30万年前、太古種族は何らかの理由でテラ(ソロマニ・リム宙域 1827)原産の「人類(Humaniti)」の祖先を運び去り、少なくとも90の世界に拡散させました。移住先で絶滅したものも少なくはないですが、40以上の世界でそれぞれ人類は生き残り、独自の進化と発展を遂げました。太古種族の遺伝子操作を受けたもの、そうでないもの、また後に人類自身の手で遺伝子操作を受けたもの等々、今では人類は多様性に富んだ種族となりました。
以下に挙げたものは、そんな数々の人類をまとめたものです。
◎:マーク・ミラーが「公式」と認めたとされるリストに載っている32種族
○:それ以外で出版物等公的な資料に掲載されている種族
△:公的資料には存在だけが記され、非公式設定で詳細が補われた種族
【主要人類】 Major human races
自力でジャンプドライブを開発した人類はヴィラニ人、ゾダーン人、ソロマニ人の3種。(異論はあるものの)そのような種族は『主要種族』と分類される。
ヴィラニ人 Vilani ◎
母星:ヴランド(ヴランド宙域 1717)
人類に限らず、現存する知的種族の中では最も早くジャンプ航法を開発し、巨大な「星々の大帝国(ジル・シルカ/第一帝国)」を打ち立てた。外見はソロマニ人と大差はないが(ただし主星の影響で日に焼けている)、特有の長寿遺伝子を持ち、純血のヴィラニ人であれば平均寿命は130年に及ぶ(150年以上生きるのも珍しくはない)。ヴランドの動植物はヴィラニ人には消化が難しかったため、磨り潰しを基本とする独特の食文化を持つ。
ゾダーン人 Zhodani ◎
母星:ゾダント(ゾダント宙域 2719)
長身(2m)で浅黒い肌を持ち、歯の本数が28本とソロマニ人やヴィラニ人よりも少ない。決して排他的ではないが、肌の色が似た種族ほど彼らに受け入れられやすい傾向はある。約6500年前にジャンプドライブを開発して広大な恒星間国家を築いた彼らは、超能力を基盤とした身分社会を構成している。そのため領土問題も含めて第三帝国とは敵対関係にあり、数度の辺境戦争を戦った。
ソロマニ人 Solomani ◎
母星:テラ(ソロマニ・リム宙域 1827)
ヴィラニ人との接触直前にジャンプドライブを開発し、その後の恒星間戦争に勝利して「人類の支配(第二帝国)」を建国した。その時代に宇宙各地に広まった彼らの文化や風習は、暗黒時代を経て第三帝国の時代となった今でも生活の隅々に影響を与えている。
ちなみに、今や「純血のヴィラニ人」は名門貴族家ぐらいにしか見られないが、「純血のソロマニ人」はソル領域やソロマニ連合内に多く在住する。また、スピンワード・マーチ宙域のソード・ワールズ人やガルー人はソロマニ人の血を強く残す「民族」である。
「帝国人」 (Imperials) ◯
第一帝国の成立から1万年が過ぎ、ヴィラニ人を始めとする人類はソロマニ人やその他の人類と混血を繰り返し、今や特定の人種とは言えなくなっている。帝国市民の中にはそういった自らの種族を「帝国人(ホモ・サピエンス・インペリアリス)」だとする者もいるが、あくまで俗称に過ぎない。
【群小人類】 Minor human races
宇宙各地で独自に進化、もしくは太古種族による遺伝子改良が施された人類のうち、自力でジャンプドライブを開発できなかったもの。彼らの多くは母星のみ、もしくはその周辺星系でしか見ることはできない(が、宇宙各地に広まった種族も存在する)。
なお、現存が確認された群小人類は46種であり、そのうち30種以上はヴィラニ帝国と接触を果たしている(※しかし、公式設定や位置関係的に明らかにヴィラニ人と接触していない種族が既に13種以上あり、この設定の説得力は揺らいでいる)。
アザンティ人 Azhanti ◎
母星:イラレ(アンタレス宙域 2315)
高温環境で生き残るために進化して、痩せ型の反面頭蓋は大きく、無毛となった。大気中の硫黄分を濾過する気管を持った影響で女性でも声は低い。老化速度は遅くも寿命は短いが(70年前後)、「神の与えた試練から逃げる」として寿命延長措置は拒む。一方で好奇心は旺盛で挑戦心に富み、恒星間社会に積極的に飛び込んでいる。
アットーン人 Attorn ○
母星:ジェプトーレム(シータ・ボレアリス宙域 1517)
一般的な人類よりも毛深く、著しく青みがかった肌をしている。
アナクンドゥ人 Anakundu ○
母星:ワロー(ヴィラニ名:ヌイヤ)(オールド・エクスパンス宙域 0512)
主星の強烈な輝きと雪原からの反射によって、成人で2~4時間程度の睡眠時間で生活するようになった種族。ただし睡眠が必要ないわけではなく、不眠の影響と思われる精神疾患などで彼らの寿命は(ヴィラニ人との接触以前は)約50年であった。寿命を延ばす「魔法の」薬をもたらしたヴィラニ人に感謝し、恒星間戦争ではヴィラニ軍の夜襲部隊や工作員として地球人を苦しめた。
(※T5設定には盛り込まれなかったため、ヌイヤ星系がどこかは今のところ不明)
アヤンシュイ人 Ayansh'i ○
母星:ゴースト(リーヴァーズ・ディープ宙域 3115)
痩せ型で暗視能力を持ち、ヴィラニ人以上に長寿(250年)の種族。最も特徴的なのは、双子出産が通常である点。彼らの芸術は帝国内で高く評価されているが言語は秘匿されており、外世界人との会話のために外世界の言語を非常によく学んでいる。
アンスウェリン人 Answerin ◎
母星:アンスウェリン(ヴランド宙域 0431)
外見はソロマニ人やヴィラニ人と大差はないが(連星の光の影響で肌が黒くて目蓋が進化している程度)、「恐怖」を精神病と捉えて克服した種族。また体内物質の分泌により、1分間肉体を強化することができる。その結果、第一帝国の時代から優秀な海兵隊員として重用されている。彼らは元々寿命が短く(70年程度)、母星では動物を狩る側に回れなかったので菜食文化を発展させた。
イッスグル人 Issugur ◎
母星:パーシニア(フォーイーブン宙域 3018)
パーシニアの広大な台地に農業集落を築き、主星と雲海を崇める原始的な種族。台地は元々居住に向いておらず、栄養事情などにより人口は数十万人程度。他文明からの「汚染」を防ぐために、現地政府によって彼らの居住地域への立ち入りは(宇宙船での接近も含めて)制限が設けられている。
(※資料ではパーシニアの位置は「最寄りのゾダーン拠点から6週間かかる」とあり、確かにフォーイーブン宙域の座標3018はその条件をジャンプ-2なら満たす。ただしフォーイーブン宙域自体にそもそも公式設定はないので、3018は一例に過ぎない。いずれにせよ、この宙域以外にパーシニア星系は存在しそうにない)
イラドレ人 Irhadre ◎
母星:チャナド(リシュン宙域 0935)
砂漠環境で水分を確保するために、見た目によらず体脂肪率は高い。また、砂嵐の中では視覚・聴覚が役に立たないため、代わりに触覚・嗅覚を発達させた。やや好戦的な種族ではあるが、通常は言葉による喧嘩で収める。痛みや苦しみを表に出すのは弱いことと考え、病人や負傷者を気にかけることはない。また、成人の儀式によって自由民となるか奴隷となるかが決まる文化を持ち、成人人口の半数が奴隷である。
イルサラ人 Iltharan ○
母星:ドレシルサー(リーヴァーズ・ディープ宙域 1826)
海洋世界の数少ない土地を巡って争いを続けたため、軍国主義と略奪を好む種族となった。長寿かつ老化が遅く、社会は非常に保守的。不妊傾向も特徴として挙げられる。暗黒時代には宙域内に小帝国を築くが、崩壊後の現在は周辺国の警戒下に置かれている。
イルリア人 Ilurian ○
(※ライトニング級巡洋艦の中でも「ハイ・ライトニング」の名を冠する9隻の艦には、接頭語として群小人類の種族名を付ける命名法則があり、第6366号艦にこの名前がある)
イレアン人 Yileans ◎
母星:ガシカン(ガシカン宙域 2732)
群小人類の中では最も巨大な、約400星系を傘下に持つ恒星間国家「ガシカン第三帝政(Third Empire of Gashikan)」を治める種族(※ガシカン帝政自体は-1784年から続くが、第三帝政は1078年樹立)。母星ガシカン星系の環境の影響で身長1.8mの割に体重が50kg程度、暗青色の肌を持つ。歴史的経緯によりヴァルグルを激しく憎んでいる。
ヴラズドゥメクタ人 Vlazhdumecta ◎
母星:ファー・フロンティア宙域のおそらくゾダーン領内
ファー・フロンティア宙域における人類の多くは、約6000年前にゾダーン人と接触して宙域中に拡散した彼らの子孫である(混血は進んだが)。身長は男女とも1.9m程度だが、女性の方が若干軽量。体毛は髪を含めてほとんど無い。老化速度が遅い代わりに寿命を迎える直前に急速に老化するのが特徴。また、人類にしては珍しく発情期が存在する。
ウルニシュ人 Urunishani ◎
母星:ガシャギ(ヴィラニ名:ウルニシュ)(アンタレス宙域 0727)
種族としての詳細は不明。彼らの住むウルニシュ星系は、『ソロマニ仮説』以前は人類全体の故郷の最有力候補と考えられていた。
(※T5設定でオッグェンガン(アンタレス宙域 0124)から変更された模様。ただしオッグェンガンもウルニシュ人人口が9割と設定されている)
カーゴル人 Kargol ○
母星:カーゴル(レオニダエ宙域 1205)
テラのネアンデルタール人の子孫である彼らは、薄暗い赤色恒星の光に適応して赤外線を視る大きな目と、母星で快適に過ごすための遺伝子工学技術を発達させた。毛深いので寒さに耐性がある反面、暑さには弱い。惑星カーゴルの生命体は昼夜問わず活動するので、彼らもそれに合わせてまとまった睡眠を取らずに細かく居眠りをする。
カッグシュス人 Kaggushus ◎
母星:カッグシュス(マッシリア宙域 0402)
(※現地の硫黄大気に適応しているらしいが詳細は不明。『Traveller: The New Era』にてカッグシュス星系が解説されたが、彼らについては記載がなかった)
カッシルダ人 Cassildan (Cassilldan) ○
母星:アムベムシャン(アンタレス宙域 0216)
低重力環境に適応したため、ソロマニ人より長身(平均2.1m)の種族。第二帝国期に地球人と接触し、605年にはテラのレバノン海岸に面したティルス地方に入植を行った(現在のニュー・カッシルダ市)。男女問わず「スカスラ(Scathra)」と呼ばれる武術に通じ、彼らの文化の一部となっている。
(※『Solomani & Aslan』に挿絵のみが掲載されたのが初出。後に『Traveller Chronicle』誌11号にて言及があり、『Traveller5 Core Rulebook』において母星の設定が付加された)
カファド人 Cafadans (Cafadi) ◎
母星:カファド(コリドー宙域 3135)
惑星カファドの寒冷気候から生き延びるために彼らは地下洞窟生活を営み、その結果小柄な身長と厚い脂肪層、そして高度な暗視能力を得た(さらに開所恐怖症も)。頭上の氷層を「天獄」と捉えた彼らは技術の進歩に背を向けたが、洞窟絵画から発展させた独自の芸術によって知られるようになった。
ククン人(ランシア人) Kukhunen (Lancians) ◎
母星:ククン(グシェメグ宙域 2207)
