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千里山ブラウズ

SENRIYAMA BROWSE 千里山の商店街や街並みを散策しながら、素敵な人やお店そして風景と出会えれば‥‥

見守り合える家

2011-05-18 23:55:01 | Weblog

 日曜日の夕方放送されたTBS番組『夢の扉+』で著名な建築家山本理顕さんの仕事、そしてその発想の源となるコンセプトについて放送されました。
 山本理顕さんが内外で数々のコンペを勝ち取っている背景として、独自のコンセプトをようやく時代が求め始めたと紹介されていました。それは従来の家や建築が閉鎖的で孤立したプライベート空間を重視するのに対して、彼の建築がオープンでシースルー、まるで他人に「見られる家」を志向している特異さにあります。実はそこから住民の交流と暖かいコミュニティーが生まれることになるのですが‥‥。
 その独自のコンセプト(価値観)が生まれた切っ掛けは、女手一つで育てて貰った年老いたお母さんを介護した経験から、仕事をしながらでも病床のお母さんを見守れるガラス張りの自宅を設計したことでした。そうした経験に裏打ちされ説得力を持った設計思想は、当時手掛けた公団やマンション群の構想にも大胆に採り入れられていきます。初めはプライバシーが侵害されると言って反対していた住民も、何十年が過ぎた現在では豊かなコミュニティーを築き生活を楽しんでいるようでした。番組は韓国の新たな住空間の提案へと続いていました。
 山本理顕さんと言えば想い出されるのは、僕が昔デザイン専門学校の作家研究の課題で、インテリア・デザイナーの藤江和子さんにインタビューをする目的で代官山のアトリエを訪ねた時に、そのビルの上階に山本理顕設計事務所もあって、まだお若かった山本理顕さんが一度顔を出されたのを憶えています。その頃から既に素晴らしい仕事をされていましたが、現在は一層自らその時代的な使命感も持たれているのではないかと想い尊敬しています。何の世界もセンスはもちろん必要ですが、オリジナルなコンセプトを掴んだ人は改めて強いと想います!