Sakita Blog

1級建築士事務所Sakita Space Design主宰
崎田由紀のブログ。

令和3年(2021) 1級建築士 学科試験 構造速報

2021-07-12 18:37:25 | 建築士試験

昨日は1級建築士学科試験、お疲れ様でした。
今年から1級建築士についても、解答速報を掲載したいと思います。
構造だけですし、私が独自に公開しているものですので、試験実施機関とは関係がありませんので、ご了承ください。

今年は法規構造は比較的やさしかったようですが、計画がとても難しかったようですね。総合点での合格点も下がりそうな感じです。1級は合格基準点、足切り基準点が明確に発表されないので、その点、合格発表までハラハラしますね、、、

No.1 組み合わせ応力度の問題 答2
圧縮力と水平力による組み合わせ応力度の問題はよく出題されるので、みなさん簡単に解けたと思うのですが、せん断応力度は出題頻度が高くないので、公式を覚えていたかどうか、、、?長方形断面の係数1.5をかけるのを忘れずに求められたでしょうか?

No.2 反力、応力、たわみの比 答4
平成15年に出題されたものとよく似た問題です。問題集の復活要注意問題に入っています。両端固定の梁のたわみの公式を覚えていたかどうか、、、?それを忘れていても、反力、最大曲げモーメント、最大せん断力は求められると思うので、消去法で選べたかもしれませんね。

No.3 曲げモーメント0の時の荷重の大きさ 答2
これはサービス問題でしたね!簡単。

No.4 崩壊メカニズム 答4
これもよく出る多層ラーメンの崩壊メカニズムですね。直前講習でも復習したのでできたと思います。

No.5 トラスの水平変位の大小関係 答3
これは平成21年の問題と似ていますが、問題集からは消えてしまっています。テキストに出題例として掲載されているので、できたかもしれませんが、練習量は多くなかったですね。公式を覚えていたかどうか?直前の公式集には載っていて、この公式はいつ使うのか?という質問があったので、トラスの変位の話をしたので、できたかもしれませんね!

No.6 座屈 答3
2級も座屈が文章題でしたが、1級も文章題でしたね。座屈長さの係数を覚えていたら簡単な問題でした。

力学は、学院推しの筋交い付きラーメンは出ませんでしたね、、、苦笑

No.7 地震時の振動 答1
「応答スペクトル」と言われると、力学の振動で使う「加速度」応答スペクトルが浮かんでしまうので、固有周期が長くなると小さくなる、と思ってしまいがちですが、今回は「変位」応答スペクトルなので、固有周期が長くなると大きくなるのです。
4の選択肢の粘性減衰の減衰定数も、「減衰」と言われると「履歴減衰」についてよく講義に出てくるので、鉄骨の方が大きいと思ってしまいますが、「粘性減衰」は、揺れ幅の減少の度合いなので、RCの方がガサガサ揺れなのでおさまりやすいですよね。紛らわしいところをついてきたな、と思いました。ひっかかった方多かったかも。。

No.8 荷重外力 答1
積載荷重の大小関係は簡単でしたね!その他の選択肢についても直前でやったことが出たので、正解できたでしょう!

No.9 木造 壁率比計算 答3
これは実力テスト、直前講座的中ですね!楽勝だったでしょう。

No.10 木造軸組工法 答1
これも直前でやりましたね!

No.11 鉄筋コンクリート構造 答2
直前でやった、、、と思ったら、2級の直前でやったのでした、、、
いずれにしても簡単な問題でしたね。

No.12 鉄筋コンクリート構造配筋 答2
これはびっくり玉ですね。1と3が正しいというのはわかりますが、2と4は初出です。初出で正当肢というのはキツイ問題ですね。今後定着などについてより、指針なり、標準図なりをこまかに学習しないといけないかもしれませんね。

No.13 鉄筋コンクリート構造 許容応力度計算 答1
これは1か4かで迷いますね。。。

No.14 鉄筋コンクリート構造 保有水平耐力計算 答4
これは脆性破壊するものはD!!とやっていたので、みなさん選べたでしょう。3の選択肢も直前でやりました。1と2はテキストには掲載されているのですが、あまり見覚えなかったかも?でも4までちゃんと読めば、選べますね!

No.15 鉄骨構造 答2
これはどの選択肢も直前などでやったものなので正答率高いでしょう!

No.16 鉄骨構造 接合部 答4
1の選択肢はあまりふれていませんでしたが、2、3については直前でやったので、判断できたでしょう。

No.17 鉄骨構造 答1
これも直前でやりました!的中ですね!

