春分となり雀始めて巣くう候となりました。
桜の便りもちらほらと野辺は春爛漫となりました。
この画像は鱗結びにした貝桶です。
貝桶の結びは以前にも二つ羽蜻蛉結びの雌雄の結びを載せました。(2006年3月6日http://purple.ap.teacup.com/applet/yaya/20060306/archive)この鱗結びは貝桶だけでなくいろいろな結びに応用出来るポピュラーな結び方です。
貝合せは今は対の貝を探す遊びとなっていますが本来は「絵合せ」「香合せ」などのように優劣を競い合う物合わせ で、対の貝を探す遊びを貝覆と言いました。遊び方は円形に並べる貝を地貝と言い、そこへ出し貝を出してこれと対になる貝を探します。
出し貝は左貝と言い左貝桶に地貝は右貝と言って右貝桶に入れ結び方を違えて保管します。貝桶の写真の左側の結び方が左貝桶です。赤い紐なので分かりづらいと思いますが左からと右からと最後の紐の通し方によって結び上がりが違い、これで一対になります。
お香にも「貝合香」があり、お答に右貝、左貝、空貝などと書く組香があります。
右貝は膨らみの大きい貝の方で左貝は平たい方をさすようです。
昨年の秋『貝桶の結び方を教えて』とメールボックスにお尋ねがありました。なんでも貝桶の結びを解いたら結べなくなったそうです。本の画像をお送りしたところ、「結べました」と家紋入りの立派な貝桶の写真が届きました。その写真を掲載したかったのですが家紋入りなので控えました。
(この写真の貝桶は六角ですがお送り頂いたのは八角の貝桶で本にも八角の貝桶には鱗結びがしてありました。紐のかかり方が違うので六角の貝桶で結ぶと多少形が異なって見えおさまりが悪いようです。六角の桶には二つ羽蜻蛉結がいいようですね)
昨年はもう一件、貝桶の結び方と訶梨勒の作り方のお尋ねがありました。こうしてほんの少しでもSAKURAがお役に立っているようなのは嬉しいことです。
結びにも雌雄があるのですね!
また一つ勉強になりました。
対のものは左右で一対、掛け軸なども二幅対のものは結び方を変えて左右を見分けます。
対のものは雌雄や陰陽として区別します。結びや包は陰陽五行を勉強しないといけないのですがなかなかそこまで到達しません。
そうした決まりがある事を知っていればいざと言う時に調べることが出来ますよね。
私も名香合わせのTV見ました。名香を目にする機会はそうないのでとても貴重なものでした。
香合わせは持参した人が自分で焚くのですが今回はそうでなかったですね。
でも志野さんがあれを公開した決断は尊いと思いました。よい後継者が居るのは頼もしいことです。