ソロマニ人よりは長身(1.9m)でやや痩せている。ククンの動物の肉は彼らには消化できなかったので菜食主義者となった。後に「ランシア文化圏(Lancian cultural region)」を築くほどに芸術的な創造性に長けて平和主義である一方で、内には暴力性を秘めた種族。
クラエダの民 Ne Kraeda ren Kelva
母星:「スピンワード・マーチ宙域国境から2宙域離れた」バエラ星系
身長2.15m、体重98kgと大柄。複数世界に広がっているらしいが詳細は不明
(※現在はティルデー(ファー・フロンティア宙域 2218)を母星とする(FASA版設定の隙間にねじ込まれた)非公式設定が起こされている)
ゲーナン人 Ghenani ○
母星:ドレナルク (ヴァンガード・リーチ宙域 0822)
太古種族に改造された惑星に持ち込まれた人類。高重力と高密度大気に適応し、強風に耐えられるよう短足で筋肉質の肉体を得た。色白で頭髪すらなく、温暖気候故かのんびりとしていて、最低限以上の衣服を身に着ける文化も持たなかった。
現在彼らはゾダーン人と友好関係にあるが、神話に刻まれた歴史的経緯から超能力には嫌悪感がある(※-3000年頃に不時着したゾダーン人らしき者が超能力でゲーナン人を支配しようとして失敗したらしい)。彼らの悲願は宇宙進出だが、あくまで自力でジャンプドライブを開発しないと意味がない(つまり「主要種族」になりたい)と考えている。
ケデプ人 Kedepu
母星:ケデパー(スターズ・エンド宙域 1005)
外見は少々小柄なぐらいで特徴はないが、人類の中でも特異と言える学習欲を持つ。彼らにとっては知識を得て、それを他者と交換して更に知識を得ることこそが人生の全てなのだ。
ジュリアン保護領加盟国の一つと接触した彼らは、そこから新技術を仕入れては研究を行い、その結果を納めるという傍から見ると奇妙な共生関係を築いている。
サアンシャカセの遊牧民 Saanshakase nomads ○
母星:サアンシャカセ(レイ宙域 2036)
サアンシャカセにはTL3の排外的な遊牧民族が住んでいて、彼らの聖職者階級は超能力を有している(よって超能力弾圧下の824年以降はこの星は進入禁止となった)。太古種族によって持ち込まれ、口伝によれば少なくとも5万年前に文明を築いた彼らだが、種としてはホモ・サピエンスよりも古いものから分化していることが研究で明らかになっている。
サーゲシュ人 Thaggeshi ◎
母星:サーゲシュ(ヴランド宙域 2530)
ソロマニ人ほどではないにしろ、群小人類には珍しく肉体や外見に多様性のある種族。-9100年頃に原始サーゲシュ人はヴィラニ人と接触し、その後はヴィラニ帝国と一体となった。祖霊や自然を崇拝し、特に胎児は神と交信しているという考えを今でも持っている。
ジアッド人 Ziadd ◎
母星:ゼダ(ダグダシャアグ宙域 0721)
テラのネアンデルタール人を太古種族が大幅に遺伝子改良した種族。男女ともソロマニ人より大柄で、ゼダの高重力と汚染大気に対応した骨格と器官を備えている。攻撃的傾向が強く、個人や集団の名誉を重んじる性格。社会身分は強さに比例する。
ジェオニー人 Geonee ◎
母星:シウォニー(マッシリア宙域 1430)
高重力環境に適応し、小柄でずんぐりとした筋肉質な種族。ヴィラニ人と接触する前からジャンプドライブを用いていたが、後に太古種族の宇宙船から解析されたものと判明した。一方で彼らは、自分たちこそが太古種族の直系子孫と考えており、発掘ジャンプドライブも「先祖が開発したもの」として群小種族に(どころか人類に)分類されることを認めていない。ちなみに「Geonee」とは彼らの言葉で「古き者たち(old ones)」を意味する。
ジェオニー人の商人は現在、帝国中のどこでも見受けられる。ジェオニー社会で女性は「命ある資産」と考えられており、常に男性の「保護下」に置かれて社会進出は許されず、いまだに誘拐婚の風習もある(※ただしこれは第一帝国期のヴィラニ人はやめさせていたらしい)。
シダイト人 Sydite ○
母星:クウル(現地名:ソパター)(レイ宙域 3026)
肉体労働のために太古種族によって遺伝子改良されて4本腕となった(と考えられている)かなり大柄な種族(身長2~2.5m、体重130kg)。優秀な整備士や兵士となる素質を持つが想像力は乏しいので、慎重な作戦よりも単純な力押しを好む。帝国社会では「醜く不器用な野蛮人」扱いされることが多く、そのことに憤慨している。
(※母星に別名があるのは、Judges Guild版レイ宙域の「シディミク人」の設定が取り込まれたため)
シレア人 Syleans ◎
母星:キャピタル(旧名:シレア)(コア宙域 2118)
これと言って大きな特徴はないが、強いて言えば左利きとアルビノの多さが特徴。現在ではシレア本星でも少数種族に過ぎないが、帝国内各地に共同体を築いている。
スーラット人 Suerrat ◎
母星:イレリシュ(イレリシュ宙域 2907)
「類人猿のような」外見をし、イレリシュの赤道に広がる樹林地帯の環境に適応した種族(そのため足で物を掴むことができる)。僅かな光の下でも活動が可能だが、代わりに強い光を苦手とする。樹林とともに生き、動物と意思を通じて飼い慣らすことが非常に得意。彼らはヴィラニ人の到来以前に亜光速宇宙船で周辺星系に広がっていたが、やがて第一帝国に征服された。
(※ちなみに、イレリシュの赤道地帯は「イレリシュの反乱(418年~435年)」が鎮圧された後に見せしめとして焼き払われた)
スワンフェー人 Swanfeh ○
母星:不明
暗黒時代にどこからともなくカールトン(ゲイトウェイ宙域 2720)などに移住してきた群小人類。外見等の詳細は不明。かつては30もの世界を支配したが、技術後退とともに競争に敗れて力を失った。現在、カールトンを中心とした「スワンフェー自由世界(Swanfei Free Worlds)」という国家があるが、人口こそ彼らが多数派なものの、その実態は「近隣の海賊たちが合法的に商売をするための隠れ蓑」に過ぎない。
ダーミン人 Darmine ◎
母星:イシャグ(ザルシャガル宙域 1323)
低酸素環境で生きるために肺や血管が発達し、放射線保護のために黒い皮膚を持つ(ただしそれが遺伝子操作によるものか自然淘汰によるものかは不明)。第一帝国による征服を経て第二帝国期に宙域内に拡大した彼らの文化や言語(カドリ語(Kadli))は、暗黒時代を乗り越えて「ダーミン文化圏(Darmine cultural region)」を築き上げた。
タパーズマル人 Tapazmal ◎
母星:ドライカン(レフト宙域 3134)
(おそらく太古種族による遺伝子操作によって)出生率の低い種族だが、灼熱の地上を避けて高山生活を送る彼らには資源の節約の面で逆に役立った。近隣星域のロースカルス人の襲撃を受けていた彼らは後にヴィラニ人の保護下に入り、ソロマニ人の下で周辺数星系に拡大した。平和を尊ぶ彼らの芸術(特に構造建築)は、帝国内で非常に高く評価されている。
ダリアン(デイリーエン)人 Darrians ◎
母星:ダリアン(デイリーエン)(スピンワード・マーチ宙域 0627)
細身で金色の色素、尖った耳が特徴の種族。禁欲的で異民族・異文化に寛容な哲学を持つ(※その寛容さ故に混血も進み、純血のダリアン人は現在2割強)。好奇心が強くて学問を重んじたため、一部の科学技術では帝国を凌駕するほどである。
ディンチア人 Dynchia ◎
母星:メラントリス(レオニダエ宙域 0806)
高い身長(2.2m)と細身の体に青白い肌、そして長い手足共に6本指であるのは、太古種族の遺伝子操作によるものと考えられている。心理面でも操作があったようで、彼らは性差別を考えることができず、絶対的な男女平等社会を築いている。同族同士の戦争は行わないが、決闘によって一族や個人の名誉を守ろうとする。ちなみに彼らの製造するレーザー銃は既知宙域で最高水準の品質である。
ハッピルーヴァ人 Happirvha ◎
母星:レジャップール(リーヴァーズ・ディープ宙域 1218)
乾燥世界に移住させられた彼らは絶え間ない争いの教訓から、科学技術の発展を避けて今もTL3の文明を維持している。農耕民族のハップラーニ族と、遊牧民族のハッピジョム族に分かれて生活しているが、太古種族による最終戦争の記憶から両者ともに「空の凶神」を恐れている。
ハネン人 Hanen ○
母星:シャカマシュ (グシェメグ宙域 2716)
見掛けは一般的な人類と大差はないが、水中で体温を保つために皮膚は厚く、皮下脂肪も多い。また体毛がある者は少数派である。水辺や水中を好む彼らは当然泳ぎが得意で、長時間息を止められる。
ハルカ人 Halkans ◎
母星:ハルカ(トロージャン・リーチ宙域 0510)
アルビノのように見えるが、実際には暗い恒星光に適応したもの。211年(※-50年説もあり)のフローリア人との接触後に彼らの農奴となるも、900年代に解放がなされる(が、貧困はそのままなので市民権のある小作人になっただけであった)。
フィオリ人 Fiorin (Fiorani) ◎
(※ライトニング級巡洋艦の第6350号艦にこの名前がある)
フローリア人 Floriani ◎
母星:フローリア(トロージャン・リーチ宙域 0213)
太古種族による遺伝子操作により、頭脳に特化したバーナイと肉体に特化したフェスカルの2支族に分化した。頑強なフェスカルは一見バーナイに従属しているように見えるが、両者は不可分の共依存の関係にある。一方バーナイは保守的で創造性に欠けるが、他文明技術の模倣にかけては一流の腕を持つ。
マルニャー人 Mal'Gnar ○
母星:マルニャー・エル(ビヨンド宙域 2803)
元々寒冷気候に適していたネアンデルタール人を改造し、より低重力環境に適合させた種族。身長は男女とも2mに達し、一般的な人類と比べて手足が長いのが特徴。環境適応によってメラニン色素を失ったため、桃色の肌に白い髪、そして皆青い目をしている(が、アルビノの発生はソロマニ人より稀)。
彼らの文明は1万年前に鉄器技術に到達した後、今に至るまで変化していない。狩猟採集を基本とする非常に厳格な身分社会であり、掟破りは良くて追放刑である。村落が各地に散らばっていて、千人規模の町は存在しない。医療技術が原始的なため、平均寿命は50歳未満とされる。
ちなみに猟師や司祭は、羽毛と布で作られた「滑空服」を身に着ける。これは彼らと共に生きるチャーパーの模倣と思われる(※帝国ではこれが誇張され、マルニャーは翼人であるという誤解が広まった)。
(※長らく設定競合により非公式扱いだったが、マングース版で設定が整備された)
ムーリッシ人 Murrissi △
母星:オツァハテァ(フロホーイ宙域 2008)
太古種族は彼らに土木工事をさせたかったのか、分厚い鱗のような皮膚と穴掘りに適した大きな爪を与えた。その特異な外見から「骸骨人(Skeletors)」とも呼ばれる。人類にしては極めて長寿(300年以上)だが、その分時間感覚も数倍長く、数日間連続で働いても平気な反面、待ち合わせにも平気で数日遅れる。その結果、文明の進歩も極めて遅かった。
-740年頃にアスランと接触した彼らは進んで臣従し、今はトローヱァエァウィ氏族(序列4位)で優秀な「女性」として扱われている。
メネサ人 Menetha ◎
母星:デネブ宙域?
