」、円生の「居残り佐平次」「掛取り万蔵」「小言幸兵衛」「死神」、小さんの「時そば」「長屋の花見」「大山詣」など。 
 カセットで聴く落語家は、文楽、円生、小さん以外、私がリアルタイムで落語を聴いたこととがない落語家ばかりだった。私は昭和27年生まれなので、ラジオで落語を聴いた世代ではない。また、生れは東京目黒だが、4歳から10歳まで札幌にいたので、子供の頃、寄席へ行ったこともない。金馬や志ん生や柳橋はテレビで観たことをかすかに憶えているだけである。
 テレビで落語ブームが始まったのは東京オリンピックの前あたりだっただろうか。確か10チャンネルで日曜の午後、馬場雅夫アナが司会の落語番組が人気を集めた。最後に大喜利があって、七人くらいの落語家が出演した。進行役が柳昇で、小せん、伸治、夢楽、柳朝などがレギュラーだった。「笑点」が始まったのは、私が中学二年の頃だったと思うが、談志が司会で、円楽、金遊(小円遊)が人気を集めた。
 寄席に初めて行ったのは、高校になってからで、目黒の権之助坂にできた目黒名人会である。談志の「権兵衛狸」を聴いたことを憶えている。
 それと、私の母校の都立青山高校の先輩が柳家小三治で、まだ二つ目でさん治と言っていた頃、彼の落語を高校の体育館で聴いたことを憶えている。演目は忘れてしまった。確かその一年後、真打になって小三治を襲名した。だから、小三治先輩のことは陰ながらずっと応援している。
 七、八年前までは、たまに寄席へ行っていた。新宿の末広亭、上野の鈴本が多かった。が、最近はめっきり行かなくなった。紀伊国屋ホールへも何度か行ったことがあるが、出演者に魅力を感じず、もう行かなくなった。最近では、三遊亭鳳楽の独演会に三度ばかり行き、二年前に紀伊国屋ホールで三遊亭円窓と立川志らくを聴いたのが最後になってしまった。
 
 さて、200本ほどあったカセットのことだが、今10本ほど手元にあるのだが、残りは目下行方不明である。家内に聞くと、娘がどこかに片付けたか、もしかするとゴミに出してしまったのではないかと言う。捨ててしまったとしたらショックである。
 それと、録画したビデオが200本以上あって、ほとんどが30数年前に買ったナショナルのマックロードで録画したもの。映画と落語とジャズと将棋ばかりである。それが三倍モードでめちゃくちゃに入っている。落語はTBSで夜中に放映していた落語特選会がほとんど。司会が山本アナで解説役が榎本滋民だった番組である。最近、これをまた観ている。
 貴重な実演が多い。とくに面白いのは、馬生の「笠碁」と「厩火事」である。馬生は、カセットで聴くとそれほど面白くないが、演じている姿を観ると抜群に面白い。間(ま)がなんとも言えず良く、その時の表情が可笑しい。小さんの「粗忽の使者」、小三治の「千両みかん」も録画してあるが、小さんも小三治も演じているのを観ないと面白さが半減するよううに思う。
 ビデオをDVDに変換して、落語だけをまとめて整理したいと思っているが、機械がないので、出来ないでいる。(つづく)



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