No.18 鉄骨構造 耐震計算 答2
補講で耐震計算ルートのまとめをやったので、補講に出席された方はできていたでしょう!

No.19 土質地盤 答3
これは2級でもよく出る問題ですね。簡単でした。

No.20 地盤沈下 答4
これも、土粒子が変形するのではなく、間隙水が排出されて体積が減少する現象、ということをおぼえていたら簡単ですね。

No.21 擁壁地下外壁 答1
摩擦係数については、粘土ヌルヌル、砂ザラザラで覚えていたと思います!

No.22 プレストレスとコンクリート構造 答2
正答肢は、直前でⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種について説明したのですが、ひび割れしない、とはいっていたけど、引張り生じない、という表現はしていなかったかも、、、また、他の選択肢が難しいので、これは難しかったかもしれませんね。

No.23 各種建築構造 答3
これも壁式鉄筋コンクリート構造の1と2はすぐに判断できても、3と4で迷ったかも?埋め込み拄脚の曲げ終曲耐力は、何と何の小さい方と何を足すのか?覚えていましたか?

No.24 耐震構造、免震構造、制振構造 答3
これも直前でやりましたね!的中です。

No.25 既存鉄筋コンクリート構造の耐震診断改修 答2
これは2級でよく出る問題なので、簡単に感じましたが、1級ではあまりふれていなかったかもしれませんね。耐震スリットを設けると短柱が長柱になる→せん断破壊しなくなる→靭性が向上する(耐力は向上しない)と判断できたかどうか?

No.26 構造計画 答1
これは難しい問題でした。

No.27 木材および木質系材料 答4
これは簡単、、、ですよね?

No.28 コンクリート材料 答4
これも応力度ひずみ度曲線を描いて、ヤング係数をどうやって求めるか、思い出せれば簡単でした。

No.29 鋼材 答3
これも簡単でしたね!降伏点強度と引張強度でひっかけてくるのは2級と同じですね!

No.30 非構造部材等の設計用地震力 答4
これは難問でした。告示等についても学習しないとならないかも?
ただ、東日本大震災で、天井、傾斜路、エスカレータ、エレベータ等についての被害があり、それに伴って法律が厳しく改正されているので、その辺の知識を問われているので、大切な問題といえば大切な問題ですね。人の命に関わる仕事をするのですからね。

さて、みなさんの結果はどうだったでしょうか?
1級建築士の数が足らなくなるので、試験制度の見直しがされたというものの、試験自体は難化している気がします。人は増やしたいけど、質は落としたくないという国の意向なのでしょうか?

難しかった計画など、その他の教科の解答は総合資格の解答速報サービスをご利用ください。 

 


令和3年(2021) 2級建築士学科試験 構造速報

2021-07-04 23:17:16 | 建築士試験

令和3年(2021) 2級建築士学科試験 構造速報

学科試験お疲れ様でした。
今年の試験は法規が難しかったという噂でしたが、結果を見るとみなさん結構取れていて、構造、施工が難しいという声も聞こえました。施工はかなりむつかしかったようですね。

法規も構造も、1級の試験から降りてきたような問題もあって、2級の準1級化がさらに進んだようです。
構造について今年もコメントをしていきたいと思います。

NO.1 断面1次モーメント 解答4
R01に出たばかりの断面1次モーメントがまた出ましたね。今回もH26,H29,R01同様、同じ断面積に分けられる問題なので、与えられている断面1次モーメントの公式を使わずとも瞬殺できる簡単問題でした。ラッキーでしたね。

No.2 応力度 解答2
等分布荷重の梁の長さを出す問題なので、最後にl^2の2乗を外さないとならない点がちょっと難しかったかな?でも直前講習でやりましたね!

No.3 応力 解答2
せん断力、出せましたか?今回はもし間違えて反対側を出しても、H29のように左右非対称位置に荷重がかかっているわけではないので、まちがえようがなかったですね!

No.4 トラス 解答4
R01に引き続いて0部材の数探しでした。Aの0部材が5つ全部探せたかどうかがポイントですね。

No.5 応力図 解答5
M図がでましたね!H27 、H30、R01、R02 とM図が出ているので、今年も出そうだなーと思っていたのが的中しました。直前期にM図の特訓プリントを配布していたので、みなさんできていたと思います!今年は昨年に比べて、消去法で簡単に選べるのでとても簡単だったと思います。

No.6 座屈 解答2
 H25年以来久しぶりに文章題が出題されました。でも最後の総合模試で文章題をやっていたので、みなさんできたと思います!オイラー式がかければ、簡単でしたね!

