Sakita Blog

1級建築士事務所Sakita Space Design主宰
崎田由紀のブログ。

2012年度2級建築士製図試験

2012-09-11 11:05:04 | 建築士試験
日曜日に2級建築士の製図試験が終わりました。
受験生のみなさま、お疲れさまでした。
今年の課題は
「多目的スペースのあるコミュニティ施設(鉄筋コンクリート造ラーメン構造2階建て)」
ということで、計画が難しいのではないか、と思われましたが、予想以上のひねり玉がきて、慌てた方が多かったようです。

ポイントは大きく3つ。
1)北と東の2方向道路、かつ、西の公園からのアプローチという3面動線
2)屋外階段の設置
3)多目的スペースのフレキシビリティ

1)2方向道路の時は、幅員の広い道路をメインエントランス、狭い方を管理用などのサブエントランスにする。
交差点から7m以内は車の出入り禁止。
という考え方が鉄則ですが、今回はどちらも幅員は6m。そしてどちらにも歩道がついていたので、これをどう処理したらいいのか悩んでしまった方もいるかもしれません。歩道に関しては車の出入口は歩道を切るので、心配しなくて大丈夫です。ただ、わざわざ歩道を描いてしまった方はちょっと心配。

公園にむけて、喫茶スペースと屋外カフェテラスを設けるのですが、西側に設けるのが素直でしょう。
受講生さんの半分は建物を縦置きににして西側にテラスを設けていましたが、建物を横置きにして、南側にテラスを設けた方も半分いました。それでも建物の西端に喫茶コーナーがあり、テラスが公園に対して開いていれば、大丈夫でしょう。

2)(6)階段、エレベーター及びスロープのア.の欄に「建築物には2以上の階段を設けるものとし、そのうち1の階段については屋外階段としてもよい。」という項目があり、これを見落としてしまった方がかなりいました。
練習課題ではいつも「建築物には2以上の階段を設けなくてもよい。」だったので、スルーしてしまったのでしょう。
ここは合否の大きな境目になる気がしますが、見落としている方がかなりいるので、忘れてても受かる人もいるかもしれません。12月までなんともいえないポイントですね。
また、平面図には描けたけれど、立面図に落とすのを忘れた、という方もちらほら。これも減点の対象になります。まったく計画し忘れている人よりはいいとは思いますが…。
他に屋外階段関係で多かったのは、建築面積に算入し忘れた方。これも減点対象ですが、こちらはそれほど大きな減点ではないのではないでしょうか?

3)多目的スペースに関しては、「可動間仕切りにより、独立した室としても使用できるようにする」という部分の解釈で、2階の会議室に引きずられて、多目的スペースを2分割している人がかなりいましたが、どこにも2分割しろとは書いてありません。その他の、「災害時やイベント時に活用する」「災害時やイベント時に喫茶コーナーの厨房を利用する」という記載から推測して、喫茶コーナーと多目的スペースの間を、可動間仕切りで仕切って、閉じて独立した部屋としても使えるし、開いて大空間として大人数を収容することもできることを、試験元は期待していると思われます。
なので、喫茶コーナーと多目的スペースの間に収納や壁があって区切られている場合は、印象がよくないかもしれませんね。ここ数年の傾向ですが、日本語の読解力が必要な気がします。

というわけで、私のエスキース例2つ、縦型と横型を掲載しますので、ご参考まで。
(画像をクリックするとサブウィンドウで全体がみられます)

みなさんの朗報をおまちしております!!


Img


Img_0001


総合資格学院の参考解答例はこちら

日建学院の参考解答例はこちら