被害者家族の会見を見て本当にお気の毒で胸の詰まる思いがありますが、今事件では一審では林真須美被告が容疑否認と黙秘を続けたまま、自供もなく膨大な状況証拠を積み上げた検察の言い分を全面的に支持した判決となりました。科学捜査などより精度の高い証拠固めが進歩したことにもよるのでしょうが、裁判の新たな方向性に一つの判例をもたらしたとも言われています。
1ヶ月後には裁判員制度がいよいよ始まりますが、このような状況証拠による「死刑」判決に関わるようなことを、いきなり一般人が下すことにはやはり精神的に抵抗があるように思います。事前に量刑を想定するのは難しい部分もあると思いますが、「死刑」判決の可能性のある事件の裁判はまだ有資格者である裁判官だけでするとか、段階的な導入実施が図られても良かったような気がします。日本はこのような社会制度の変革には異常に慎重な面があるけれども、この裁判員制度については何故か急進的な感が否めません。