前回記事では、大一の一発台「キャンプ」との絡みで、ナムコの某・アーケードゲームに触れた。その勢いなのか、当時ハマっていた別のゲームまで思い出してしまった。
それが、1985年のビデオゲーム「草野球」(タイトー)である。
まぁ、知っている人は、かなり少ないだろうな…。
内容的には、ごく普通の対戦型野球ゲーム。12球団の中からチームを一つ選び、CPUと対戦し勝ち抜いていく。
「草野球」といいながら、モチーフはプロ野球のチームだった。ただ、これが草野球たる所以は、ちゃんと存在した訳だが…。
実は、このゲームには強力な「攻略法」があり、ワンコインで延々と勝ち続ける事も出来た。
私がコイツと遊んでいたゲーセンは、実は地元のパチンコ店の敷地内にあった。
ただ、当時はパチと無縁の人間だった為、そのパチ屋にどういった台が置いてあったかは、全く知らない。
で、「草野球」の攻略法である。
まずは、ランナーを出す事が必要だが(これが最大の難関かもしれない)、一人でも走者が出れば、大量得点のチャンスだ。
実はこのゲーム、走塁時にランナーが塁間で挟まれても、CPUに「挟殺」テクニックがない。この辺が、「草野球」たる理由の一つでもある。
その欠点を利用して、わざと塁間でランナーが挟まれる格好に持ち込めばOKだ。
CPUは、走者が進もうとする塁にボールを投げる。ただ、走者が塁間でうまく反転すれば、決してアウトになる事はない。
それどころか、反転タイミングがピッタリ合えば、次の塁に進むことが出来た。野手の送球スピードが、メチャメチャ遅かったのだ。
この方法でランナーを次々に進塁させれば、必ず一点は入る。
ただ、これだと、さすがに「大量得点」とまではいかない。
半永久的にプレイするには、毎試合「コールド勝ち」(5回で10点差or7回で7点差を付ける)が望ましい。
そこで、ランナーを二塁に置いてからの「ハメ技」が必要となる。
まずは、ランナー二塁の状態にして、次のバッターには内野ゴロを打たせる。
打者のカーソルを巧く調整しながら打てば、ゴロを打たせることは容易である。
すると、守備側のCPUは、なぜか一塁に送球せず、二塁ランナーを殺そうとして三塁に球を投げるのだ。
こうなればしめたもので、コチラは二塁ランナーを塁間でウロチョロさせ、行ったり来たりで三塁を陥れる。
そうやって一、三塁の状態にしてから、今度は一塁ランナーをスタートさせる。
CPUは二塁に球を投げるので、その隙に三塁ランナーがスタートする。CPUは本塁に送球するが、行ったり来たりの走塁テクニックで、最後はホームを陥れる事が出来る。
これで一点が入り、ランナーも二塁に残る。後は、次の打者にもゴロを打たせ、同じパターンで点を取り続ければ良い。
ハッキリ言って、何点でも取れるテクニックだが、先に進むために、15点くらい取った所で、わざとスリーアウトにする。
後は、5回裏までにCPUと10点差を付ければ、コールドゲーム成立で次に進める訳だ。
CPUのバッティング能力は高く、コチラの投手スタミナも減りまくりの為、普通に投げているとガンガン点を取られてしまう。
ただ、CPUにはバッターの「泣き所」があって、カーソルをそこに合わせて投球すれば、10点差で抑える事は十分可能だ。
コールドゲームが成立すると、グラウンドに突然雨が降り出す画面に切り替わる。あれも、安っぽいながら、妙に味があったな…。
で、試合に勝ち進むと、途中で「ホームラン競争」というボーナス・ステージが現れる。ホームランを量産するとスコアの大幅アップに繋がるが、ここでもバッティングカーソルの合わせ方次第で、ホームランをパカパカ打つ事が出来た。
その後は、CPU対戦数試合&ホームラン競争というループが、エンドレスで続く。
これらの技を覚えてからは、50円玉一枚で、ゲーセンで半日くらい粘る事が出来た。まぁ、ハッキリ言って途中で飽きるので、適当な所で切り上げてはいたが…。
で、この「草野球」攻略法を、学校では私以外に同級生の「K」が知っていた。二人で互いの「研究結果」を発表し合い、「完全攻略法」をノートにまとめたりした。そうそう、対戦時の妙なBGMを、二人で口ずさんでは笑いあったな…。
結局、私がほぼ独占していた地元の「草野球」は、売り上げが全然良くなかったのだろう、いつの間にか別の台に入れ替えられた。
という訳で、今回は全くパチンコ・パチスロと関係ない話に終始してしまったが、最後に一枚の画像を載せておきたい。
私がゲーセンで「草野球」攻略を完成させたしばらく後に、パチ屋ではこの機種がプロたちに「攻略」されていたという。
三洋「ニューパニック」(1987年)
大当り確率1/236.25のオマケチャッカーデジパチ。平均出玉は2000個。
「体感器」という名を全国区にしたのは、この台ではないだろうか。
いわゆる「ゾロ目狙い」で、大当り確率を格段にアップさせる事が出来た。ただ、粗悪な体感器の電気刺激で、文字通り皮膚に「ヤケド」を負ったプロも多かったとか…。