伝統文化★資料室

東京成徳大学・日本伝統文化学科の学生と教員が「伝統文化資料室」から、情報発信します!

俵美術館見学

2012-09-15 11:43:30 | 学生ブログ

卒論の調査のため、兵庫県芦屋市にある俵美術館にお邪魔してきました!
この美術館に収蔵されているのは『矢立』という昔の道具で、簡単にいうと筆と墨壺が一緒になった、携帯用の筆記具です。
松尾芭蕉をはじめ、紀行文を執筆する文人や、各地を飛び回る商人にとっては必要不可欠な道具だったんですね~(^_^)
なんと鎌倉時代から戦場で使われていたそうです!

ただし、矢立はただ文字を書くだけの道具という訳ではなく…。

ファッションの一部や、便利グッズとしての側面が強い道具でもあるのです!

螺鈿や金で装飾されていたり、動物や道具の形を模していたり…。当時手に入れる事の難しかった拳銃型の矢立などもありました!(実際にバネが仕込まれていて、弾が跳ばせるらしいです。男の浪漫ですね(*´∀`)

また、キリシタンの方が使用していたらしい箱型の矢立。蓋側が鏡になっていて、その裏に外国のコインをこっそりしまっていたそうです。
そして筆と墨壺が入って、付属の印籠には薬が入っていたので、身だしなみ、お祈り、筆記、治療と、矢立一つで四つの事が済ませられる便利グッズだったのです!

ちなみに筆は、釣竿のように使う時は伸ばして、しまう時は縮められる仕組みになっています。そういえば最近そんなボールペンを見た記憶がありますが…。今も昔も日本人の発想には通じるところがあるのでしょうか(゜ロ゜)

他にも面白い矢立がたくさんあり、見ているだけでワクワクするものばかりでした!美術館の方にも非常に良くしていただき、矢立についての資料や文献も教えて頂きました。

今回見学して、矢立について更に興味が湧いたので、卒論執筆も頑張りたいです\(^o^)/

杉岡


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