ラサ サヤン

洋服作りといろいろ作り、好奇心旺盛の毎日

グロテスク

2007-02-25 23:03:06 | ひとりごと
『グロテスク』は1997年に起こった、東電OL殺人事件について、
桐野夏生が2003年に書いた小説
『東電OL殺人事件』は、2000年佐野眞一のノンフィクションです

ノンフィクションでは、よくわからなかった部分を桐野夏生の
ものすごい、想像力と迫力で『グロテスク』が書かれています
読み始めたら最後、ドロドロした引力から逃げられずに、
最後まで引きずられてしまうような
読み終えて爽快感のある小説とは逆に、
消化不良を起こしそうな・・でも、小説の運び方進み方がすごい

類稀な美人、類稀な秀才勉強家、非常にまじめな努力家・・・
劣等感の塊り、の女性4人でストーリーが進んでいきます
彼女達の高校生活とその後・・・
社会との適合がだんだん難しく、バランスが取れにくくなり・・・・
おかしくなっていく
読んでいる私は、小説だとわかっているけれど、
リアルすぎて、こんな感じだったのか・・・
ある意味、登場人物全員がハッピーエンド?と、思ってしまうほど

彼女がその部屋でなくなったことだけが真実で、
それ以上の真実が今後明らかになるのでしょうか?
容疑者のネパール人は、1審では無罪、2審では有罪、無期懲役確定でしたが、
冤罪の疑いが濃厚で05年には再審請求が出ていて、
事件はまだ解決していないそうです
容疑者について、『東電OL・・』を読んだ時、
この人はきっと犯人じゃない!と思ったのです
私の勝手な思い込みで、ネパール人=いい人 冤罪になって欲しい・・・
でもこの小説のような容疑者だったら、無期懲役でいい・・・
いい加減なものです
でも、いい加減な凡人でよかった