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50dBカップラ

2007-10-02 23:48:05 | ラジオ(その他)


50dB_coupler



先週、送信機の出力をモニターするための50dBカップラを作りました。これまで送信音のモニターには、以前にも書いたようにアンテナ切り替え器を使って簡易的に行っていましたが、モニターのレベルを自由に変化させる目的で、以前からカップラの必要性を感じていました。念のために書きますと、ここで言うカップラの目的は、何らかの方法で通過する電力の一部を取り出すことにあります。
色々やり方はあるはずで、「トロイダルコア活用百科」で「20dBカップラ」として紹介されている、カレントトランスを使ったものを当初検討していましたが、今回は数年前に測定器掲示板でJA3XGS氏が紹介されていた抵抗分割による50dBカップラを作ってみました。


50dB_coupler



8.1kΩ(2.7kΩ,1/4Wx3直列)と50Ω(100Ω,1/2Wx2並列)で分圧するもので、50Ωの抵抗のところから信号を取り出して入力インピーダンス50Ωの測定器(あるいは受信機)で受けると考えると結局8.1kΩと25Ωで分圧した電圧が検出されることになります。(8100+25)/25 = 325でほぼ50dBというわけです。ちなみに測定対象にしている電力は50~100Wです。回路自体は単純ですが、フラットな周波数特性を得ようとするとそれなりに部品配置などを考えないといけないはずですが、主にHFのそれもローバンドが対象ですからいい加減なやり方でえいやっと作りました。ケースに穴を開けるのも面倒で、ときどきハムフェアで仕入れておくBNCコネクタつきのケース(残念ながら今年は見つけられませんでした)の中に組み込みました。側面についているSMAコネクタは今回は使用していません。また実際に使用するときには電力が通過するケーブルの途中にT字型の分岐コネクタを入れ、その一端にこのカップラを接続することになります。
夜中に思い立って配線し、3.5MHz/7MHzで簡単に測定したところ、ほぼ-50dBが検出できました。
と、ここまでは良かったのですが、実際に送信機とモニター用の受信機(SDR)を接続して波形を見ようとするとどうも余計なものが混入するようで綺麗な波形を見ることができません。そのためにそれから数日夜中まで試行錯誤の日が続きました。実はまだ解決していないのですが、なんだか疲れてしまったのでちょっと一休みして頭を冷やしつつブログを久々に更新しているわけです。
主に電源周波数の高調波でモジられたようなスペクトルがどうしても消えてくれないんですよね。ふう。
そもそもなんでこんなことをやっているかという話などを次のエントリで書きたいと思っています。
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2 コメント

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50dBカップラ (石田)
2007-10-03 22:59:12
今晩は。
同じような経験をした事があります。
抵抗分割AATNは私の場合1MHzを超えると中々思うように働いてくれませんでした。
色々試した結果測定器用に高い減衰量とアイソレーションを得るためにCMカップラを直列に接続する方法を試し大変良い結果が得れましたので10年来使っています。
巻き数40:1と20:1のカップラをタンデムに接続し万一開放になるのを防ぐ目的で20dBのATTNを入れましたが減衰量が-71.3dBと殆ど設計値と同じになりました。
カップラ間のアイソレーションが簡単に取れますので参考になればとコメントさせて頂きました。
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CMカップラ (JI3GAB)
2007-10-06 01:05:29
石田さん、こんばんは。具体的な情報ありがとうございます。そのタイプのものをとりあえず一つ作ってみようかと考えています。タンデムはともかく、20:1くらいのと固定のATTの組み合わせでやってみます。
ただ、なぜ抵抗分割だと駄目なのかも気になります。接続する受信機によっては問題ないように見えるときもあって良くわからない状態です。
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