背寒日誌

2019年7月12日より再開。日々感じたこと、観たこと、読んだことなどについて気ままに書いていきます。

映画女優、入江たか子(その1)

2012年07月08日 13時07分50秒 | 映画女優入江たか子
 昨年(2011年)は映画女優入江たか子の生誕100年だった。が、大きな催しは全くなく一年が過ぎてしまった。フィルムセンターでも回顧特集はなかった。田中絹代の生誕100年特集は大々的に行なったのに、昭和映画女優史上その功績の点では田中絹代に決して劣らぬ入江たか子の特集をやらないとはどういうことなのか、と疑問に感じた。やはり、田中絹代と比べて戦後の活躍度が違うこと、そして入江たか子の全盛期(昭和3年から十年代)を知っている日本人がほぼ絶滅してしまったことが大きいのだろうと思う。
 小さな上映会では、昨年5月にマツダ映画社主催の無声映画鑑賞会で澤登翠さんの活弁で『滝の白糸』(1933年 溝口健二監督)を上映した。『滝の白糸』は、入江たか子の主演作品では、ほぼ原型をとどめて今でも残っている最も古い無声映画である。この映画は、早世した名優岡田時彦との共演作でもあり、監督が溝口健二ということで、あちこちで時々上映されており、DVDも発売されているので、ご覧になった方も多いだろう。


『滝の白糸』入江たか子と岡田時彦

 今年3月17日(土)に、神田駿河台の文化学院で、入江たか子生誕100年を記念して入江若葉さんのトーク・イヴェントがあった。入江たか子・若葉さん母娘はともに文化学院の卒業生であり、2011年はまた同校の創立90周年でもあるため、公開講座の第一回として催されたのだった。私は親しくさせていただいている入江若葉さんからこのイヴェントのチラシをいただき、お声を掛けられていたので喜んで出席した。あいにくの雨模様だったが、たくさんの方が詰めかけた。聞き手は山根貞男さんで、若葉さんが語る母・入江たか子についてのトークを興味深くまた心暖まる思いで拝聴した。


文化学院での入江若葉さんのトーク

 私事になるが、この数年、私は映画監督の内田吐夢と田坂具隆に強い関心を覚え、また二人が在籍していた戦前の日活(日活京都と日活多摩川)のことを勉強したりしているが、この二監督と入江たか子は切っても切れぬ関係なのである。だから当然、入江たか子についても関心があり、資料や映像を集めたりしてきた。が、どうも私はいろいろなことに好奇心を持ち過ぎて、どれも中途半端に終ってしまう傾向があり、最近はとくに反省することが多い。読んだ本も観た映画も数ヶ月経つと内容をほとんど忘れてしまうのだ。また、集めた書籍やコピーやソフトもそのまま打っちゃっておくと置き場所が分らなくなるといった始末である。
 そんなわけで、女優入江たか子について私がこれまで勉強したことや入江若葉さんからお聞きしたことや、これまでに観た彼女の映画やこれから観る映画のことなどを、備忘録のようにこのブログに書き綴っておこうと思った次第である。


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