(※現時点で公式設定は存在せず、「ククリーに滅ぼされた人類かもしれない種族」とした非公式設定が起こされている)
ラムーラ・テグ人 Lamura Teg ○
母星:シクェク(ヒンター・ワールズ宙域 2907)
同じ星の知的種族ラムーラ・ガヴ(Lamura Gav)とともに、太古種族の遺跡から共同文明を築き上げた種族。生物学的には全く異なる彼らだが、宇宙や自然に敬意を払う共通の哲学を熱心に奉じている。
リバート人 Liberts ◎
母星:ヌリア(ヒンター・ワールズ宙域 0824)
(※T5設定ではリベール(ディアスポラ宙域 1109)のリベール人とヌリアのヌリア人(Nullians)は別種族とされたが、いずれにせよ詳細設定は今のところ存在しない。なお、原典とされる資料には「オールド・エクスパンス宙域の」ヌリアと記載されている)
ルリアニ人 Luriani ○
母星:ダラムー(レイ宙域 0821)
太古種族の大規模な遺伝子操作で水かきや潜水能力(最高1時間・深度500mまで)を得、海洋世界に適応した種族。音楽の分野で評価は高いが、非常に感情的で気まぐれな側面もある。彼らが「悲痛の年(year of woe)」と呼ぶ過去の大量虐殺事件によって、ヴィラニ人を今も恐れ、不信の目で見ている(※ただしこの事件はルリアニ人の口伝によるものであり、第一帝国も意図的に資料を抹消しているので詳細は不明。とはいえ何かしらの蛮行はあったようだ)。
ロンニ人 Ronni ◎
母星:ロンニ(ヴランド宙域 1803)
外見等は不明。ヴィラニ人との接触後もジャンプ技術には興味を持たず、星系内開発を行っただけで満足した平和的な種族。
ハイヴ連邦内の群小人類たち Minor human races in Hive Federation ○
母星:ハイヴ連邦領内スピンワード方面
ハイヴ連邦を構成する170以上の種族のうち、数種族は人類である。彼らは遺伝子的には帝国人と大差はないが、帝国社会とは大きく異なるハイヴ流の習慣や思考様式を受け入れている。
【人類亜種】 Variant human races
太古種族ではなく人類自身によって遺伝子改良などが施された、もしくは環境に適応して姿を変えた人類。
(※T5設定では遺伝子改良人類(Human Chimera)に改められた)
アケロン人 Acheron ○
居住地:ナッパ(ソロマニ名:アケロン)(ディアスポラ宙域 0932)
恒星間戦争の時代に、惑星アケロンの厳しい環境に適応するために遺伝子改良された人類。人類の基準から見れば容姿は醜いが、代わりに屈強な肉体と耐放射線性を得た。彼らは幼少期に限らず死亡率が高いことから迷信深く、運命論者でもある。
(※アケロン星系はGURPS版設定のみにあるため、「第二帝国時代の星系名」だとして設定の摺り合せが行われた。また、帝国皇帝への忠義を強く誓ったことと、とある功績によりライトニング級巡洋艦の第6357号艦に人類亜種ながら名を冠した)
イズィル人 Iziri ○
居住地:イズィル(アストラル・クァドラント宙域 1126)
恒星面爆発によって無線通信が困難なイズィルの環境に合わせ、ソロマニ連合遺伝子省が設計した入植者。発声と聴力は超音波の範囲に達し、数キロメートル離れていても(時間差を抜きにすれば)会話が可能。
ウー人 Wuan ○
居住地:ウー(マジャール宙域 0203)、及びウー技術協会(WTA)加盟星系
暗黒時代に遺伝子改良や管理生殖や訓練などによって産み出された人類。「労働者型」は単純労働に適するように集中力と持久力が高められ、「管理者型」は寿命延長と記憶力や分析力の強化が施されている。
(※ウー星系周辺には日韓系資本の企業が入植し、ピンインでWuは「呉」なので、ウー人の外見は東アジア系の可能性が高い)
オトライ人 Otrai ◎
居住地:オトライ(グリマードリフト・リーチ宙域 0329)
ソロマニ人と同じ外見をした(肌の色が濃い程度だがソロマニ人の範疇に収まる)、惑星の有毒大気を濾過して現地の生態系に馴染むように人類の支配期に遺伝子改良された人類。彼らは宗教や精神性を極めて重んじ、平和主義である。
ジョンカー人 Jonkeereen ○
居住地:ジョンカー(デネブ宙域 1324)、及びデネブ領域各地の砂漠星系
元来はヒララディ(グシェメグ宙域 2438)へのスーラット人植民計画の妨害(※スーラット人は「イレリシュの反乱」に関わったので当時の帝国政府に警戒されていた)のために、帝国植民省がSuSAG社に委託して創り上げた種族。その必要がなくなった後に用途が変更され、ジョンカーなど砂漠星系への植民試験に用いられるようになった。遺伝子操作によって、高温乾燥環境への耐性と目を保護するための保護膜を得ている。
(※なおTraveller20の設定では、過酷な砂漠環境に適応した「サアンシャカセの遊牧民」を基にジョンカー人を創ったとされている)
シレンヌ人 Silenne ○
居住地:シレンヌ(タッチストーン宙域 0139)
何千年も大裂溝で隔離されてきた先住民は、軽い毒性のある生態系に適合し、それを無害化する臓器を得た。
スカニア人 Scania
居住地:アキヴァ(ダグダシャアグ宙域 0935)
高重力の海洋世界の開発のために、ソロマニ系遺伝子工学企業が人類を改良した種族。平均的な人類よりも男女ともにやや大柄で筋肉質。外皮から油分を分泌し、泳いだ後も乾いたままでいられる。彼らを更に改良して水陸両棲にしたのがアクアン(海棲)人(Aquan)で、喉と背中に鰓を持ったため肉声による会話ができなくなり、代わりに特殊な手話が発達した。
セレナイト人 Selenite ○
居住地:ヴェルスカー(アルファ・クルーシス宙域 1530)、及び宙域各地の低重力世界
元々は地球人が太陽系内を植民地化する際に、低重力環境に適応するよう遺伝子改良を施した人類(当時の技術では惑星改造よりも遺伝子操作の方が容易だったので)。-2222年にヴェルスカーの植民に用いられた後、宙域各地にも彼らの入植が進んだ。自給自足を重んじ、やや外世界人嫌いの傾向がある。
ネイイキ人 Neiikhi
居住地:モリアン・カーマ(ダグダシャアグ宙域 1905)
名前の由来はモリアン・カーマ原産の蜘蛛の名から。軌道ステーションの無重力環境に適応したため、身長2.25mの華奢な肉体となった。高放射線環境からくる深い暗青色の肌は彼らの誇りだが、絶えず抗癌剤を服用する必要がある。
(※軌道ステーションの建設は322年なので、適応進化ではなく突然変異による新種か?)
ネクシー人 Nexxies ○
居住地:ネクシーン(スピンワード・マーチ宙域 3030)
海中鉱石を回収するために採掘企業が帝国植民省の協力を得て産み出した、現時点で最も「新しい」人類。志願した労働者に遺伝子改良手術を施した「アルファ型」に加え、始めからネクシー人として生まれるように遺伝子が設計された「ベータ型」の育成が現在進んでいる(※1105年時点で最高齢でも10歳)。水陸両棲となり、ネクシーンの海から体を守るために目や耳には保護膜が、皮膚には鱗が付け加えられた。
フェルヴォーレ人 Fervoriani ○
居住地:フェルヴォーレ(アルファ・クルーシス宙域 2511)
恒星間戦争末期に、フェルヴォーレの汚染大気に適応するために地球人を遺伝子改良して誕生した人類。民族意識が強く、ソロマニ連合領内にあってもソロマニ主義を拒絶し続けている。
マーマン(人魚)人 Mermani ○
居住地:パイドロス(アルファ・クルーシス宙域 1006)
海中生活に適するようにSuSAGの研究施設が遺伝子操作で産み出した人類。体毛はなく、手足に大きな水かきがあるのが特徴。
モーロック Morlock
居住地:クスグルル(ダグダシャアグ宙域 2525)
クスグルルの地下都市に住んでいたヴィラニ人は、暗黒時代に資源枯渇と技術後退によって暗闇で生きていくことを強いられた。やがて暗視能力を得たが光過敏症や広場恐怖症にもなり、再接触後は古代テラの物語の地下種族と同じ俗称で呼ばれるほどの人類亜種となった。食事面も含めて地下環境に適応しすぎてしまったため、もはや彼らは他の星で生きていくことができない。
【絶滅種】 Extincts
太古種族による拡散後に絶滅した種族。
オストロフニク Ostrovnik ○
母星?:971-852(トロージャン・リーチ宙域 2814)
太古種族によって移植された「可能性がある」ため、ここで紹介する。
現地の生物では補えない蛋白質を摂取するために人肉食の文化を持っていたが、帝国偵察局がそれをやめさせたことで絶滅したのではないかと考えられている。
(※「オストロフニク」はTraveller Wiki内でつけられたと思われる名称で、その意味や出処は不明)
クラ人 Khulan ○
母星:クラ(ヴランド宙域 1919)
-9309年にヴィラニ人によって発見された時には既に滅亡していた。彼らの発見によって、ヴィラニ人は自分たち以外の人類の存在を初めて知ることとなった。
タニー人 Tanny ○
母星:タニー(マッシリア宙域 1238)
-9000年代にジェオニー人が初期探査を行った際、彼らの遺跡を発見した。
ハラッパー人 Harappan ○
母星:ハラッパー(ソロマニ・リム宙域 3028)
ハラッパー星系には約5万年前まで青銅器文明の人類が居住していたと考えられているが、活発化した火山活動による氷河期の到来で絶滅してしまった。
ミヤヴィン人 Miyavine
母星:メドゥーマ(ダグダシャアグ宙域 2124)
TL4文明を築いた彼らは-18700年頃に絶滅したと考えられているが、その原因は彼らの遺伝子に「時限爆弾」を太古種族が仕込んだとする説が有力。
ロースカルス人 Loeskalth ◎
母星:不明(グシェメグ宙域)
ヴィラニ人からジャンプドライブを入手後に小帝国を築いた好戦的な種族。-4300年頃にヴィラニ人によって滅ぼされる直前に、小惑星を宇宙船に改装して大裂溝の彼方へと旅立って行った。彼らについては考古学的な痕跡も含めて詳細な記録がほとんど残されていない。
デルファイ宙域の群小人類 Minor human races in Delphi Sector
現在のデルファイ宙域には太古種族の遺跡は何故か一つも存在しないことから、考古学者の間ではデルファイ宙域内に存在した(かもしれない)人類は最終戦争に巻き込まれて全て消滅してしまったと考えられている。
【真偽不明】 doubtful
宇宙各地には「自称」や「推定」の群小人類もいて、特にスピンワード・マーチ宙域では、帝国暦-1300年頃のダリアン人による探査で発見されていないにも関わらず群小人類を名乗る「民族集団(Ethnic Group)」がいくつか存在する。研究が進めば真偽もはっきりするだろうが、現時点では疑問の残るものをここに列記した。
なお、×印は「公式設定にはあるがUWPには記載がない」、つまり帝国偵察局が群小人類であることを否定している「民族」である。
イェティウァヤーの先住民 indigenous human in Yetiuaya ×?