以上力学はどれも簡単でした。問題は一般構造です、、、

No.7 荷重外力 解答1
正答肢の1は過去何度も出ていて、直前講習でもやったのでみなさん選べたと思いますが、3、5の選択肢は初出題ですね。

No.8 地震力 解答2
過去問でよく出る「地震層せん断力は、その階が支える固定荷重と積載荷重の和に、地震層せん断力係数を乗じて求める」という日本語を公式にするとどうなるか、という問題ですね。内容は簡単ですが、見た目が目新しいので戸惑ったかも。

No.9 地盤基礎 解答5
直前講習でやった岩>固>密>堅>ナシを覚えていれば簡単ですね。その他の選択肢も過去問ばかりで、これは簡単でした。

No.10 木造部材名称 解答1
野縁は天井下地、廻り縁が天井と壁の見切り材ですね。

No.11 木造 解答3
「座金が木材にわずかに減り込む程度にボルトを締め付ける」というのはかなり昔に出題があったきり、ここ11年は聞かない選択肢でした。選択肢4のドリフトピン接合の降伏せん断耐力と終曲せん断耐力が同じというのはR01に出題がありました。今回、R01と似た出題が多いですね。

No.12 木造接合金物 解答4
H26に出題のあった金物シリーズですが、初出題の金物が多かったので難しく感じたかも?現場を知っている人には簡単だと思うのですが。

No.13 壁式鉄筋コンクリート構造 壁量計算 解答1
H23、H28、H30に出た壁量計算がまた出ましたね。簡単でした。

NO.14 鉄筋コンクリート構造 解答1
直前講習でやったものばかりでした。これは簡単でした。

No.15 鉄筋コンクリート構造 配筋等 解答5
継手は揃えない!ずらす!というのも、直前講習でやっていたので、みなさん選べたでしょう。ただ、選択肢3は初出題ですね。テキストp213のM図と⑦の記載を読んでいたかどうか、、、M図は引っ張り側なので、M図の図が出ている方に引っ張り鉄筋を入れるというのが理解できていたかどうか?講義ではあまり触れていない部分でした。

No.16 鉄骨造 解答3
正答肢の3は、直前でもやった気がするのですが、1、2、4が初出題で、とまどったのではないでしょうか?

No.17 鉄骨造 接合 解答1
H29に適当な選択肢として出題されていたものが、アレンジされて不適当な選択肢(正答肢)になって出てきました。また、選択肢3は初出題ですね。

No.18 構造計画 解答1
これも、正答肢1はH30の5のアレンジですね。偏心率の話ですが、偏心率はH25、H26、H29、R01にも出ているので選べたと思うのですが、2と5の選択肢は初出題でした。特に選択肢2はH31に大雪の後に法令ができた新しい傾向の問題でした。

No.19 耐震設計 解答4
これは直前でもやったので大丈夫だったでしょう。ただ、選択肢3の二次設計の目的は初出でした。

No.20 木材 解答3
H30の「すべての条件が満たされた環境下でなかれば繁殖しない」のアレンジ問題でした。ちゃんと読み取れたかどうか。
5の選択肢の「曲げヤング係数」は初出題でした。

No.21 コンクリート 解答3
H29の「長期の湿潤養生期間が必要となる」という適当な選択肢のアレンジ問題でした。
2の選択肢も、よく読めば、乾燥開始が遅ければ、乾燥収縮は小さいだろうな、と想像できますが、習ってない、と思ってしまうと迷うかも?

No.22 コンクリート 解答5
これは直前でやったものばかりだったので簡単でした。

No.23 鋼材 解答4
選択肢4の「降伏点」というところに反応できたかどうか。引っ張り強度ではありません、降伏点とヤング係数は一度も上がらずダダ下がりでしたよね。H29年と全く同じ文章でしたのでできたでしょう。
選択肢1、2、3は初出題でした。3は1級でよく出る問題で、2級でも説明するべきか迷った部分でした。来年から2級でも説明します。
鉄骨造の○○比は小さい方がよい、のシリーズに増やすだけです。

No.24 ガラス 解答2
型板ガラスの説明ではなく、フロストガラス、曇りガラスの説明でした。初出題ですが、型板ガラスの正しい説明をしっかり覚えていれば、違うな、と気づけたのでは?
プリズムガラスは初出題でした。

No.25 材料 解答5
ALCが防水性に劣るというのはH22の正答肢でもあるので、できたでしょう。選択肢1と2は初出題でした。

以上、正答肢は過去問や過去問アレンジなので、冷静に読めば間違えないと思うのですが、適当な選択肢の中に初出題が多かったですね。これらが今後アレンジされて不適当な選択肢(正答肢)になっていくのでしょうね。

みなさんはいかがでしたでしょうか?

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