今月の標語は「下をむいてもいい 自分の影をみれば いつも照らして 見てくれる大事なものに気づくでしょう」です。
とかく前に進む、前を向こうと声をかけがち。
足元をすくわれるというたとえもある通り前を見るだけでなく足元を確認することも大切なこと。
足元がしっかりしているからこそ前に進むこともできる。
自分を支えてくれているものがなんなのか、それを確かめること、そのありがたさを知ることもよりよく生きるための助けになることでしょう。
メーテルリンクの青い鳥ではないけれど大切なものは気づいていないだけですぐ近くにあるということもありますからね。
『それ、仏法遥かに非ず。心中にして即ち近し。真如は外に非ず、身を捨てて何処か求めん。迷悟我にあり。則ち発心すれば、即ち到る。明暗他に非ず。則ち信修すれば、忽ちに証す。』
簡単に訳すと、『仏様の教えは、遥か遠くにあるのではなく、私たちの心の中にあって、とても近い。悟りというものは外に求めても無い。外に無いものを無闇に求めてどうする?
迷いも悟りも私たちの中。目覚めようと思えば、何時だって目覚められる。真実を知ろうと行動すれば、たちどころに真実が明らかになる。』
私達の普段の生活の中、凡ゆる事象の中にも、仏の教えがあるという事を弘法大師はここで教えているのだと私は思っています。
何気無い日常や出来事からどれだけ仏様の言葉を感じ取れるか。
悟りとは、則ち『気付き』なのだと私は思っています。
おっしゃる通り「気付き」ということなのでしょう。
ふとしたころから偶然気づくということもまれにあるでしょうが、日ごろから感性を磨いていくということも大切なことだと思います。