居住地:イェティウァヤー(ダーク・ネビュラ宙域 2340)
アスラン氏族の軍艦によって厳重に封鎖されたこの星系には太古種族の遺跡があり、(数万人の?)群小人類が居住している可能性が高い、と帝国の研究者は考えている(一方、ソロマニ連合は地球人入植者の子孫だと主張している)。
トラルター Traltar ×
居住地:トラルサ(スピンワード・マーチ宙域 2834)
かつて砂漠で遊牧生活を営んでいたこの星の住民は太古種族にまつわる伝承を持ち、群小人類を自称するが、実際のところは水源の枯渇によって放浪を強いられた入植者の子孫のようだ。ただし、トラルサ星系に太古種族の活動痕跡があるのは本当である。
トレクセン人 Trexen ○
母星:769-422(スピンワード・マーチ宙域 0240)
乾燥惑星の植物がほぼ食用に適さなかったため、草食動物を飼い慣らす遊牧民となった。技術供与によってTL8程度まで進歩したが、今も遊牧生活は捨てておらず、年2回の頻度で世界各地に点在する小さな工業団地を巡っては輸出商品を生産している。闘争を好まない文化で、対話によって物事を解決してきた。
ちなみに、彼らの起源は実ははっきりしておらず、ダリアン人など入植者の末裔という説も存在する。その説を裏付けるかのようにこの星での太古種族の痕跡は今のところ確認されていないが、逆に彼らの言語や文化に外世界的な要素も存在しない。
(※初出のGURPS版設定では名称不明。トレクセン人という名は非公式設定)
トンドウル人? Tondouli ×
居住地:トンドウル(スピンワード・マーチ宙域 0739)
厳寒の星に持ち込まれ、以後30万年間を太古種族が遺した生命維持装置で生き延びた……というのは彼らの主張であり、帝国暦260年に初接触した偵察局によれば、生命維持装置は比較的新しいもので、この星に太古種族の遺跡もないことから科学者も否定的である(※「遺跡のあった衛星は最終戦争で破砕されて軌道上の環になった」と彼らは反論している)。
(※GURPS版設定にありながら、後に存在が否定された珍しい例)
ネキージ人? people of Nakege ○
母星:ネキージ(スピンワード・マーチ宙域 1305)
元々ネキージには、技術的に未熟な約6万人の人類の分派(human offshoot)が居住しており、帝国は彼らに不干渉の立場だった。しかし第三次辺境戦争(979年~986年)でネキージが凄惨な戦場となった結果、彼らは外世界人排斥や技術恐怖症に陥ったため、帝国はネキージ星系をアンバーゾーンとして隔離を行った。
(※記述が曖昧なので先住民は「かつての入植者の末裔」と解釈も可能。T5設定にて「minor」として採り上げられたので、群小人類として数えられているのだと思われる)
(※現在の設定では、ネキージに住んでいるのは「わずかに接触があるだけの名もなき群小種族」となった模様。これでGURPS版設定(アンバーゾーンの理由は活発な火山活動)とも矛盾しなくなった)
【設定競合】 Canon-Conflicted
かつてJudges Guild社やParanoia Press社から発売されていた資料で、現在の既知宇宙設定と競合して無効となったものをここに記す。
アルタレア人 Altareans ◎
母星:ヴァンガード・リーチ宙域 N
(※Paranoia Press版設定では、非人類種族ムリアン(Murians)による「アルタレア連合(Altarean Confederation)」という国家が(N星域ではない場所に)ある一方で、アルタレア人の設定自体が存在しなかった。後のマングース版でもそれを踏襲したため、アルタレア人は設定競合により抹消されたと思われる)
ザリ人 Zaris ○
母星:ザイラエ星域(グリマードリフト・リーチ宙域 N)
労働者となるように太古種族に遺伝子操作されたらしい彼らは、他の人類と交雑ができず、技術革新よりも安定を好む種族となった。
マルニャー人 Mal'Gnar ○
母星:マルニャー(ビヨンド宙域 3002)
テラのホモ・ペキニーシス(※北京原人)に属した種の直系子孫。太古種族による遺伝子操作で翼と鉤爪を持つ足を手に入れた。ちなみに単独飛行はできないが、滑空はできる。
【T4設定】 Aliens Archive
『Marc Miller's Traveller』(通称T4)でも様々な知的種族が紹介されたが、その中でも「母星の位置が特定できないので、現在の設定には組み込まれていないもの」を紹介する。
テクンドゥ人 Tekundu ○
母星:ユリアニイ(宙域不明)
砂漠に適応し、体内に大量の水を蓄えることができる。
バイ=レン人 Bye-Ren ○
居住地:バイ=レン=エイ(宙域不明・おそらく帝国内)
-4000年頃に表面重力2Gの惑星に入植したヴィラニ人鉱夫の生き残りが、過酷な環境に適応して身長1.2~1.4m・体重350~450kgの強靭な肉体を手に入れたもの(つまりヴィラニ人の亜種)。
(※種族名は、第二帝国の探検隊が彼らと再接触した際に中国系ソロマニ人の隊長が「別人種(Other Men)」と命名したものを語源とする(※ピンインでbie-renは「別人」)。
フォーローン(放浪)人 Forlorn
母星:フォーナスト宙域のどこかかそれよりも遠い星?
記録は定かではないが、彼らが「大破壊(The Destruction)」と呼ぶ事件によって27隻の亜光速船で母星を離れ、1500年間に及ぶ放浪の旅の末にゲシャッゲレ星系(宙域不明)に辿り着いた種族。長期の宇宙生活によって無重力空間に適応し、独自の生命維持技術や無重力建築技術を発達させた。
(※元々はHIWGで作られた設定だが、「帝国暦0年設定(Milieu 0)」で使われることが想定されているのでこちらに回した)
【T5設定】 Traveller5 Second Survey
Traveller5発表以後整備された宙域データ、ならびにそれを受けたTraveller Wikiでは、これまでのGDW版やGURPS版設定には存在しなかった原典不明の群小種族が大量に追加されている。その中には資料の誤認や、民族集団とすべきものまで群小人類としてしまっているものも見受けられる(群小種族を群小人類と誤記しているだけの可能性すら)。
ここでは、そういった実体不明の設定を「非公式設定」扱いとして注釈付きで一旦「隔離」し、出版物などで何らかの設定が起こされ次第移動させる措置を取るものとする。
ヴェックス人 Vexx ○
母星:コンディオル(スピンワード・マーチ宙域 0901)
小柄で青白い肌を持ち、勤勉で友好的な種族。1000年前にゾダーン人と接触して技術革新が起きたが、帝国暦207年に原子力事故を起こして壊滅的な打撃を受けた。現在では地下都市で細々と生活し、宇宙にはほとんど関心を持たなくなった。
(※シナリオ『Tripwire』にしか登場しない人類であり、後にT5設定に取り込まれはしたが、彼らの設定にはいくつか疑問がある。特に第一次辺境戦争以前の正史とは一部矛盾を起こすため、一旦外すことにした)
エルゴ人 Ergosian
母星:エルゴ(トロージャン・リーチ宙域 2625)
(※『Third Imperium』誌によると「エルゴはシンダル帝国によって入植された」とあるので、原住知的種族、特に人類が既に居住していたかどうかはやや疑わしい)
オペディア人 Opedia
母星:オへイム(ディアスポラ宙域 2015)
サーキ人 Thaki
母星:シアム(ザルシャガル宙域 0518)
(※シアムは小惑星星系だが惑星数は6あるので、別惑星に居住している可能性はなくはない(とはいえかなり苦しい理由付けではある))
シェラ人 Shela
母星:シェラギョーテ(ディアスポラ宙域 1620)
シュラシー人 Shrashee
母星:531-210(ディアスポラ宙域 0627)
(※531-210星系はGDW版設定では異種大気(B)だったが、T5設定で大気9に変更されたために群小人類の長期居住が設定上可能になってしまった)
プレッサン人 Plexxan
母星:ダルカ(エンプティ・クォーター宙域 2230)
外見は一般的な人類と変わりないが、非常に肥えている。また、彼らは人類の可視域外を知覚できる。
(※ただし『Stellar Reaches』誌第6号では、ダルカ星系は「元々は生命のない荒涼とした世界だった」「最初に入植されたのは614年」「大気は有害」と記されている。また、T5SSには記載がない)
【参考文献】
・Supplement 5: Lightning Class Cruisers (Game Designers' Workshop)
・Alien Module 4: Zhodani (Game Designers' Workshop)
・Alien Module 5: Droyne (Game Designers' Workshop)
・Alien Module 7: Hiver (Game Designers' Workshop)
・Alien Module 8: Darrians (Game Designers' Workshop)
・Module 4: Alien Realms (Game Designers' Workshop)
・Journal of the Travellers' Aid Society #13,#24 (Game Designers' Workshop)
・Challenge #26,#39,#55,#75 (Game Designers' Workshop)
・Imperial Encyclopedia (Game Designers' Workshop)
・Regency Sourcebook (Game Designers' Workshop)
・Vilani & Vargr (Digest Group Publications)
・Solomani & Aslan (Digest Group Publications)
・Flaming Eye (Digest Group Publications)
・Travellers' Digest #11,#20 (Digest Group Publications)
・MegaTraveller Journal #3 (Digest Group Publications)
・Aliens Archive (Imperium Games)
・Traveller20: Traveller's Handbook (Quicklink Interactive)
・Gateway to Destiny (Quicklink Interactive)
・GURPS Traveller: Alien Races 1 (Steve Jackson Games)
・GURPS Traveller: Rim of Fire (Steve Jackson Games)
・GURPS Traveller: Humaniti (Steve Jackson Games)
・GURPS Traveller: Interstellar Wars (Steve Jackson Games)
・Alien Module 3: Darrians (Mongoose Publishing)
・Alien Module 4: Zhodani (Mongoose Publishing)
