7月28日、住居の会の見学会に参加し、
小泉雅生さんのご自邸「アシタノイエ」を拝見して参りました。
西側横浜市の方からのアプローチは、旗竿敷地になっていて、手前に隣地の空き地が広がっています。
南側から見るとわかるように、東側は川崎市の道路に面しているのですが、こちらの道路が約3メートルほど高くなっています。
2階の床面よりもさらに70センチぐらいでしょうか?高くなった屋根をルーフガーデンとして芝生がうえてありますが、この高さと川崎市側道路の高さがそろえてあります。そのため、地形に埋もれたよ
うな印象を受けます。
川崎市側道路からみたところです。既存の楠がうっそうとしていて、緑に埋もれた感じです。
1階のリビングから東側道路の方に延びるスロープです。
お子さんが滑り台として滑り降りてきそうな感じです。
構造は木造ですが、オーク構造設計さんが構造設計をしています。
普通木造軸組構造では、私たちは105角や120角の柱を使いますが、実際に計算をすると50角でいけるらしいのです。ただ、あまり細いと心細いということで60角を使用しているそうです。
細くするとどうしても座屈してしまうので、欄間を設けたり、所々座屈防止の横補剛をしています。また、ブレースは鉄筋のものが入っていますが、端部で接合するのに柱が細くて納まりが大変だったと言うお話です。端部は隠れてしまっているので、見えません。
また、間柱についても、普通は計算に入れませんが、この住宅では間柱も計算に参加させているそうで、2×4材?がたくさん使用されていました。こちらも座屈しないように、水平方向につなぎをいれてあります。デザインとしても美しい。
実験的な試みも行われていて、床壁天井には断熱材の他に、保冷剤が敷き込まれています。26度以上で熱を吸収して蓄熱し、26度以下になった時に放熱するそうです。
フローリングも、床暖房の効率を高めるために厚さ3 ミリのものを使用しているそうです。
タイル張りのインナーテラスが空間にアクセントをつけています。
階段もとても軽やかで美しい。白いレースのタペストリーに天窓から注ぐ光がドラマチックです。
この住宅の2階は離れになっていて、それぞれに階段がついているため、階段が2つあります。一方はダイニングキッチンへつながり、もう一方は主寝室へつながります。
2階の離れ2室はルーフガーデンでつながっているので、
お子さんは家の中をぐるぐると鬼ごっこしてまわれそうです。
普通の家なら階段がひとつなので、2階へ上がってしまったら追いつめられてしまいそうですが、階段がふたつあればぐるぐると一筆書きで回れます。1階もワンルーム状態になっているので、ぐるぐると回れるプランです。
階段の両脇に3つの子供室がリビングに面してあります。
リビングを通って個室に入るプラン。個室の仕切りは構造上座屈防止の目的で設けた欄間によって、光と空気がリビングつながっています。家族の気配が共有できる、まさに「頭のよい子が育つ家」「子どもがゆがまない間取り」になっています。笑。
※写真は千田昭子さん、石塚恭子さん、崎田の撮影のものが混ざっています。