随縁記

つれづれなるままに、ものの歴史や、社会に対して思いつくことどもを記す

マネーゲームの終わりの始まり その3

2006-02-23 09:58:04 | 経済
堀江被告らライブドア旧取締役四人の再逮捕で、53億円の粉飾決算容疑が固まり、ライブドア株式が、いよいよ上場廃止になることが決定的になった。

ライブドアの経営は、まさにゲーム感覚の虚業で、自らを、「株価つり上げ」で膨らませて、粉飾決算で大きく見せながら、自己増殖を続けたといえるだろう。

過去の大企業の粉飾決算とは質的にまったく異なる、多くの投資家や投機家を巻き込んだ、一大マネーゲームを演出したことにある。
過去の旧山一証券、旧長期信用銀行、そして最近のカネボウなどの巨額な粉飾決算事件は、企業の破綻を回避するため、銀行融資を継続させるのが目的であった。

ライブドアのマネーゲームは、端的に要約すれば、自社株券を印刷して、「投資事業組合」を通じ「株式交換」という手法で企業買収をする。
さらに株価をつり上げるために、株式分割を繰り返して一時的に株価をつり上げ、
高値の自社株を「投資事業組合」が海外ファンドなどへ売却し、マネーロンダリングののちライブドア本体へ環流させるという、全く新しいゲーム理論を構築したことにある。

株式分割を繰り返したことで、昨年9月時点での株主数は、なんと22万人にも及んだ。
この株主は、投資家というよりも、投機家であり、いわばホリエモンの演出したマネーゲームの片棒を担いだとも言える。
労せずしてパソコン操作のみで簡単にマネーゲームに参加でき、一時は噂通りに小遣い稼ぎができた。
これで調子に乗り、結果としてライブドアのマネーゲーム、すなわち株価つり上げに参加し続けたことになる。
そして、ライブドア株式で甘い汁を吸った以上、マネーゲームの終焉を迎えて、その株主責任としての最終的な責任を負うことになった。

資本主義社会だから、健全な投資活動は経済社会にとって必要不可欠の行為である。社会的価値を創造する成長企業と、健全な株式市場と健全な投資家が必要なのは言うまでもない。
ただ、短期に株式を売買することだけでに熱中するのは、マネーゲームに過ぎない。マネーゲームで短期間に儲ける時代は、はや終わりの始まりをむかえている。

もう少し長期に、堅実に日本経済の発展を考えることこそが、今こそ求められている。





最新の画像もっと見る