・Alien Module 5: Solomani (Mongoose Publishing)
・Minor Alien Module 1: Luriani (Mongoose Publishing)
・Reft Sector (Mongoose Publishing)
・Tripwire (Mongoose Publishing)
・Journal of the Travellers' Aid Society 6 (Mongoose Publishing)
・Great Rift Book 3 (Mongoose Publishing)
・Spinward Extents (Mongoose Publishing)
・Deep and the Dark (Mongoose Publishing)
・Into the Deep #3 (Brett Kruger)
・HIWG Document #3413
・Signal-GK #1,#2,#6,#9,#10
・Encyclopedia Dagudashaag
・TAS-Net Library Data
・Traveller Wiki
以下に挙げたものは、そんな数々の人類をまとめたものです。
◎:マーク・ミラーが「公式」と認めたとされるリストに載っている32種族
○:それ以外で出版物等公的な資料に掲載されている種族
△:公的資料には存在だけが記され、非公式設定で詳細が補われた種族
【主要人類】 Major human races
自力でジャンプドライブを開発した人類はヴィラニ人、ゾダーン人、ソロマニ人の3種。(異論はあるものの)そのような種族は『主要種族』と分類される。
ヴィラニ人 Vilani ◎
母星:ヴランド(ヴランド宙域 1717)
人類に限らず、現存する知的種族の中では最も早くジャンプ航法を開発し、巨大な「星々の大帝国(ジル・シルカ/第一帝国)」を打ち立てた。外見はソロマニ人と大差はないが(ただし主星の影響で日に焼けている)、特有の長寿遺伝子を持ち、純血のヴィラニ人であれば平均寿命は130年に及ぶ(150年以上生きるのも珍しくはない)。ヴランドの動植物はヴィラニ人には消化が難しかったため、磨り潰しを基本とする独特の食文化を持つ。
ゾダーン人 Zhodani ◎
母星:ゾダント(ゾダント宙域 2719)
長身(2m)で浅黒い肌を持ち、歯の本数が28本とソロマニ人やヴィラニ人よりも少ない。決して排他的ではないが、肌の色が似た種族ほど彼らに受け入れられやすい傾向はある。約6500年前にジャンプドライブを開発して広大な恒星間国家を築いた彼らは、超能力を基盤とした身分社会を構成している。そのため領土問題も含めて第三帝国とは敵対関係にあり、数度の辺境戦争を戦った。
ソロマニ人 Solomani ◎
母星:テラ(ソロマニ・リム宙域 1827)
ヴィラニ人との接触直前にジャンプドライブを開発し、その後の恒星間戦争に勝利して「人類の支配(第二帝国)」を建国した。その時代に宇宙各地に広まった彼らの文化や風習は、暗黒時代を経て第三帝国の時代となった今でも生活の隅々に影響を与えている。
ちなみに、今や「純血のヴィラニ人」は名門貴族家ぐらいにしか見られないが、「純血のソロマニ人」はソル領域やソロマニ連合内に多く在住する。また、スピンワード・マーチ宙域のソード・ワールズ人やガルー人はソロマニ人の血を強く残す「民族」である。
「帝国人」 (Imperials) ◯
第一帝国の成立から1万年が過ぎ、ヴィラニ人を始めとする人類はソロマニ人やその他の人類と混血を繰り返し、今や特定の人種とは言えなくなっている。帝国市民の中にはそういった自らの種族を「帝国人(ホモ・サピエンス・インペリアリス)」だとする者もいるが、あくまで俗称に過ぎない。
【群小人類】 Minor human races
宇宙各地で独自に進化、もしくは太古種族による遺伝子改良が施された人類のうち、自力でジャンプドライブを開発できなかったもの。彼らの多くは母星のみ、もしくはその周辺星系でしか見ることはできない(が、宇宙各地に広まった種族も存在する)。
なお、現存が確認された群小人類は46種であり、そのうち30種以上はヴィラニ帝国と接触を果たしている(※しかし、公式設定や位置関係的に明らかにヴィラニ人と接触していない種族が既に13種以上あり、この設定の説得力は揺らいでいる)。
アザンティ人 Azhanti ◎
母星:イラレ(アンタレス宙域 2315)
高温環境で生き残るために進化して、痩せ型の反面頭蓋は大きく、無毛となった。大気中の硫黄分を濾過する気管を持った影響で女性でも声は低い。老化速度は遅くも寿命は短いが(70年前後)、「神の与えた試練から逃げる」として寿命延長措置は拒む。一方で好奇心は旺盛で挑戦心に富み、恒星間社会に積極的に飛び込んでいる。
アットーン人 Attorn ○
母星:ジェプトーレム(シータ・ボレアリス宙域 1517)
一般的な人類よりも毛深く、著しく青みがかった肌をしている。
アナクンドゥ人 Anakundu ○
母星:ワロー(ヴィラニ名:ヌイヤ)(オールド・エクスパンス宙域 0512)
主星の強烈な輝きと雪原からの反射によって、成人で2~4時間程度の睡眠時間で生活するようになった種族。ただし睡眠が必要ないわけではなく、不眠の影響と思われる精神疾患などで彼らの寿命は(ヴィラニ人との接触以前は)約50年であった。寿命を延ばす「魔法の」薬をもたらしたヴィラニ人に感謝し、恒星間戦争ではヴィラニ軍の夜襲部隊や工作員として地球人を苦しめた。
アヤンシュイ人 Ayansh'i ○
母星:ゴースト(リーヴァーズ・ディープ宙域 3115)
痩せ型で暗視能力を持ち、ヴィラニ人以上に長寿(250年)の種族。最も特徴的なのは、双子出産が通常である点。彼らの芸術は帝国内で高く評価されているが言語は秘匿されており、外世界人との会話のために外世界の言語を非常によく学んでいる。
アンスウェリン人 Answerin ◎
母星:アンスウェリン(ヴランド宙域 0431)
外見はソロマニ人やヴィラニ人と大差はないが(連星の光の影響で肌が黒くて目蓋が進化している程度)、「恐怖」を精神病と捉えて克服した種族。また体内物質の分泌により、1分間肉体を強化することができる。その結果、第一帝国の時代から優秀な海兵隊員として重用されている。彼らは元々寿命が短く(70年程度)、母星では動物を狩る側に回れなかったので菜食文化を発展させた。
イッスグル人 Issugur ◎
母星:パーシニア(フォーイーブン宙域 3018)
パーシニアの広大な台地に農業集落を築き、主星と雲海を崇める原始的な種族。台地は元々居住に向いておらず、栄養事情などにより人口は数十万人程度。他文明からの「汚染」を防ぐために、現地政府によって彼らの居住地域への立ち入りは(宇宙船での接近も含めて)制限が設けられている。
(※資料ではパーシニアの位置は「最寄りのゾダーン拠点から6週間かかる」とあり、確かにフォーイーブン宙域の座標3018はその条件をジャンプ-2なら満たす。ただしフォーイーブン宙域自体にそもそも公式設定はないので、3018は一例に過ぎない。いずれにせよ、この宙域以外にパーシニア星系は存在しそうにない)
イラドレ人 Irhadre ◎
母星:チャナド(リシュン宙域 0935)
砂漠環境で水分を確保するために、見た目によらず体脂肪率は高い。また、砂嵐の中では視覚・聴覚が役に立たないため、代わりに触覚・嗅覚を発達させた。やや好戦的な種族ではあるが、通常は言葉による喧嘩で収める。痛みや苦しみを表に出すのは弱いことと考え、病人や負傷者を気にかけることはない。また、成人の儀式によって自由民となるか奴隷となるかが決まる文化を持ち、成人人口の半数が奴隷である。
イルサラ人 Iltharan ○
母星:ドレシルサー(リーヴァーズ・ディープ宙域 1826)
海洋世界の数少ない土地を巡って争いを続けたため、軍国主義と略奪を好む種族となった。長寿かつ老化が遅く、社会は非常に保守的。不妊傾向も特徴として挙げられる。暗黒時代には宙域内に小帝国を築くが、崩壊後の現在は周辺国の警戒下に置かれている。
イルリア人 Ilurian ○
(※ライトニング級巡洋艦の中でも「ハイ・ライトニング」の名を冠する9隻の艦には、接頭語として群小人類の種族名を付ける命名法則があり、第6366号艦にこの名前がある)
イレアン人 Yileans ◎
母星:ガシカン(ガシカン宙域 2732)
群小人類の中では最も巨大な、約400星系を傘下に持つ恒星間国家「ガシカン第三帝政(Third Empire of Gashikan)」を治める種族(※ガシカン帝政自体は-1784年から続くが、第三帝政は1078年樹立)。母星ガシカン星系の環境の影響で身長1.8mの割に体重が50kg程度、暗青色の肌を持つ。歴史的経緯によりヴァルグルを激しく憎んでいる。
ヴラズドゥメクタ人 Vlazhdumecta ◎
母星:ファー・フロンティア宙域のおそらくゾダーン領内
ファー・フロンティア宙域における人類の多くは、約6000年前にゾダーン人と接触して宙域中に拡散した彼らの子孫である(混血は進んだが)。身長は男女とも1.9m程度だが、女性の方が若干軽量。体毛は髪を含めてほとんど無い。老化速度が遅い代わりに寿命を迎える直前に急速に老化するのが特徴。また、人類にしては珍しく発情期が存在する。
ウルニシュ人 Urunishani ◎
母星:ガシャギ(ヴィラニ名:ウルニシュ)(アンタレス宙域 0727)
種族としての詳細は不明。彼らの住むウルニシュ星系は、『ソロマニ仮説』以前は人類全体の故郷の最有力候補と考えられていた。
(※T5設定でオッグェンガン(アンタレス宙域 0124)から変更された模様。ただしオッグェンガンもウルニシュ人人口が9割と設定されている)
カーゴル人 Kargol ○
母星:カーゴル(レオニダエ宙域 1205)
テラのネアンデルタール人の子孫である彼らは、薄暗い赤色恒星の光に適応して赤外線を視る大きな目と、母星で快適に過ごすための遺伝子工学技術を発達させた。毛深いので寒さに耐性がある反面、暑さには弱い。惑星カーゴルの生命体は昼夜問わず活動するので、彼らもそれに合わせてまとまった睡眠を取らずに細かく居眠りをする。
カッグシュス人 Kaggushus ◎
母星:カッグシュス(マッシリア宙域 0402)
(※現地の硫黄大気に適応しているらしいが詳細は不明。『Traveller: The New Era』にてカッグシュス星系が解説されたが、彼らについては記載がなかった)
カッシルダ人 Cassildan (Cassilldan) ○
母星:アムベムシャン(アンタレス宙域 0216)
低重力環境に適応したため、ソロマニ人より長身(平均2.1m)の種族。第二帝国期に地球人と接触し、605年にはテラのレバノン海岸に面したティルス地方に入植を行った(現在のニュー・カッシルダ市)。男女問わず「スカスラ(Scathra)」と呼ばれる武術に通じ、彼らの文化の一部となっている。
(※『Solomani & Aslan』に挿絵のみが掲載されたのが初出。後に『Traveller Chronicle』誌11号にて言及があり、『Traveller5 Core Rulebook』において母星の設定が付加された)
カファド人 Cafadans (Cafadi) ◎
母星:カファド(コリドー宙域 3135)
