CDを聴く 『ヘンリー・マンシーニ・センテニアル』

ヘンリー・マンシーニ(1924～1994)はイタリア系アメリカ人で映画音楽の作曲家として有名だった。CDタイトルの「センテニアル」は「百周年」のことで、マンシーニ生誕百周年記念のCD盤。今年は没後30年の年でもある。作風はジョン・ウィリアムスと違って軽妙洒脱、軽いジャズやラテン風にして明るい地中海の光を感じさせる曲が多く、女優オードリー・ヘプバーン出演の映画音楽の多くを手がけた。このCD盤では〈ムーン・リヴァー〉や〈シャレード〉の曲が聴ける。最初の曲〈オハイオ・リヴァー・ボート〉で聴くフィドル(ヴァイオリンのこと)の速いテンポの演奏は楽しい。農民たちの楽しげな踊りが想像できる。オハイオ州クリーヴランドはマンシーニの生まれた土地。かつてアメリカはアイルランドからの移民が多かった。カントリー・ミュージックは、遡ればアイリッシュ・ミュージック（ケルト音楽）に行きつくという。マンシーニが「最も好きな自作曲は〈いつも2人で〉」と語っていたそうだが、この曲も入っている。最後は〈華麗なる飛行機野郎のマーチ〉で終わる。マラガはスペインの地中海に面した都市。曲目の半数はジャズ・ピアニストで作曲家のホセ・カーラが編曲したもので、録音ではピアノ演奏を披露している。IBSレーベル。

ナクソス　'23/10録音　'"24/8発売　19曲　68:58　2,371円　（輸入盤　国内通販）
　　　　　ホセ・マリア・モレーノ・バリエンテ（指揮）
　　　　　マラガ・フィルハーモニー管弦楽団（スペイン）