今回取り上げるのは、2000年(平成12年)に
ベルコから登場した4号機「海遊記」(A-RTタイプ)。
※RT=リプレイタイム(一定ゲーム間、リプレイ確率アップ。
(当初、「ET」(エキストラタイム)と呼ばれる事もあった。
(ボーナス確率表)
ビッグ中心。バケは全設定共通で引き辛い。
(払い出し表)
・「白7×3」/「親ガニ×3」: 7枚+ Big Bonus
・「カメ×3」: 7枚+ Reg Bonus
・「貝×3」「貝・貝・カメ」: 10枚
・「クラゲ×3」「クラゲ・クラゲ・カメ」: 6枚
・「タコ(チェリー風)」: 3枚
・「子ガニ×3」「子ガニ・子ガニ・子ガニ」: Replay
※タコ(角6枚)とクラゲ(6枚)は同一フラグ。
※JACが揃うと14枚の払い出し(通常よりも1枚少ない)
(ハズシも(実質)効かない為、ビッグ平均獲得枚数は350枚弱)
ほんのちょっと前に打っていたような気がするが、もう
16年以上経っているとは…時の過ぎるのは早いものだ。
因みに、現在の私はパチ・スロ共に「完全引退」の身。
(こういうブログを書く以上、「完全」は言い過ぎか)
参考に、現役末期に通っていた店のラインナップを紹介。
(10年くらい前。一応、スロは5号機時代も打っていた)
アイムジャグラーEX、うる星やつら、三国志、ダンスマン、
ミスターマジックネオ、科学忍者隊ガッチャマン、熊酒場、
パチスロ鉄拳伝タフ、ダイナマイトマン、バトルシーザーXXX、
機動警察パトレイバー、青ドン
など
私の脳内時計は、この時点で停止しているといってもよいだろう。
現在の業界の状況や変化などには、到底ついていけるハズもない。
このブログは、過去に活動していた一人の元ファンが、他愛ない
昔話をしているだけである。あまり多くを期待しないで欲しい。
(引退の理由…一言では表せないが、直接的な理由は、コメントされた方が
仰る通り、パチ・スロ自体に魅力を感じなくなった事だろうか。その傾向は
パチが2000年過ぎ、スロは4号機末期から出ていたが、初期5号機辺りまで
スロだけを「惰性」で打ち続けていた。それがある時、「一旦ヤメてみたら
どうなるか」と、試しに一時休養する気になって実行したところ、不思議と
ホールに戻る気は二度と起こらず、自然と引退する格好になった。その間、
大切な資金を投じるべき対象が、他にシフトしたのも大きかった。さらに、
学生時分から15年以上付き合ってきた事に、「いい加減、潮時じゃないの」
と、家族友人から五月蠅く言われたのも、影響したかもしれない。そうは
いっても、「コレ」といった決定的な理由があるとはいえず、己の感覚で
ヤメたくなった、と表現する他ない。ただ、結果的には、自分の中でいい
タイミングで足を洗ったので、過去の淡い思い出を、かかる懐古ブログで
吐き出す事ができる。異論はあろうが、今言えるのは、こんなところか。
これ以上の詳細は、当方のプライベートにも拘るので、ご勘弁願いたい。)
まぁ、それはともかく、機種紹介に戻ろう。
本機の主人公は「カニ(蟹)」。機種名からお判りの通り、
海、なかんずく「海洋生物」をモチーフにした台であるが、
その中心的な存在が、真っ赤な「カニの親子」であった。
実は、「ベルコ」と「カニ」は、切っても切れない仲。
(蟹=ハサミだけに…)
同社が1997年に業界初参入を果たした、記念すべき
4号機第一弾が、「さるかに合戦」という台であった。
さらに、その後続機として「さるかに合戦2」も同年
リリースされている。どちらも文字通り、日本昔話の
「さるかに合戦」が題材のオーソドックスなAタイプ。
図柄やパネルデザインとして、愛嬌たっぷりなカニ達が
所狭しと活躍した。
その「カニの系譜」を3年ぶりに復活させたのが、他ならぬ
本機であった。上記2機種のように、さるかに合戦がテーマ
ではないものの、ビッグ図柄が「親ガニ」で、リプレイが
可愛い「子ガニ」絡みである。さらに、上記のカニ図柄が
「親・子・子」という並びで揃うと(2通りあるリプレイの