惑星カファドの寒冷気候から生き延びるために彼らは地下洞窟生活を営み、その結果小柄な身長と厚い脂肪層、そして高度な暗視能力を得た(さらに開所恐怖症も)。頭上の氷層を「天獄」と捉えた彼らは技術の進歩に背を向けたが、洞窟絵画から発展させた独自の芸術によって知られるようになった。
ククン人(ランシア人) Kukhunen (Lancians) ◎
母星:ククン(グシェメグ宙域 2207)
ソロマニ人よりは長身(1.9m)でやや痩せている。ククンの動物の肉は彼らには消化できなかったので菜食主義者となった。後に「ランシア文化圏(Lancian cultural region)」を築くほどに芸術的な創造性に長けて平和主義である一方で、内には暴力性を秘めた種族。
クラエダの民 Ne Kraeda ren Kelva
母星:「スピンワード・マーチ宙域国境から2宙域離れた」バエラ星系
身長2.15m、体重98kgと大柄。複数世界に広がっているらしいが詳細は不明
(※現在はティルデー(ファー・フロンティア宙域 2218)を母星とする(FASA版設定の隙間にねじ込まれた)非公式設定が起こされている)
ゲーナン人 Ghenani ○
母星:ドレナルク (ヴァンガード・リーチ宙域 0822)
太古種族に改造された惑星に持ち込まれた人類。高重力と高密度大気に適応し、強風に耐えられるよう短足で筋肉質の肉体を得た。色白で頭髪すらなく、温暖気候故かのんびりとしていて、最低限以上の衣服を身に着ける文化も持たなかった。
現在彼らはゾダーン人と友好関係にあるが、神話に刻まれた歴史的経緯から超能力には嫌悪感がある(※-3000年頃に不時着したゾダーン人らしき者が超能力でゲーナン人を支配しようとして失敗したらしい)。彼らの悲願は宇宙進出だが、あくまで自力でジャンプドライブを開発しないと意味がない(つまり「主要種族」になりたい)と考えている。
ケデプ人 Kedepu
母星:ケデパー(スターズ・エンド宙域 1005)
外見は少々小柄なぐらいで特徴はないが、人類の中でも特異と言える学習欲を持つ。彼らにとっては知識を得て、それを他者と交換して更に知識を得ることこそが人生の全てなのだ。
ジュリアン保護領加盟国の一つと接触した彼らは、そこから新技術を仕入れては研究を行い、その結果を納めるという傍から見ると奇妙な共生関係を築いている。
サアンシャカセの遊牧民 Saanshakase nomads ○
母星:サアンシャカセ(レイ宙域 2036)
サアンシャカセにはTL3の排外的な遊牧民族が住んでいて、彼らの聖職者階級は超能力を有している(よって超能力弾圧下の824年以降はこの星は進入禁止となった)。太古種族によって持ち込まれ、口伝によれば少なくとも5万年前に文明を築いた彼らだが、種としてはホモ・サピエンスよりも古いものから分化していることが研究で明らかになっている。
サーゲシュ人 Thaggeshi ◎
母星:サーゲシュ(ヴランド宙域 2530)
ソロマニ人ほどではないにしろ、群小人類には珍しく肉体や外見に多様性のある種族。-9100年頃に原始サーゲシュ人はヴィラニ人と接触し、その後はヴィラニ帝国と一体となった。祖霊や自然を崇拝し、特に胎児は神と交信しているという考えを今でも持っている。
ジアッド人 Ziadd ◎
母星:ゼダ(ダグダシャアグ宙域 0721)
テラのネアンデルタール人を太古種族が大幅に遺伝子改良した種族。男女ともソロマニ人より大柄で、ゼダの高重力と汚染大気に対応した骨格と器官を備えている。攻撃的傾向が強く、個人や集団の名誉を重んじる性格。社会身分は強さに比例する。
ジェオニー人 Geonee ◎
母星:シウォニー(マッシリア宙域 1430)
高重力環境に適応し、小柄でずんぐりとした筋肉質な種族。ヴィラニ人と接触する前からジャンプドライブを用いていたが、後に太古種族の宇宙船から解析されたものと判明した。一方で彼らは、自分たちこそが太古種族の直系子孫と考えており、発掘ジャンプドライブも「先祖が開発したもの」として群小種族に(どころか人類に)分類されることを認めていない。ちなみに「Geonee」とは彼らの言葉で「古き者たち(old ones)」を意味する。
ジェオニー人の商人は現在、帝国中のどこでも見受けられる。ジェオニー社会で女性は「命ある資産」と考えられており、常に男性の「保護下」に置かれて社会進出は許されず、いまだに誘拐婚の風習もある(※ただしこれは第一帝国期のヴィラニ人はやめさせていたらしい)。
シダイト人 Sydite ○
母星:クウル(現地名:ソパター)(レイ宙域 3026)
肉体労働のために太古種族によって遺伝子改良されて4本腕となった(と考えられている)かなり大柄な種族(身長2~2.5m、体重130kg)。優秀な整備士や兵士となる素質を持つが想像力は乏しいので、慎重な作戦よりも単純な力押しを好む。帝国社会では「醜く不器用な野蛮人」扱いされることが多く、そのことに憤慨している。
(※母星に別名があるのは、Judges Guild版レイ宙域の「シディミク人」の設定が取り込まれたため)
シレア人 Syleans ◎
母星:キャピタル(旧名:シレア)(コア宙域 2118)
これと言って大きな特徴はないが、強いて言えば左利きとアルビノの多さが特徴。現在ではシレア本星でも少数種族に過ぎないが、帝国内各地に共同体を築いている。
スーラット人 Suerrat ◎
母星:イレリシュ(イレリシュ宙域 2907)
「類人猿のような」外見をし、イレリシュの赤道に広がる樹林地帯の環境に適応した種族(そのため足で物を掴むことができる)。僅かな光の下でも活動が可能だが、代わりに強い光を苦手とする。樹林とともに生き、動物と意思を通じて飼い慣らすことが非常に得意。彼らはヴィラニ人の到来以前に亜光速宇宙船で周辺星系に広がっていたが、やがて第一帝国に征服された。
(※ちなみに、イレリシュの赤道地帯は「イレリシュの反乱(418年~435年)」が鎮圧された後に見せしめとして焼き払われた)
スワンフェー人 Swanfeh ○
母星:不明
暗黒時代にどこからともなくカールトン(ゲイトウェイ宙域 2720)などに移住してきた群小人類。外見等の詳細は不明。かつては30もの世界を支配したが、技術後退とともに競争に敗れて力を失った。現在、カールトンを中心とした「スワンフェー自由世界(Swanfei Free Worlds)」という国家があるが、人口こそ彼らが多数派なものの、その実態は「近隣の海賊たちが合法的に商売をするための隠れ蓑」に過ぎない。
ダーミン人 Darmine ◎
母星:イシャグ(ザルシャガル宙域 1323)
低酸素環境で生きるために肺や血管が発達し、放射線保護のために黒い皮膚を持つ(ただしそれが遺伝子操作によるものか自然淘汰によるものかは不明)。第一帝国による征服を経て第二帝国期に宙域内に拡大した彼らの文化や言語(カドリ語(Kadli))は、暗黒時代を乗り越えて「ダーミン文化圏(Darmine cultural region)」を築き上げた。
タパーズマル人 Tapazmal ◎
母星:ドライカン(レフト宙域 3134)
(おそらく太古種族による遺伝子操作によって)出生率の低い種族だが、灼熱の地上を避けて高山生活を送る彼らには資源の節約の面で逆に役立った。近隣星域のロースカルス人の襲撃を受けていた彼らは後にヴィラニ人の保護下に入り、ソロマニ人の下で周辺数星系に拡大した。平和を尊ぶ彼らの芸術(特に構造建築)は、帝国内で非常に高く評価されている。
ダリアン(デイリーエン)人 Darrians ◎
母星:ダリアン(デイリーエン)(スピンワード・マーチ宙域 0627)
細身で金色の色素、尖った耳が特徴の種族。禁欲的で異民族・異文化に寛容な哲学を持つ(※その寛容さ故に混血も進み、純血のダリアン人は現在2割強)。好奇心が強くて学問を重んじたため、一部の科学技術では帝国を凌駕するほどである。
ディンチア人 Dynchia ◎
母星:メラントリス(レオニダエ宙域 0806)
高い身長(2.2m)と細身の体に青白い肌、そして長い手足共に6本指であるのは、太古種族の遺伝子操作によるものと考えられている。心理面でも操作があったようで、彼らは性差別を考えることができず、絶対的な男女平等社会を築いている。同族同士の戦争は行わないが、決闘によって一族や個人の名誉を守ろうとする。ちなみに彼らの製造するレーザー銃は既知宙域で最高水準の品質である。
ハッピルーヴァ人 Happirvha ◎
母星:レジャップール(リーヴァーズ・ディープ宙域 1218)
乾燥世界に移住させられた彼らは絶え間ない争いの教訓から、科学技術の発展を避けて今もTL3の文明を維持している。農耕民族のハップラーニ族と、遊牧民族のハッピジョム族に分かれて生活しているが、太古種族による最終戦争の記憶から両者ともに「空の凶神」を恐れている。
ハネン人 Hanen ○
母星:シャカマシュ (グシェメグ宙域 2716)
見掛けは一般的な人類と大差はないが、水中で体温を保つために皮膚は厚く、皮下脂肪も多い。また体毛がある者は少数派である。水辺や水中を好む彼らは当然泳ぎが得意で、長時間息を止められる。
ハルカ人 Halkans ◎
母星:ハルカ(トロージャン・リーチ宙域 0510)
アルビノのように見えるが、実際には暗い恒星光に適応したもの。211年(※-50年説もあり)のフローリア人との接触後に彼らの農奴となるも、900年代に解放がなされる(が、貧困はそのままなので市民権のある小作人になっただけであった)。
フィオリ人 Fiorin (Fiorani) ◎
(※ライトニング級巡洋艦の第6350号艦にこの名前がある)
フローリア人 Floriani ◎
母星:フローリア(トロージャン・リーチ宙域 0213)
太古種族による遺伝子操作により、頭脳に特化したバーナイと肉体に特化したフェスカルの2支族に分化した。頑強なフェスカルは一見バーナイに従属しているように見えるが、両者は不可分の共依存の関係にある。一方バーナイは保守的で創造性に欠けるが、他文明技術の模倣にかけては一流の腕を持つ。
マルニャー人 Mal'Gnar ○
母星:マルニャー・エル(ビヨンド宙域 2803)
元々寒冷気候に適していたネアンデルタール人を改造し、より低重力環境に適合させた種族。身長は男女とも2mに達し、一般的な人類と比べて手足が長いのが特徴。環境適応によってメラニン色素を失ったため、桃色の肌に白い髪、そして皆青い目をしている(が、アルビノの発生はソロマニ人より稀)。
彼らの文明は1万年前に鉄器技術に到達した後、今に至るまで変化していない。狩猟採集を基本とする非常に厳格な身分社会であり、掟破りは良くて追放刑である。村落が各地に散らばっていて、千人規模の町は存在しない。医療技術が原始的なため、平均寿命は50歳未満とされる。
ちなみに猟師や司祭は、羽毛と布で作られた「滑空服」を身に着ける。これは彼らと共に生きるチャーパーの模倣と思われる(※帝国ではこれが誇張され、マルニャーは翼人であるという誤解が広まった)。
(※長らく設定競合により非公式扱いだったが、マングース版で設定が整備された)
ムーリッシ人 Murrissi △
母星:オツァハテァ(フロホーイ宙域 2008)
太古種族は彼らに土木工事をさせたかったのか、分厚い鱗のような皮膚と穴掘りに適した大きな爪を与えた。その特異な外見から「骸骨人(Skeletors)」とも呼ばれる。人類にしては極めて長寿(300年以上)だが、その分時間感覚も数倍長く、数日間連続で働いても平気な反面、待ち合わせにも平気で数日遅れる。その結果、文明の進歩も極めて遅かった。
