随縁記

つれづれなるままに、ものの歴史や、社会に対して思いつくことどもを記す

西村真吾弁護士法違反事件

2005-11-30 12:27:08 | 社会批評
最近では珍しい硬骨漢の政治家と思っていた、民主党衆院議員の西村真悟容疑者が弁護士法違反事件で逮捕された。
逮捕されて真実が徐々に明らかになってきた。
西村真悟容疑者が、鈴木浩治容疑者に弁護士名義を貸して、政治資金としての裏金を作るために利用したという構図から、一転して完全に鈴木浩治容疑者から、西村真悟容疑者が
利用されていた構図が明確になった。

以下の「  」内は、報道の抜粋である。
「西村真悟容疑者の弁護士法違反事件で、西村容疑者が自らの法律事務所元職員・鈴木浩治容疑者に弁護士名義を貸していたとされる1998~2004年に、鈴木容疑者が扱った交通事故の保険金受け取り総額は約10億円に上ることが29日、大阪地検特捜部や大阪府警の調べでわかった。」
「鈴木容疑者は保険金額の30~50%を依頼人に請求し、少なくとも3億円を超える報酬を得ていたことも判明。「報酬は保険金額の10%」とした西村容疑者との約束を破って、上積み報酬分は隠しており、弁護士名義が「示談屋」に悪用されたことを浮き彫りにしている。」
「交通事故の示談交渉などの非弁活動(無資格の弁護士活動)を開始。西村容疑者とは、日本弁護士連合会が定めた弁護士報酬規定(当時)に準じ、保険金額の10%程度を報酬として受領し、両者で2等分することで合意していた。しかし、鈴木容疑者は、事務所経費を自分の報酬分から負担していたこともあり、実際には、依頼人に対し、保険金額の30~50%の報酬を請求。
 西村容疑者が事務所口座から「名義貸し料」などとして受け取ったのは計3400万円で、残る巨額の報酬は、鈴木容疑者の実入りになっていたという。」

やっばり、所詮は二世議員か、と嘆息せざるを得ない。
政治家として最も大切な金銭感覚が、やはりずれているとしか言いようがない。
なぜ、収入を堂々と申告しないのか、なぜ裏金が必要なのか不思議でならない。
また、かならず裏金を作ると、いつかは必ず露見するという事に気がつかないのだろうか。
わずか3400万円の裏金で、衆議院議員西村真悟、そして弁護士西村真吾の二つを同時に失い、社会的な制裁を受ける。
持っていた志の高さと比較して、あまりにも情けない金銭感覚の差に愕然とする。

やはり、国会議員になると、何処かで人間としての思い上がりが生まれ、世の中をなめてしまったのだろう。
以下は、勝手な西村真悟容疑者の心のなかの想像である。

「名を知られた衆議院議員の俺を騙すやつは居ないはずだ」
「周りに居るのは、皆俺の信奉者ばかりで、俺の脚を掬う奴なぞいるはずがない」
「交通事故の示談で、弱者に対して保険会社から保険金を支払わせるのは社会正義だから、代理人を使っても特別悪いことではない」

そう思っていただろうが、世の中には幾らでも人を利用する才知に長けた者がいる。
弁護士という職業は、まさに社会正義の番人としての重要な責務がある。それをないがしろにして、国政のほうが重要だという言い訳は通用しない。
この期に及んでも、弁護士の資格は捨てるが、まだ国会議員を辞めるとは言わない。
良識有る市民としての資格がないのに、この事件と国政は別だとか言うのは可笑しい。

鈴木容疑者は、「西村真悟法律事務所」という知名度を最大限活用し、相手を威嚇して常識では通用しない、保険金額の30~50%の報酬を依頼人に対し請求していた。
多分、通常の交渉では保険金が下りないケースでも、「西村真悟法律事務所」という名前に屈して保険金が下りたケースもあるだろうと推測できる。

西村真悟容疑者は、潔く弁護士法違反を認めているというなら、潔く国会議員も辞職するべきである。
ここで見苦しい断末魔を演じると、二度と再び政治の舞台には上がれない事だけは断言できる。かつて、西村真悟に清き一票を投じた者として、強く勧告したい。