沖縄ではもう梅雨入りということで、千里山でも日曜日は良いお湿りといった感じでした。予定されていた吹田市文化祭でのMMT『星の王子さま』公演が、新型インフルエンザの関西の感染拡大を受けて中止になったこともあり、本を読んだり散歩をしたり一日のんびりとした時間を過ごしました。
散歩の途中、すっかり青葉茂れる季節になった桜の枝を見上げると、赤黒く熟した小さなさくらんぼの粒が付いているのに気が付きました。手に採って食べてみようかとも思いましたが、この粒達が落ちて実生(みしょう)の苗芽を出すのではないかと想像し思い止まりました。少し前にテレビで桜並木の街道を創り上げた佐藤良二さんの一生を紹介したドラマで、夫婦で名木「荘川桜」の実生の苗木を苦労しながら育てるシーンがありましたが、自然に地面に落ちただけでは丈夫な苗木にはならないのかも知れません。実生の桜は芽が出るまで一年程かかるそうです。
そろそろ枇杷の実が熟す季節になります。幼少の頃に食べた枇杷の種を窓から前畑に捨てて置いたら、肥沃な土の中で苗芽が出てきたことを想い出しました。普段は雨の日は少し気分も沈みがちな僕ですが、そうした土の中の生命の営みを想えば何か豊かな気持ちになれるのを感じます。