-740年頃にアスランと接触した彼らは進んで臣従し、今はトローヱァエァウィ氏族(序列4位)で優秀な「女性」として扱われている。
メネサ人 Menetha ◎
(※現時点で公式設定は存在せず、「ククリーに滅ぼされた人類かもしれない種族」とした非公式設定が起こされている)
ラムーラ・テグ人 Lamura Teg ○
母星:シクェク(ヒンター・ワールズ宙域 2907)
同じ星の知的種族ラムーラ・ガヴ(Lamura Gav)とともに、太古種族の遺跡から共同文明を築き上げた種族。生物学的には全く異なる彼らだが、宇宙や自然に敬意を払う共通の哲学を熱心に奉じている。
リバート人 Liberts ◎
母星:ヌリア(ヒンター・ワールズ宙域 0824)
(※T5設定ではリベール(ディアスポラ宙域 1109)のリベール人とヌリアのヌリア人(Nullians)は別種族とされたが、いずれにせよ詳細設定は今のところ存在しない。なお、原典とされる資料には「オールド・エクスパンス宙域の」ヌリアと記載されている)
ルリアニ人 Luriani ○
母星:ダラムー(レイ宙域 0821)
太古種族の大規模な遺伝子操作で水かきや潜水能力(最高1時間・深度500mまで)を得、海洋世界に適応した種族。音楽の分野で評価は高いが、非常に感情的で気まぐれな側面もある。彼らが「悲痛の年(year of woe)」と呼ぶ過去の大量虐殺事件によって、ヴィラニ人を今も恐れ、不信の目で見ている(※ただしこの事件はルリアニ人の口伝によるものであり、第一帝国も意図的に資料を抹消しているので詳細は不明。とはいえ何かしらの蛮行はあったようだ)。
ロンニ人 Ronni ◎
母星:ロンニ(ヴランド宙域 1803)
外見等は不明。ヴィラニ人との接触後もジャンプ技術には興味を持たず、星系内開発を行っただけで満足した平和的な種族。
ハイヴ連邦内の群小人類たち Minor human races in Hive Federation ○
母星:ハイヴ連邦領内スピンワード方面
ハイヴ連邦を構成する170以上の種族のうち、数種族は人類である。彼らは遺伝子的には帝国人と大差はないが、帝国社会とは大きく異なるハイヴ流の習慣や思考様式を受け入れている。
【人類亜種】 Variant human races
太古種族ではなく人類自身によって遺伝子改良などが施された、もしくは環境に適応して姿を変えた人類。
(※T5設定では遺伝子改良人類(Human Chimera)に改められた)
アケロン人 Acheron ○
居住地:ナッパ(ソロマニ名:アケロン)(ディアスポラ宙域 0932)
恒星間戦争の時代に、惑星アケロンの厳しい環境に適応するために遺伝子改良された人類。人類の基準から見れば容姿は醜いが、代わりに屈強な肉体と耐放射線性を得た。彼らは幼少期に限らず死亡率が高いことから迷信深く、運命論者でもある。
(※アケロン星系はGURPS版設定のみにあるため、「第二帝国時代の星系名」だとして設定の摺り合せが行われた。また、帝国皇帝への忠義を強く誓ったことと、とある功績によりライトニング級巡洋艦の第6357号艦に人類亜種ながら名を冠した)
イズィル人 Iziri ○
居住地:イズィル(アストラル・クァドラント宙域 1126)
恒星面爆発によって無線通信が困難なイズィルの環境に合わせ、ソロマニ連合遺伝子省が設計した入植者。発声と聴力は超音波の範囲に達し、数キロメートル離れていても(時間差を抜きにすれば)会話が可能。
ウー人 Wuan ○
居住地:ウー(マジャール宙域 0203)、及びウー技術協会(WTA)加盟星系
暗黒時代に遺伝子改良や管理生殖や訓練などによって産み出された人類。「労働者型」は単純労働に適するように集中力と持久力が高められ、「管理者型」は寿命延長と記憶力や分析力の強化が施されている。
(※ウー星系周辺には日韓系資本の企業が入植し、ピンインでWuは「呉」なので、ウー人の外見は東アジア系の可能性が高い)
オトライ人 Otrai ◎
居住地:オトライ(グリマードリフト・リーチ宙域 0329)
ソロマニ人と同じ外見をした(肌の色が濃い程度だがソロマニ人の範疇に収まる)、惑星の有毒大気を濾過して現地の生態系に馴染むように人類の支配期に遺伝子改良された人類。彼らは宗教や精神性を極めて重んじ、平和主義である。
ジョンカー人 Jonkeereen ○
居住地:ジョンカー(デネブ宙域 1324)、及びデネブ領域各地の砂漠星系
元来はヒララディ(グシェメグ宙域 2438)へのスーラット人植民計画の妨害(※スーラット人は「イレリシュの反乱」に関わったので当時の帝国政府に警戒されていた)のために、帝国植民省がSuSAG社に委託して創り上げた種族。その必要がなくなった後に用途が変更され、ジョンカーなど砂漠星系への植民試験に用いられるようになった。遺伝子操作によって、高温乾燥環境への耐性と目を保護するための保護膜を得ている。
(※なおTraveller20の設定では、過酷な砂漠環境に適応した「サアンシャカセの遊牧民」を基にジョンカー人を創ったとされている)
シレンヌ人 Silenne ○
居住地:シレンヌ(タッチストーン宙域 0139)
何千年も大裂溝で隔離されてきた先住民は、軽い毒性のある生態系に適合し、それを無害化する臓器を得た。
スカニア人 Scania
居住地:アキヴァ(ダグダシャアグ宙域 0935)
高重力の海洋世界の開発のために、ソロマニ系遺伝子工学企業が人類を改良した種族。平均的な人類よりも男女ともにやや大柄で筋肉質。外皮から油分を分泌し、泳いだ後も乾いたままでいられる。彼らを更に改良して水陸両棲にしたのがアクアン(海棲)人(Aquan)で、喉と背中に鰓を持ったため肉声による会話ができなくなり、代わりに特殊な手話が発達した。
セレナイト人 Selenite ○
居住地:ヴェルスカー(アルファ・クルーシス宙域 1530)、及び宙域各地の低重力世界
元々は地球人が太陽系内を植民地化する際に、低重力環境に適応するよう遺伝子改良を施した人類(当時の技術では惑星改造よりも遺伝子操作の方が容易だったので)。-2222年にヴェルスカーの植民に用いられた後、宙域各地にも彼らの入植が進んだ。自給自足を重んじ、やや外世界人嫌いの傾向がある。
ネイイキ人 Neiikhi
居住地:モリアン・カーマ(ダグダシャアグ宙域 1905)
名前の由来はモリアン・カーマ原産の蜘蛛の名から。軌道ステーションの無重力環境に適応したため、身長2.25mの華奢な肉体となった。高放射線環境からくる深い暗青色の肌は彼らの誇りだが、絶えず抗癌剤を服用する必要がある。
(※軌道ステーションの建設は322年なので、適応進化ではなく突然変異による新種か?)
ネクシー人 Nexxies ○
居住地:ネクシーン(スピンワード・マーチ宙域 3030)
海中鉱石を回収するために採掘企業が帝国植民省の協力を得て産み出した、現時点で最も「新しい」人類。志願した労働者に遺伝子改良手術を施した「アルファ型」に加え、始めからネクシー人として生まれるように遺伝子が設計された「ベータ型」の育成が現在進んでいる(※1105年時点で最高齢でも10歳)。水陸両棲となり、ネクシーンの海から体を守るために目や耳には保護膜が、皮膚には鱗が付け加えられた。
フェルヴォーレ人 Fervoriani ○
居住地:フェルヴォーレ(アルファ・クルーシス宙域 2511)
恒星間戦争末期に、フェルヴォーレの汚染大気に適応するために地球人を遺伝子改良して誕生した人類。民族意識が強く、ソロマニ連合領内にあってもソロマニ主義を拒絶し続けている。
マーマン(人魚)人 Mermani ○
居住地:パイドロス(アルファ・クルーシス宙域 1006)
海中生活に適するようにSuSAGの研究施設が遺伝子操作で産み出した人類。体毛はなく、手足に大きな水かきがあるのが特徴。
モーロック Morlock
居住地:クスグルル(ダグダシャアグ宙域 2525)
クスグルルの地下都市に住んでいたヴィラニ人は、暗黒時代に資源枯渇と技術後退によって暗闇で生きていくことを強いられた。やがて暗視能力を得たが光過敏症や広場恐怖症にもなり、再接触後は古代テラの物語の地下種族と同じ俗称で呼ばれるほどの人類亜種となった。食事面も含めて地下環境に適応しすぎてしまったため、もはや彼らは他の星で生きていくことができない。
【絶滅種】 Extincts
太古種族による拡散後に絶滅した種族。
オストロフニク Ostrovnik ○
母星?:971-852(トロージャン・リーチ宙域 2814)
太古種族によって移植された「可能性がある」ため、ここで紹介する。
現地の生物では補えない蛋白質を摂取するために人肉食の文化を持っていたが、帝国偵察局がそれをやめさせたことで絶滅したのではないかと考えられている。
(※「オストロフニク」はTraveller Wiki内でつけられたと思われる名称で、その意味や出処は不明)
クラ人 Khulan ○
母星:クラ(ヴランド宙域 1919)
-9309年にヴィラニ人によって発見された時には既に滅亡していた。彼らの発見によって、ヴィラニ人は自分たち以外の人類の存在を初めて知ることとなった。
タニー人 Tanny ○
母星:タニー(マッシリア宙域 1238)
-9000年代にジェオニー人が初期探査を行った際、彼らの遺跡を発見した。
ハラッパー人 Harappan ○
母星:ハラッパー(ソロマニ・リム宙域 3028)
ハラッパー星系には約5万年前まで青銅器文明の人類が居住していたと考えられているが、活発化した火山活動による氷河期の到来で絶滅してしまった。
ミヤヴィン人 Miyavine
母星:メドゥーマ(ダグダシャアグ宙域 2124)
TL4文明を築いた彼らは-18700年頃に絶滅したと考えられているが、その原因は彼らの遺伝子に「時限爆弾」を太古種族が仕込んだとする説が有力。
ロースカルス人 Loeskalth ◎
母星:不明(グシェメグ宙域)
ヴィラニ人からジャンプドライブを入手後に小帝国を築いた好戦的な種族。-4300年頃にヴィラニ人によって滅ぼされる直前に、小惑星を宇宙船に改装して大裂溝の彼方へと旅立って行った。彼らについては考古学的な痕跡も含めて詳細な記録がほとんど残されていない。
デルファイ宙域の群小人類 Minor human races in Delphi Sector
現在のデルファイ宙域には太古種族の遺跡は何故か一つも存在しないことから、考古学者の間ではデルファイ宙域内に存在した(かもしれない)人類は最終戦争に巻き込まれて全て消滅してしまったと考えられている。
【真偽不明】 doubtful
宇宙各地には「自称」や「推定」の群小人類もいて、特にスピンワード・マーチ宙域では、帝国暦-1300年頃のダリアン人による探査で発見されていないにも関わらず群小人類を名乗る「民族集団(Ethnic Group)」がいくつか存在する。研究が進めば真偽もはっきりするだろうが、現時点では疑問の残るものをここに列記した。
なお、×印は「公式設定にはあるがUWPには記載がない」、つまり帝国偵察局が群小人類であることを否定している「民族」である。
イェティウァヤーの先住民 indigenous human in Yetiuaya ×?
