何年ぶりでしょうか?2006年に表参道ヒルズが出来てから何度も行ってみたいと思いつつ、行けずにいたのですが、ちょうどぽっかり時間があいたので、行ってみました。
ただ、、、痛感したのは「表参道で建築写真を撮ろうと思ったら夏は無理っ!!」
あの、ランドマークの見事なケヤキのおかげで、建築はことごとく埋もれています。
それはそれでいいのかもしれないですけど、写真を撮ろうという身にはちょっと切ないです。。。
では、副都心線明治神宮前駅から銀座線表参道駅まで、約2時間の建築散歩のスタートです♪
まずは妹島和世先生のhh.style.com原宿本店。
2000年竣工。
かっこいいです。模型がそのまま大きくなったような。
ファサードのグラデーションの入った曇りガラスもかっこいいけど、私が一番ノックアウトされたのは1階から2階へ上がる緩い階段。白く塗装された細い鉄筋で吊っていますが、まるで2階からふわりと降りてきた白い絨毯のような。そして両サイドがガラス?で囲まれているので、階段の前に立って2階を見上げると、異次元空間のようにも見える。これはすごくかっこよかった!
このhh.style.comは家具屋さんで、いろいろと面白い雑貨等も置いてあり、商品を見るのも楽しい♪Vitraの名作イスのポスターがあって、欲しかったのですが、狭い我家じゃ貼るスペースもないし。。。断念。
また、ミニュチュア椅子もあるのですが、ひとつ18000円とかです。はっきり言って座れる椅子が買えるお値段です。笑。
ところで、このお店はキャットストリートという通りに面しているのですが、手前で折れてしまった私は狭い路地をうろうろとしばらく迷子になってしまいました。この辺の路地にはオープンカフェやおしゃれなお店がたくさんあって、軽井沢の旧軽銀座のような雰囲気です。しかしこの日は給料日後、ボーナス後、梅雨の晴れ間、ということでとにかくすごい人、人、人、、、。
こんど平日にゆっくりお散歩してみたい感じでした。
次は同じ妹島和世先生のDior。2003年竣工。
こちらは中に入る勇気がなかったので、外から。
こちらも模型がたちあがったような端正な佇まいです。
カーテンウォールの内側に、うねるアクリルがもう一枚あって、カーテンのように光を反射します。
夜景がきれいらしいのですが、夜までいるわけにいかず、残念。
日本看護協会ビル。黒川紀章設計。2004年竣工。
手前に象徴的なガラスの円錐。セットバックして都市にポケットパークを提供している。
表参道ヒルズ。安藤忠雄設計。2006年竣工。
外側はそれといって特徴はなく、ショップが連なっている。同潤会アパートの頃は、2階や3階の店からも街に表情が溢れ出ていたが、ヒルズの方はスッキリキチンとした感じですましている。
ケヤキ並木の高さに配慮したという低層の、しかし長い、長い、連続したファサード。
中に入るとびっくり。5層吹き抜けの大空間が!
吹き抜け中央の大階段ではこの日ジャズのコンサートをやってました。
でも郊外でこういうモールの類いを見慣れてしまったので、安藤さんならでは、ってのはどこらへんにあるんだろう?ってちょっと思ってしまったりもしました。
一番青山側に1棟、同潤会アパートが保存されています。
並んでいる裏側はコンクリート打ち放しで、安藤っぽいといえば安藤っぽいかも。高さがきれいに揃えられているのがわかります。
こちら側にはつたをはわせる予定で、若干はっていますが、2年を経た現在も、覆うという感じにはなっていませんでした。
同潤会のあの、暗く怪しい感じはなくなってしまいましたねえ。
ルイ・ヴィトン表参道。青木淳設計。2004年竣工。
磨いた鏡状のステンレスの表面に鎖帷子?をまとったファサード。全体の形は四角い箱をぽこぽこと積み上げたような感じです。
ここも夜になるときれいらしい。。。残念。
入口の上、軒裏っていうんでしょうか?
ステンレスがはってあり、鏡の効果で上下逆さまに店内の蝶のオブジェや、道ゆく人の姿が映り込んでいて面白い。
鎖帷子???をアップで見るとこんな感じです。
ファサードの質感では、表参道のビルの中では、一番かっこいいかも?
TOD'S表参道。伊東豊男設計。2004年竣工。
緑色の変な屋根のビルを取り囲むようにL型をしているようです。表参道に面しては、間口のせまいペンシルビルのように見えます。
本物のケヤキがすごくてよくわからないのですが、このコンクリートの模様は、ケヤキの幹を模していて、下が太く、上にいくほど細く細かくなっているようです。
先日銀座でMikimoto-2を見たので、なんだか兄弟みたいに見えます。
店内も直角ではない様々な角度で構成されているようで、正面奥の階段周りなど、おもしろそうです。でも、ファサードでは、なんだか一番幼稚にみえてしまいました。
モリハナエビル。丹下健三設計。1978年竣工。
建て替えの噂がでていますが、まだまだきれいだし、デザイン的にも古びたところは全くない。ハーフミラーで覆われ、雁行するキューブは、とてもきれいです。
都庁なんかよりずっときれいだし、これがなくなってしまうのはいやだなあ。
ONE表参道。隈研吾設計。2003年竣工。
時間がなかったので通りのこっち側から見ただけです。
こちら側から見ると、特徴的な上層階のルーバーがよく見えますが、多分道を歩いている人にはフェンディがあるなあ、くらいにしか感じられないかも。
今少し調べたら、裏側から見るとまた面白かったようです。残念。
ケヤキの生い茂る表参道を、青山側から明治神宮方面を見ています。
こうやってみると、各種特徴的なファサードは全てケヤキのかげになってしまい、10年前とあまり変わらない印象。それはそれできっといいことなんでしょうね。