歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

満開世界

2012年05月23日 | 徒然 -tzure-zure-

今働いている事務所には、

花がたくさんの庭があります。


一年草だと思ってほっといてた去年の金魚草が
ぼわっと咲いたり。




余ってたのか、どこかで拾ったのを適当に植えて、忘れ去っていた

タマスダレだとか。



余りものや、こぼれもの。
それらが繋がり合って勝手にはびこって満ちている、
非・意図的な、カオスの庭です。

良く言えば、「ナチュラルガーデン」ですね。


ちょっと前までは、



モッコウバラ。淡いクリーム色。

その後、



エニシダの黄色。

この色が爆発していました。

マメ科特有の、スイートなピーの香りを、あたりに溢れさせながら。


さらに、
「去年はこんなに無かったはず。」っていう、



‘這金鳳花’(ハイキンポウゲ)も。

まぶしいほどのイエローが、
お客様のお庭に植えるために買い置きした花苗とともに、



それはにぎやかに、溢れ返っていました。



たっぷり黄色い。
五月の上旬。



通勤路の「野川」も、

菜の花の蛍光イエローで溢れていました。

今年は 念願の:「野川の菜の花の中に、とけこむ」を達成*




いつもより遅かった気がする、今年の春。




あの花、この花。


(ハナニラ。)



毎日、うわあうわあと、感嘆の吐息。



撮っても撮っても、まだ足りない。

ありあまるほどの、絵になる光景。




くんかくんか、鼻をとがらせ、

目一杯に大気を吸い、




あちらこちらへ、目をみはるかす日々。

それでも全然、時間が足りない。

全てを見届けるには、その勢いは、
あまりにも手に負えない。


(ハルジョオン。撮ってるときは全然気づかず、雨宿り中の静かな蝶々が写っていました。)




そうこうしているうちに、



桜吹雪とともに




ソメイヨシノは散り、




チューリップもいつの間にか消えて、



八重の桜も



香りを落とし。


気高い紫木蓮も





清らかなフジも。



元気すぎるカロライナジャスミンも。




儚い香りとともに、
どんどん過ぎ去って行きました。




繰り返す雨とともに、



ハナミズキも



ライラックも。




スズランも。


春の花の去り際は、
別の新たなる花の勢いや、



緑の力の陰に こっそり隠れてゆくように、
とても、秘めやかに、ひっそりとしています。


あまりにもそっけなく。

こっそりと、座を明け渡して、消えて行きます。





毎日の、あまりにも些細で個人的でどうでもよいような事を、簡単に忘れてしまうかのように。





寒暖のぶり返しで、
なかなか遅々と進まない、、かのような気にさせておいて、
しっかり淡々と歩んでゆく季節。


サラサラと流れ去って行くのが、季節。








そんな中の、
五月九日の朝でした。


一番目の薔薇が咲いたのが。





一番 東に向いた、端っこのつぼみから。


その後、
夕立のような激しい雷雨が降ったり、
寒くなったりもしたでしょう?

そんで、

突然 がっ!と晴れて、眩しく、暖かくなったり。

そんな不安定な天候を繰り返しながら、
陽の力は 明らかに強くなっていき。


卯の花が咲き。


そして、




バラは続々と、咲き続けて。

あっという間に散って行ったモッコウバラや


カサカサに散り始めて来たエニシダの黄色を差し置いて、

今や、



壁一杯に目映く広がっています。



事務所の入り口の、こんな小さな庭の中には、
ほかにも


コデマリや


白丁花(ハクチョウゲ)。


手に負えないほど、花が満開。


青い花が好きな社長が先日植えた、デルフィニウム。



私が大好きな、白とピンクが入り交じった繊細な、リナリア・プルプレア。


事務所の入り口の、こんな小さな庭の中だけでも。



外を見向ければ、なおさら。

あっちもこっちも、なおさら、
満開。

あちこちに独りでぽつんぽつんだったポピーも、



気づけば ぶりぶり増えて、





あちこちで、こんな。



赤花夕化粧(エノテラ・ロセア)も、群れなして。




他にも、まだまだ。



定番のツツジに。



じゅうたんのシロツメクサ。





神秘のシャガ。




妖艶なスイートピーの式部。



可愛い子供みたいな昼咲月見草(エノテラ)。



宝石のサクランボ!


、、、ああ、全然です!
ぜんぶ載せたいけど、ぜんぜん載せきらない!


これぞ、春。

始まりが遅い割に、
始まってしまえば、その駆け抜ける勢いたるや。

春はあまりに早足。

うっかりすると、見落として、
出会うためにまた一年、
取りこぼしてしまいそうで、



ああ、全然手に負えない。



うずうずするほど、幸せな季節。

気が遠くなるほどの儚さ。




気が遠くなるほどの甘い色彩。


(紅花トキワマンサク)




そしてまた、
今日。

雨上がりの、眩しい朝。



新しいバラが、咲きました。



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