うち1つ)、BRの期待が高まる演出「ファミリーチャンス」
(後続)へと発展。
なお、ベルコの「カニ」繋がりの流れは、本機以降も継続。
2002年の「サルカニ」(カニボーナス、サルボーナスの
ATボーナス機、BR非搭載)、2004年の「さるかに711」
(イージーマックスで容易に711枚獲得可。液晶小画面も
搭載。相模大野駅前の「シティ」で、チョイチョイ触って
いた)など、再び「さるかに合戦」モノへと回帰している。
さらに、5号機時代もカニ絡みの機種は幾つか出ていて、
数年前には、本機と同一名称のリメイク版まで出ているが、
全くもって詳しくないので、ここは触れないでおく。
また、本機はベルコお得意の「デジタル演出」も健在だった。
同社のデジタル演出というと、2000年代前半に荒波AT機と
渡り合った方々ならば、一撃万枚も射程圏内だった爆裂モノ
「スーパービンゴ」が、真っ先に思い浮かぶかもしれない。
(私もよく打った。30φもあり、ソチラは二子玉川G店で
頻繁に実戦。隣のシオラーが不調の時、一発逆転を狙って…)
ベルコのデジタル演出は、1998年登場の「ダブルアップ」まで
さかのぼる。基本、チャンス目停止で始動する2桁デジタルが、
ゾロ目停止でボーナスという、シンプルなゲーム性のAタイプ。
リーチアクションも複数あって、デジパチ感覚で付き合えた。
(新百合ヶ丘Z店では、よく「揉み揉み勝負」をしていたが)
さらに、「ゴールデンベル」(デジタルはないが音と光で告知)や
「レーザー2」(2桁デジタル搭載、ランダム告知)などを経てから、
デジタル表示が3桁に増えた「デジスロセブン」がヒットを飾ると、
ベルコの派手なデジタル演出は「デジスロチャンス」として、広く
打ち手に浸透。「ネオ7L」「ビンゴ」「デカナナ」という具合に、
同社「十八番」の演出として、シリーズ化されていった。本機も、
その流れの中で登場。デジスロチャンスもしっかり搭載していた。
本機においては、リール窓右脇に上下2段の「ツインデジタル」が
待ち構えており、このデジタルが始動してゾロ目で最終停止なら
ボーナスが確定する。
ゲーム性・演出について、もう少しザックリと説明しよう。まず、
レバーON後に「予告音」が発生する事がある。予告無し(通常
スタート音のみ)、泡音(プクプクプク)、波音(ザザザザー)、
カニハサミ音(ガシンガシン)、高音(ピロロン)の5パターンが
存在。ボーナス期待度は、高音>ハサミ>波>泡>無の順で高い。
また、「ストップ音」も、通常音以外に「泡音、ハサミ音、波音」の
SPストップ音があって、SP音発生時は、チャンス演出発展やボーナス
成立の期待が一段と高まった。
主に第三リール停止後に発生するチャンス演出には、上述の
「ファミリーチャンス」と「デジスロチャンス」に加えて、
バックライトが横一列に点灯後、下段⇒中段⇒上段と徐々に
上昇をみせる「ビッグウェーブチャンス」という演出も存在。
以下、これら3つの演出について、簡単な解説を加えたい。
ファミリーチャンスは、「親ガニ・小ガニ・小ガニ」の並びで
リプレイが揃った時に発動(カニの親子=ファミリーという意味)。
演出発生時は、成立ライン上をバックライトがルーレットの如く
動き回って、最終的にいずれかのカニ図柄で停止する。この時に、
左リールの「親ガニ」でランプが最終停止すれば、ボーナス確定
となる訳だ。但し、小ガニで停止でも、ノーチャンスとは限らない。
次にデジスロチャンスだが、第3停止後にリール窓右脇の
3桁デジタルがいきなり始動。無論、ゾロ目で止まれば
ボーナスだ。奇数だとビッグ。偶数ならバケとなる。
但し、最初が偶数でも、次ゲームの再始動時にで奇数
(ビッグ)に昇格するケースがあった。なお、BRが
確定した時点で「ビッグ」或いは「レギュラー」と、
愛らしい音声で成立ボーナスを告知する。
また、ビッグウェーブチャンスは、第3停止後にデジタル外周が
