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ピアノ椅子も楽器の一部

2018年06月27日 | 日記
ピアノの弾き手に取って椅子がどのような
状態かは大切な問題です。

まずは椅子の高さや前後の位置・・・
そして座面の硬さや質感に至るまで、条件
によって弾きやすさや音にまで影響が出て
しまいます。

前提として椅子にぐらつきがないか?
この点は調律にお伺いして気になるところ
です。意外と脚を固定するナットが緩んで
いることが多いので、椅子がぐらぐらして
いるままで弾いてらっしゃる方は多いよう
です。

このことは調律師にも責任があります。
工具カバンに普段からレンチを持ち歩いて
いるので調律訪問時に、まずは椅子に座っ
てピアノがどのような状態か椅子の状態も
含めてチェックする必要があります。

調律作業は立ち仕事になりがちなので椅子
の存在を忘れがちです。ピアノを弾かれて
いて何かご不安がありましたら、どんどん
調律師に投げかけてみてください!

ピアノの弦の張り替え

2018年06月22日 | ピアノ修理
ピアノの弦はある日突然切れることが
あります。

演奏に熱が入って切れることもあれば
知らない間に切れていることも・・・

いずれにしても弦の金属疲労やサビが
原因として挙げられます。

ピアノの弦はピアノ線とは違います。
同じ鋼でも「ミュージックワイヤー」
と呼ばれる質の高い高炭素鋼です。

太さも0.025mmごとに番手が異なる
ので調律師がピアノに記された番手
を見て、コイルやチューニングピン
の高さなど様々な注意点をキレイに
揃えて張弦作業をします。

新しく張られた弦は安定するまでに
狂いやすいので引き上げを繰り返し
安定させます。

ピアノには消耗部品があります。
弦を叩くハンマーフェルトや鍵盤の
支点力点にあるクロスに、もう一つ
は弦そのものです。

それぞれの部品を適切な状態にする
と長く愛用できるアコースティック
ピアノはエコな楽器と言えます。

ザウターという美しいピアノ

2018年06月17日 | 日記
南ドイツの長閑なシュパイヒンゲンという町
に工場のあるザウターは2009年に工場研修に
行かせてもらったピアノメーカーです。

このオメガと呼ばれる奥行220cmのモデルは
フルコンサートを除けば一番大きいサイズで
す。

ピアノ工場の最終調整に当たるのが第2整音
と呼ばれる作業で、その責任者でマイスター
のカオフマンさんのお顔が浮かびました。

「今日も足が痛いが、この仕事が好きだから
またここで作業しているんだ。」という言葉
が印象に残っています。

ドイツにおいて工場で働く姿や考えや雰囲気
に、そして現場で聞いたその音は忘れられま
せん。

そのピアノと対話してそのピアノが最も良く
なる寸法に調整して、メーカーの品質を保つ
ことは末端の調律師として大切な役目です。

お部屋の響きやお客様と一緒にピアノを成長
させる楽しみは調律師冥利と言えます。

ピアノに残る記録

2018年06月10日 | 日記
ピアノ調律にお伺いすると今までどのような
調律・調整がなされていたか歴史がピアノに
刻まれています。

その一つに上の写真にはアップライトピアノ
の修理をする際に取り外した部品があります
が、ご覧の通り緑色のクロスに黒い線が刻ま
れています。
その方向が一直線なのが見えると思います。

一直線である意味は今まで納品から30年以上
一度もこの部分の調整がされていなかった事
が窺えます。調整されていれば色々な方向に
黒い線が刻まれていることになります。

他の技術者が見ても恥じない作業を心掛けて
次の世代へ繋げて行きたいものです。

黒鍵の全貌

2018年06月02日 | 日記
上の画像の見てピアノの黒鍵だとわかるのは
ピアノの調律師くらいだと思います。
普段見えているのは上の黒い部分だけですが
黒鍵の下の部分はこのようになっています。

普段は隠れている黒鍵の下の部分も黒く着色
されていますが、白鍵を弾いた時に指が触れ
ることがあります。
長年弾かれるとその着色が剥げてしまい木地
があらわになって行きます。

鍵盤の修理預かりの際は一緒に垢などの汚れ
を拭き取ったり剥げた部分の着色などもして
スッキリきれいな状態で気持ち良くピアノを
頂けるように作業をしております。