居住地:イェティウァヤー(ダーク・ネビュラ宙域 2340)
アスラン氏族の軍艦によって厳重に封鎖されたこの星系には太古種族の遺跡があり、(数万人の?)群小人類が居住している可能性が高い、と帝国の研究者は考えている(一方、ソロマニ連合は地球人入植者の子孫だと主張している)。
トラルター Traltar ×
居住地:トラルサ(スピンワード・マーチ宙域 2834)
かつて砂漠で遊牧生活を営んでいたこの星の住民は太古種族にまつわる伝承を持ち、群小人類を自称するが、実際のところは水源の枯渇によって放浪を強いられた入植者の子孫のようだ。ただし、トラルサ星系に太古種族の活動痕跡があるのは本当である。
トレクセン人 Trexen ○
母星:769-422(スピンワード・マーチ宙域 0240)
乾燥惑星の植物がほぼ食用に適さなかったため、草食動物を飼い慣らす遊牧民となった。技術供与によってTL8程度まで進歩したが、今も遊牧生活は捨てておらず、年2回の頻度で世界各地に点在する小さな工業団地を巡っては輸出商品を生産している。闘争を好まない文化で、対話によって物事を解決してきた。
ちなみに、彼らの起源は実ははっきりしておらず、ダリアン人など入植者の末裔という説も存在する。その説を裏付けるかのようにこの星での太古種族の痕跡は今のところ確認されていないが、逆に彼らの言語や文化に外世界的な要素も存在しない。
(※初出のGURPS版設定では名称不明。トレクセン人という名は非公式設定)
トンドウル人? Tondouli ×
居住地:トンドウル(スピンワード・マーチ宙域 0739)
厳寒の星に持ち込まれ、以後30万年間を太古種族が遺した生命維持装置で生き延びた……というのは彼らの主張であり、帝国暦260年に初接触した偵察局によれば、生命維持装置は比較的新しいもので、この星に太古種族の遺跡もないことから科学者も否定的である(※「遺跡のあった衛星は最終戦争で破砕されて軌道上の環になった」と彼らは反論している)。
(※GURPS版設定にありながら、後に存在が否定された珍しい例)
母星:ネキージ(スピンワード・マーチ宙域 1305)
元々ネキージには、技術的に未熟な約6万人の人類の分派(human offshoot)が居住しており、帝国は彼らに不干渉の立場だった。しかし第三次辺境戦争(979年~986年)でネキージが凄惨な戦場となった結果、彼らは外世界人排斥や技術恐怖症に陥ったため、帝国はネキージ星系をアンバーゾーンとして隔離を行った。
(※記述が曖昧なので先住民は「かつての入植者の末裔」と解釈も可能。T5設定にて「minor」として採り上げられたので、群小人類として数えられているのだと思われる)
(※現在の設定では、ネキージに住んでいるのは「わずかに接触があるだけの名もなき群小種族」となった模様。これでGURPS版設定(アンバーゾーンの理由は活発な火山活動)とも矛盾しなくなった)
【設定競合】 Canon-Conflicted
かつてJudges Guild社やParanoia Press社から発売されていた資料で、現在の既知宇宙設定と競合して無効となったものをここに記す。
アルタレア人 Altareans ◎
母星:ヴァンガード・リーチ宙域 N
(※Paranoia Press版設定では、非人類種族ムリアン(Murians)による「アルタレア連合(Altarean Confederation)」という国家が(N星域ではない場所に)ある一方で、アルタレア人の設定自体が存在しなかった。後のマングース版でもそれを踏襲したため、アルタレア人は設定競合により抹消されたと思われる)
ザリ人 Zaris ○
母星:ザイラエ星域(グリマードリフト・リーチ宙域 N)
労働者となるように太古種族に遺伝子操作されたらしい彼らは、他の人類と交雑ができず、技術革新よりも安定を好む種族となった。
母星:マルニャー(ビヨンド宙域 3002)
テラのホモ・ペキニーシス(※北京原人)に属した種の直系子孫。太古種族による遺伝子操作で翼と鉤爪を持つ足を手に入れた。ちなみに単独飛行はできないが、滑空はできる。
【T4設定】 Aliens Archive
『Marc Miller's Traveller』(通称T4)でも様々な知的種族が紹介されたが、その中でも「母星の位置が特定できないので、現在の設定には組み込まれていないもの」を紹介する。
テクンドゥ人 Tekundu ○
母星:ユリアニイ(宙域不明)
砂漠に適応し、体内に大量の水を蓄えることができる。
バイ=レン人 Bye-Ren ○
居住地:バイ=レン=エイ(宙域不明・おそらく帝国内)
-4000年頃に表面重力2Gの惑星に入植したヴィラニ人鉱夫の生き残りが、過酷な環境に適応して身長1.2~1.4m・体重350~450kgの強靭な肉体を手に入れたもの(つまりヴィラニ人の亜種)。
(※種族名は、第二帝国の探検隊が彼らと再接触した際に中国系ソロマニ人の隊長が「別人種(Other Men)」と命名したものを語源とする(※ピンインでbie-renは「別人」)。
フォーローン(放浪)人 Forlorn
母星:フォーナスト宙域のどこかかそれよりも遠い星?
記録は定かではないが、彼らが「大破壊(The Destruction)」と呼ぶ事件によって27隻の亜光速船で母星を離れ、1500年間に及ぶ放浪の旅の末にゲシャッゲレ星系(宙域不明)に辿り着いた種族。長期の宇宙生活によって無重力空間に適応し、独自の生命維持技術や無重力建築技術を発達させた。
(※元々はHIWGで作られた設定だが、「帝国暦0年設定(Milieu 0)」で使われることが想定されているのでこちらに回した)
【T5設定】 Traveller5 Second Survey
Traveller5発表以後整備された宙域データ、ならびにそれを受けたTraveller Wikiでは、これまでのGDW版やGURPS版設定には存在しなかった原典不明の群小種族が大量に追加されている。その中には資料の誤認や、民族集団とすべきものまで群小人類としてしまっているものも見受けられる(群小種族を群小人類と誤記しているだけの可能性すら)。
ここでは、そういった実体不明の設定を「非公式設定」扱いとして注釈付きで一旦「隔離」し、出版物などで何らかの設定が起こされ次第移動させる措置を取るものとする。
ヴェックス人 Vexx ○
母星:コンディオル(スピンワード・マーチ宙域 0901)
小柄で青白い肌を持ち、勤勉で友好的な種族。1000年前にゾダーン人と接触して技術革新が起きたが、帝国暦207年に原子力事故を起こして壊滅的な打撃を受けた。現在では地下都市で細々と生活し、宇宙にはほとんど関心を持たなくなった。
(※シナリオ『Tripwire』にしか登場しない人類であり、後にT5設定に取り込まれはしたが、彼らの設定にはいくつか疑問がある。特に第一次辺境戦争以前の正史とは一部矛盾を起こすため、一旦外すことにした)
エルゴ人 Ergosian
母星:エルゴ(トロージャン・リーチ宙域 2625)
(※『Third Imperium』誌によると「エルゴはシンダル帝国によって入植された」とあるので、原住知的種族、特に人類が既に居住していたかどうかはやや疑わしい)
オペディア人 Opedia
母星:オへイム(ディアスポラ宙域 2015)
サーキ人 Thaki
母星:シアム(ザルシャガル宙域 0518)
(※シアムは小惑星星系だが惑星数は6あるので、別惑星に居住している可能性はなくはない(とはいえかなり苦しい理由付けではある))
シェラ人 Shela
母星:シェラギョーテ(ディアスポラ宙域 1620)
シュラシー人 Shrashee
母星:531-210(ディアスポラ宙域 0627)
(※531-210星系はGDW版設定では異種大気(B)だったが、T5設定で大気9に変更されたために群小人類の長期居住が設定上可能になってしまった)
プレッサン人 Plexxan
母星:ダルカ(エンプティ・クォーター宙域 2230)
外見は一般的な人類と変わりないが、非常に肥えている。また、彼らは人類の可視域外を知覚できる。
(※ただし『Stellar Reaches』誌第6号では、ダルカ星系は「元々は生命のない荒涼とした世界だった」「最初に入植されたのは614年」「大気は有害」と記されている。また、T5SSには記載がない)
【参考文献】
・Supplement 5: Lightning Class Cruisers (Game Designers' Workshop)
・Alien Module 4: Zhodani (Game Designers' Workshop)
・Alien Module 5: Droyne (Game Designers' Workshop)
・Alien Module 7: Hiver (Game Designers' Workshop)
・Alien Module 8: Darrians (Game Designers' Workshop)
・Module 4: Alien Realms (Game Designers' Workshop)
・Journal of the Travellers' Aid Society #13,#24 (Game Designers' Workshop)
・Challenge #26,#39,#55,#75 (Game Designers' Workshop)
・Imperial Encyclopedia (Game Designers' Workshop)
・Regency Sourcebook (Game Designers' Workshop)
・Vilani & Vargr (Digest Group Publications)
・Solomani & Aslan (Digest Group Publications)
・Flaming Eye (Digest Group Publications)
・Travellers' Digest #11,#20 (Digest Group Publications)
・MegaTraveller Journal #3 (Digest Group Publications)
・Aliens Archive (Imperium Games)
・Traveller20: Traveller's Handbook (Quicklink Interactive)
・Gateway to Destiny (Quicklink Interactive)
・GURPS Traveller: Alien Races 1 (Steve Jackson Games)
・GURPS Traveller: Rim of Fire (Steve Jackson Games)
・GURPS Traveller: Humaniti (Steve Jackson Games)
・GURPS Traveller: Interstellar Wars (Steve Jackson Games)
・Alien Module 3: Darrians (Mongoose Publishing)
・Alien Module 4: Zhodani (Mongoose Publishing)
・Alien Module 5: Solomani (Mongoose Publishing)
・Minor Alien Module 1: Luriani (Mongoose Publishing)
・Reft Sector (Mongoose Publishing)
・Tripwire (Mongoose Publishing)
・Journal of the Travellers' Aid Society 6 (Mongoose Publishing)
・Great Rift Book 3 (Mongoose Publishing)
・Spinward Extents (Mongoose Publishing)
・Deep and the Dark (Mongoose Publishing)
・Into the Deep #3 (Brett Kruger)
・HIWG Document #3413
・Signal-GK #1,#2,#6,#9,#10
・Encyclopedia Dagudashaag
・TAS-Net Library Data
・Traveller Wiki
今回は人類に絞ってやりましたが、群小種族全体にまで広げるとそれこそ膨大な数に…。いつの日かそっちの方もまとめてはみたいのですが、何しろ数が数なので…(汗)。
中にはもう明らかに人類止めているものもw
参考になりましたありがとうございます