回転すると同時に、バックライトが横並び状態で横一列に点灯。
ライトは下段⇒中段⇒上段と一段づつ上がっていき、最終的に
枠上までライトが到達すればボーナス確定。コチラも、途中で
ライトが一旦止まってハズレと思わせて、再始動で枠上に届く
派手な「逆転パターン」が用意されていた。
因みに、リーチ目に関しては、チャンス演出に期待を持たせる為、
ボーナステンパイや一直線型のリーチ目を引き込みづらい制御に
なっていて、他機種よりもリーチ目が出づらい分、「レア感」が
あった。また、リーチ目降臨時、一確(左「3連親ガニ」など)や
二確(左「クラゲ・貝・クラゲ」から中リールズレ目など)なら、
即座に派手なボーナス確定演出が発生する。また、第三停止時に
リーチ目が完成した場合も、次プレイのレバーオンまでに、必ず
確定演出が起こる仕様となっていた。
さらに、ボーナス確定演出は、ストップボタンやベットボタンの
操作時、レバーオン時、コイン投入時など、ランダムに発生する
事もあって、不意を突かれて驚かされるケースが少なくなかった。
それから技術介入性だが、介入要素のほぼ無い「オヤジ打ち機」。
通常、取りこぼす小役はなく(角チェリーとクラゲは同一フラグ)、
ハズシも配列上は可能だが、変則押しすると、イジワル制御により
メインの10枚役をガンガン取りこぼす。即ち、ハズせばハズすほど
獲得枚数が減ってしまった訳だ。よって、ひたすら適当打ち全開で、
多彩な演出を楽しんでBRを察知する、初心者向けの作りといえた。
さて、ここまで書いた後にようやく触れるが、ビッグ終了後に必ず
突入する「RT」(リプレイタイム)こそが、本機の主たる特徴で
ある(触れるのが遅いな…)。
RTとは、一定ゲーム間、リプレイ確率が大幅に上昇して、コインを
減らさずに遊技が可能。そのRT消化中にボーナスを引けば、実質上
「速攻連チャン」の展開となる訳だ。岡崎産業の「ニュートラッド」
から新たに搭載されたこのRT機能は、「合法的連チャン」を可能に
するものとして、その後も多くの機種に採用されると共に、発展形
であるARTやSTのベースにもなった。さらに、5号機時代の現在も
お馴染みの機能である。本機も、まさにその一つだった訳だが、当時
ニュートラッドがデビューしてさほど経っておらず、RT搭載機もまだ
少なかった為、ファン認知度はあまり高くなかった。ただ、それ故に、
RTによる「疑似連」の魅力とインパクトは、それなりに大きかったと
いえる。
本機のRTは、原則「77ゲーム」固定。RT中はリプレイ確率が1/1.5に
アップする。RT連チャン率は、設定差こそあったが、概ね30%前後と
それなりに高かった。但し、ビッグを引いた時点で、RTは終了する。
一方、バケなら、終了後にRT再開。
当時、私は本機を小田急・読売ランド前駅近くの「スロットランド」
(閉店)という小さなスロ屋でよく打ったのだが、まさに、RT連が
決まりまくって順調に出玉を伸ばし、安ゼニ投資で4000枚越えの
大勝ちを収めた経験がある。あたかも、RT中はリプレイ確率と共に
ビッグ確率までアップしているのでは…と思わせる程、次の当りが
軽かったのだ。また、77GのRTを終えた直後にビッグを引く機会も
多く、全くストレスなく出玉は伸び続けた。あれは、恐らく設定6
ではなかったか…。その後も、3000枚オーバーとなる快勝が幾度か
あったので、総じて相性は良かった(客付きはイマイチだったが)。
なお、スロットランドでは本機の他にも、山佐「カゲツ」の激ムズな
ハズシ手順を鍛えたり、香ばしい(謎)「パタッキー」でサクッと
出したりと、当時は色々と楽しませてもらった(同時に、かなり
勝たせて頂いた)。個人的な感想だが、客付きが正直微妙な割に、
よく出してくれた「隠れた優良店」と思っている。そうそう、近くの
系列店には同時期、ジェイズビクトリー、ツインサーファー、007SP、
サクラといった、これまた香ばしい台が並んでいたっけ…(懐)。
(ベルコ「海遊記」の項、了)